原子力発電を認めたくないのは、技術的な問題だけではなく、
信用できない人間たちが推進し、運営しているからでもある。
原子力発電所ではこれまで何度も、測定データの改ざんが行われており、
発覚する度に再発防止策が発表されたり、コンプライアンス意識の向上などと建前を言っている。
東京電力の柏崎刈羽原発では、取排水温度の測定値が改ざんされた。
東京電力のプレスリリースは次のとおり。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/06113001-j.html
原子力発電所は、二次冷却水に海水を使用している。
冷却に使うわけだから、取水よりも排水の方が温度が高くなる。
説明では、取水と排水の温度差が、7℃以内が目標値とのことだ。
測定値がその範囲をはみ出さないように、数値をごまかして報告していたのだ。
温排水については、水産資源への影響について関連性が指摘されているので、
漁業補償の問題もあってか、「目標値の範囲内にあるべき」 という建前を優先したわけだ。
嘘が発覚したときの影響の方が大きいが、そういったリスク管理もできない会社なのだ。
それにニュースでは 「原発データ改ざん」 となっているのに、
プレスリリースでは 「不適切な補正」 と言い換えている。
原発推進側は、反対派に対していつも、「科学的な議論をしましょう」 と言っているが、
測定値を意図的に変更することは、決して科学的な態度とは言えないので、矛盾している。
温度計も含めて測定装置は、様々な要因で、真の値を計測しているとは言えない。
そのため厳密な値が必要な場合は、「較正」 という作業を最初に行う。
例えば、20℃とわかっている液体を測定したとき、表示が21℃であったなら、
次回の測定からは実測値に加えて、1℃低い温度に補正した値も一緒に記録することになる。
実際の較正はもっと厳密で面倒な作業だが、高度技術の塊である原発ではやっているはずだ。
とにかく原発関係者は信用できない。
原発は安全だといくら宣伝しても、「私たちは嘘つきです」 と公言しているようなものだ。
この件について、東京電力のHPにある 「エコーボックス」 で質問を送信した。
これからも監視を続けなければならない。
追記:
東京電力から返答があった。
[法令上や安全性の問題がなく、許認可やプラント運転等に係わらない管理値であるため、
軽微な変更と捉えこのような不適切なデータ処理を行ったものと認識いたしております。]
この意識が、コンプライアンスという概念に反することに気づくべきだ。
コンプライアンスとは、単なる 「法令順守」 にとどまらない概念だ。
つまり東京電力は、法令などでルールが決まっていなければ、
安全だと思えば、自分たちの都合で何でも変えてかまわないということか。
すると今後は、都合の悪いことは法令や安全基準に加えないという危険性がある。
原子力発電を推進する者たちが信用できない理由がまた増えた。
(最終チェック・修正日 2006年12月01日)
信用できない人間たちが推進し、運営しているからでもある。
原子力発電所ではこれまで何度も、測定データの改ざんが行われており、
発覚する度に再発防止策が発表されたり、コンプライアンス意識の向上などと建前を言っている。
東京電力の柏崎刈羽原発では、取排水温度の測定値が改ざんされた。
東京電力のプレスリリースは次のとおり。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/06113001-j.html
原子力発電所は、二次冷却水に海水を使用している。
冷却に使うわけだから、取水よりも排水の方が温度が高くなる。
説明では、取水と排水の温度差が、7℃以内が目標値とのことだ。
測定値がその範囲をはみ出さないように、数値をごまかして報告していたのだ。
温排水については、水産資源への影響について関連性が指摘されているので、
漁業補償の問題もあってか、「目標値の範囲内にあるべき」 という建前を優先したわけだ。
嘘が発覚したときの影響の方が大きいが、そういったリスク管理もできない会社なのだ。
それにニュースでは 「原発データ改ざん」 となっているのに、
プレスリリースでは 「不適切な補正」 と言い換えている。
原発推進側は、反対派に対していつも、「科学的な議論をしましょう」 と言っているが、
測定値を意図的に変更することは、決して科学的な態度とは言えないので、矛盾している。
温度計も含めて測定装置は、様々な要因で、真の値を計測しているとは言えない。
そのため厳密な値が必要な場合は、「較正」 という作業を最初に行う。
例えば、20℃とわかっている液体を測定したとき、表示が21℃であったなら、
次回の測定からは実測値に加えて、1℃低い温度に補正した値も一緒に記録することになる。
実際の較正はもっと厳密で面倒な作業だが、高度技術の塊である原発ではやっているはずだ。
とにかく原発関係者は信用できない。
原発は安全だといくら宣伝しても、「私たちは嘘つきです」 と公言しているようなものだ。
この件について、東京電力のHPにある 「エコーボックス」 で質問を送信した。
これからも監視を続けなければならない。
追記:
東京電力から返答があった。
[法令上や安全性の問題がなく、許認可やプラント運転等に係わらない管理値であるため、
軽微な変更と捉えこのような不適切なデータ処理を行ったものと認識いたしております。]
この意識が、コンプライアンスという概念に反することに気づくべきだ。
コンプライアンスとは、単なる 「法令順守」 にとどまらない概念だ。
つまり東京電力は、法令などでルールが決まっていなければ、
安全だと思えば、自分たちの都合で何でも変えてかまわないということか。
すると今後は、都合の悪いことは法令や安全基準に加えないという危険性がある。
原子力発電を推進する者たちが信用できない理由がまた増えた。
(最終チェック・修正日 2006年12月01日)