2011年02月

an|sehen* sah an/angesehen
I 他 (h)
2 ((〔sich3jn. <et.4>)) (ある意図をもって…を)じっくり見る,見物<観察>する,吟味する

Wer verstehen will, warum "Rosat" überhaupt zum Problem-Satelliten werden konnte, muss sich3
die Geschichte4 der Mission ansehen.
そもそもどうして「Rosat」が難問を抱えた衛星になるかもしれないのか、それを理解したい者は、そのミッションの歴史をじっくり見ておく必要がある。
("Drohender Absturz: Problem-Satellit beunruhigt Bundesregierung", SPIEGEL Online, 26.02.2011,
www.spiegel.de/wissenschaft/weltall/0,1518,747899,00.html

5 ((jm. et.4)) (…の外見から…を)見てとる,看取する,(…が…であることが)見てわかる

Dem Mond
3 ist seine bewegte Vergangenheit4 deutlich anzusehen: Seine Oberfläche ist
von Kratern übersät.
月を見るとその激動の過去を明らかに見てとることができる。その表面はクレーターだらけである。
("Asteroiden: Heiße Mondseite hat größere Krater", SPIEGEL Online, 08.11.2013,
www.spiegel.de/wissenschaft/weltall/mond-hat-auf-erdzugewandter-seite-groessere-krater-a-932414.html

(最終チェック・修正日 2013年11月08日)


日本経済新聞の連載・コラム 「ニッポンこの20年 長期停滞から何を学ぶ」 は、第5部として 「揺らぐ土台」 というキーワードを選んだ。
www.nikkei.com/news/topic/

本日2月27日の記事は、「科学立国のつまづき 既得権残り政策生かせず」 で、博士号取得者の活用が不十分であることも指摘している。

私は元々、高校理科教員を目指していたが、教師として教える前に、まずは好きな化学で博士号を取得して、授業で使う実験教材などを自分で開発できる能力もつけようと考えていた。
ただし、ある事件をきっかけに、教員になることはやめたが、その次は研究者として生きていくことを目指した。

私が大学院在学中に
ちょうど、 「科学技術立国」 という言葉が出現し、研究費や奨学金が増えてきた。
建設国債を財源にするという科学振興策には疑問を持っていたものの、私は大学等で研究職に就けると信じて博士号を取り、ポスドクも4年間続けた。
しかし、ある事件をきっかけに、アカデミックに残ることはあきらめ、研究職派遣会社に登録して、民間企業で働くことにした。

日経記事の後半では、【博士の育成策も破綻している。毎年生まれる約1万6000人の博士のうち、3分の1が企業に就職し、3分の1が大学で職を得るか、非正規雇用のポストドクターとして大学で働く。残る3分の1は「行方不明」。研究プロジェクトの終了後に解雇された若手研究者は行き場を失い、フリーター化している。】 とある。

私は学術振興会海外特別研究員だったが、帰国後の所属先を届け出る規定を無視しており、統計上は  「行方不明」 である。
海外に派遣された場合のみ、自分の職場と自宅連絡先について、定年退職するまで届け出る義務を課すのは変だ。
それに、学術振興会を批判する投書が雑誌に掲載されたため、彼らも私の情報など抹殺したいはずだろうし。


また、
専門性は高いが、視野が狭くて使いづらい」として、企業は博士を雇用したがらない。】 は、企業の本音だ。
昔は縁故採用ということで、有名教授が無理矢理頼んで就職させることも多かったが、今ではわずかな事例となった。
確かに、勤務先で50代以上の博士社員の様子を見ると、研究はできるが、企業の求めるミッションを理解していない自己流博士社員が多いと感じる。

当時の文部省が労働省に対して、博士号取得者を採用するように通達を出してほしいと頼んだが、無視されてしまった。
博士倍増を言い出した有馬氏は、「アメリカ並みに博士を増やせば日本は良くなる。」 と言っていた。
しかし就職できないことを指摘されると、「私も3年くらいは無職のようなものだった。頑張れ。」 と言うだけ。
さらには、「人数を増やせばレベルの低い博士も増えるだろう。ただ、底辺が広がれば、氷山の一角は大きくなる。」 と、当事者の博士号取得者の将来など、全く考えていなかったことを自ら話している。

博士の就職難は深刻で、結局は税金の無駄使いになってしまった。

サイエンス・サポート・アソシエーションの榎本英介代表のコメントが掲載されている。
結果として「大学はお金をかけて育てた若手研究者を即戦力としてだけ利用し、使い捨てにしている」と、若手支援で活動する
NPO法人の榎木英介代表は言う。

この
サイエンス・サポート・アソシエーションと、事業分離前から関係するサイエンス・コミュニケーションのHPは次の通り。
sci-support.org/
scicom.jp/


記事の最後には次のようにあり、やはり科学が文化として根付いていない日本では、博士の活用などどうでもよく、
「科学技術立国」 を口実にして、各省庁が科学技術予算の分捕り合戦をしただけ。
大学発ベンチャーの失敗例も含めて、産学協同で世界をリードするなど夢物語だった。


安倍政権で内閣特別顧問を務めた黒川清・東大名誉教授は「一部の政策だけ欧米流をまねても、社会の仕組みが変わらなくては矛盾が生ずるばかりだ」と指摘する。
例えば若手だけが非正規雇用で流動化する一方、定年延長で教授の在職は長いまま。科技基本計画は戦略投資が建前だが、現実には役所の要求を束ねたにすぎない。
官庁や大学の既得権益を壊さず、付け焼き刃で欧米流を取り入れてきたツケが回ったといえる

ノーベル賞を受賞すれば熱狂する割に、自然科学の基礎研究の重要性について、日本国民は官僚も政治家も含めて、本当に理解してはいないのだ。
こんな国は元々、環境の変化に適応できないのだから、衰退しようが破滅しようが、どうでもいいのではないか。

既に報道されているように、日本の今季の南極海調査捕鯨は、攻撃的環境団体シー・シェパード(SSCS)の執拗な妨害行為によって、約1か月早く終了することになった。

日本鯨類研究所(鯨研)は2月18日に、憂さ晴らしの様なプレスリリースを出し、SSCSだけでなく、その船籍登録国や支援国も名指しで批判している。
icrwhale.org/110218ReleaseJp.htm

これで終わりかと思ったら、何と鯨研は、捕獲予定数がいかに少なく、クジラの生息数に影響しないのかを宣伝するため、「豆知識」 の記事を追加した。
タイトルは、「調査捕鯨の捕獲数について」。
icrwhale.org/pdf/09-A-1.pdf


その一方でSSCSは、捕獲予定数を約700頭も下回るという戦果を大々的に宣伝し、満足しているようである。
アニマルプラネット側としては、撮影日数が減ったものの、連日の攻撃の迫力映像を十分確保したのではないだろうか。

そしてこの南極海調査捕鯨早期切り上げの副産物というのか、SSCSが遭難者捜索に協力するという美談のネタが提供された。
妨害行為を終えて帰港する途中のSSCSに対して、ノルウェー冒険家たちを乗せた遭難ヨットを捜索するように依頼があった。
エコテロリストとして批判されているSSCSであるが、来年に向けて、この遭難ヨット捜索に協力したことを利用することだろう。


南極点到達100年の今年、ノルウェー人を中心とする冒険家たちが、アムンセンの探検を再現しようと試みた。
探検チームは
2名を上陸させた後、ヨット Berserk号でロス海を航行中、強風と高波を伴う悪天候のために遭難した。

Maritime New Zealind ニュージーランド海上安全庁)の最新ニュースは次の通り。
www.maritimenz.govt.nz/News/Latest-media.asp

最後の通信があった場所には、誰も乗っていないヨットのみで、救命ボートがどこに流されたのか不明であった。


ニュージーランド海軍のウェリントンが捜索に出動したが、ロス海に一番近い位置に、なんとSSCSの Steve Irvin 号がいた。
ということでSSCSに対して、救命ボートの捜索に協力するように要請があった。
燃料残量の問題があったものの、Steve Irvin号は捜索に参加し、そして Berserk号の救命ボートを発見した。
ただ、残念ながら誰も乗っておらず、捜索は継続している。

他にも、ロシア船籍の探検・観光クルーズ船 Professor Kromov号も捜索に参加している。

その捜索活動について、現時点の英語、ドイツ語およびノルウェー語の報道は次の通り(SSCSのサイトは自慢話に聞こえるのでリンクせず)。
www.heraldsun.com.au/news/breaking-news/trio-missing-as-life-raft-found-frozen/story-e6frf7jx-1226012120421 (オーストラリア)
www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm (ニュージーランド)
www.spiegel.de/reise/aktuell/0,1518,747761,00.html (ドイツ)
www.nrk.no/nyheter/verden/1.7524917 (ノルウェー)


この捜索活動は偶然が重なったわけだが、日本が調査捕鯨を途中でやめたから、そしてSSCSがニュージーランドへ向かう途中だったから、遭難したヨットを捜索しようということになった。

冷たい南極海ならば人命優先ということを、対象を限定的ではあっても、SSCSは一応理解しているということだ。
今後はこれを宣伝材料にするのかもしれないが。

そう言えば、日本の捕鯨船団で落水事故があったとき、SSCSが行方不明者捜索の申し出をしたのに、捜索の邪魔をしに来たと日本側は思いこみ、その申し出を断ったことがある。
このとき行方不明(推定死亡)だったが、調査は続行したことから、捕鯨団は人命よりもミッション優先の軍隊みたいだと感じた。

数年前の日新丸火災事故でも焼死した船員がいたが、このときの調査中止理由は火災やエンジントラブルであり、船員の命が失われたことではなかった。
このとき、グリーンピースが曳航することを提案したが、日本側は拒絶した。

また、出航直前に自殺した船員がいたが、詳細は公開されずに、調査捕鯨が予定通りに行われた。

北西太平洋で事故死があったときは一時帰港したが、それは調査に戻ることが可能だったからで、やはり日本捕鯨団はミッション優先の人命軽視と宣伝されても仕方ないだろう。

SSCSが遭難者を捜索している報道は海外では多く流れているが、日本で出るかどうかチェックしておこう。
多分、農林水産省が記者クラブを通じて阻止するかもしれないし。

(最終チェック・修正日 2011年02月27日)

貴族出身のツー・グッテンベルク独国防相は、バイロイト大学で2007年に取得した博士号を正式に返上した。
引用したAFP記事にあるように、21日に大学に返上を申し出て、大学側も博士号はく奪を発表した。

バイロイト大学のプレスリリース2件は次の通り(ドイツ語)
http://www.uni-bayreuth.de/039-036-gutten.pdf (国防相からの博士号返上の申し出について)
http://www.uni-bayreuth.de/presse/info/2011/040-037-gutten.pdf (博士号はく奪について)

この博士号はく奪後、大臣個人HPと、国防省HPでの大臣経歴紹介から、博士号取得の記載が消えている。
学歴としては、バイロイトとミュンヘンで法学・政治学を学んだ、というだけになっている。
http://www.zuguttenberg.de/person.php
http://www.bmvg.de/portal/a/bmvg/!ut/p/c4/04_SB8K8xLLM9MSSzPy8xBz9CP3I5EyrpHK9pNyydL3czLzM4pLUoszSXL2U1KJ4GF8vJzUpNa84J7E0Tb8g21ERAAbcn9k!/

これで、ドイツ人が憧れる肩書の一つの 「Dr.」 を使えなくなり、貴族であっても非常に残念に思っているだろう。
本名は正式には、「Karl Theodor Maria Nikolaus Johann Jacob Philipp Franz Joseph Sylvester Freiherr von und zu Guttenberg」 と非常に長いもので、それでも一番最初に 「Dr.」 を付けたしたいというのは、不思議な感情だ。

卒業単位をなんとか楽して取ろうという手抜き学生と同じような行動なので、
通称 「コピペ大臣」 だとか、言い訳ばかりの 「自己防衛大臣」 と呼ばれてもしたかないだろう。

加えて恥ずかしいのは、少しずつ情報を出したり、態度を変えてゆく、いわゆる 「サラミ戦術」 である。
最初に間違いを認めて学位返上をしていればいいものを、「あくまで一時的に博士号を返上する」  だった。
目立たないように小出しにしたつもりが、ネット上に不正検証サイトができた後、「正式に返上」 に変わった。
http://de.guttenplag.wikia.com/wiki/GuttenPlag_Wiki

ただ、記事にあるように、未だに 【「深刻な過ち」があったという表現で、剽窃(ひょうせつ)は認めてはいない。】 だ。
約 1,300 個所の引用部分について、全て原典を示すことで、解決しようと考えているのかもしれない。

記事中にある 【科学的研究とは相容れない深刻な過ち】 とは、上記の引用方法のことでは単純すぎる。
文献の引用だけで書いたもので、自分の考察は一切入っていない、単なる報告書レベルだったという意味なのか。


大臣の論文については、この撤回した博士論文以外にも、もう一つ疑惑論文が見つかっている。
次のリンクに示したように、トルコとEUの関係について2004年に発表している。
http://www.hss.de/fileadmin/migration/downloads/aa33_internet.pdf

この二つ目の疑惑論文についても、GuttenPlag Wiki では検証する予定だという。


20年くらい前は、「ドイツ人は論文ねつ造などしない。競争主義のアメリカで起きることだ」 と言っていたが、
ドイツ人研究者の論文ねつ造事件は後を絶たず、今回のコピペ大臣の出現によって、
ドイツ人研究者のプライドは、さらに傷ついたことだろう。

まあ貴族でも聖職者でも、ただの人間ということなのだ。

2年半ほど前、ある翻訳会社のプロジェクトが終了したため、収入を維持するために、複数の翻訳会社に履歴書を送った。
トライアル合格率は低かったものの、それでも3社に英語・ドイツ語翻訳者として新規登録できた。
そのうち1社から最近、約1年半振りに問い合わせメールが届いた。

この翻訳会社のトライアル課題は、私が任意に選んだ日本語特許請求項のドイツ語訳だった。
このトライアルには合格したものの、実際の依頼は、50ページのドイツ語特許明細書を1週間以内で和訳、という厳しい納期ばかりだった。
その後も打診が何度かあったものの、本業のある私にはとても無理な納期ばかりで、全て断ることになった。
そんなこともあって、この翻訳会社からは3回くらい問い合わせがあっただけで、一度も仕事をしていない。

ということで、久しぶりのメールであっても、問い合わせ内容を読む前に、今度も無理な案件なのだろうと感じていた。
とりあえず開けて読んでみると、英語からドイツ語への翻訳が可能かどうかの問い合わせだった。

加えて、翻訳レートについても提示を求められたが、現在の相場が全くわからないので、適当に勘で返答してしまった。
日独翻訳のレート(7円/文字)を参考にして、英語1ワード当たり7円から10円としてみたが、これで大丈夫だろうか。

ドイツ語では複合語として長い単語を作ることができるので、英語では複数単語となる場合でも、ドイツ語では1語になってしまうことが多い。
ドイツ語ベースで単価を決めると損をする、不公平ということで、英独・独英翻訳では、英語1ワード当たりで決めることが慣例となっているようだ。


確かに私は、英語もドイツ語も理解できるが、英日・独日翻訳がほとんどで、英独翻訳の経験はないに等しい。
経験がないというのは、翻訳会社からの依頼では、英独翻訳をしたことがないということだ。

英独翻訳の経験について、まずはドイツ留学中のことを例示しよう。
実験ノートは英語で書いていたが、セミナー発表はドイツ語で行ったので、発表資料の作成時に英独翻訳をしたことになる。

他には、日本で開催された学会に参加したドイツ人教授の奥さんは、フランス語は理解できるものの、英語を知らないとのことで、学会参加者の同伴者向けツアーが英語だったため、説明が何も理解できず、つまらなかったという。
そこで私の指導教授が、「うちの研究室にはドイツ語を話す学生がいる」 と、勝手に私をドイツ語観光ガイドに指名した。
たいていは日独翻訳・通訳だが、たまたま英語の説明プレートしかなかった場所では、英独翻訳をしたことになる。

まあ、どちらにしても、頭の中には母語として日本語があるので、日本語も介して英語とドイツ語を結び付けているかもしれないが。


今回の問い合わせの話に戻ろう。
特許明細書でも、専門の有機化学ならば可能であると、分野を限定するという、少々弱気な返事をしておいた。
元々化学・バイオ系で登録しているのだから、それ以外の分野では、納期を守れないリスクが高くなるためだ。

分野について限定したのだが、翻訳会社からの返事では、「特許明細書等」 とあるだけで、クライアントが実際にどのような分野の文書を依頼してくるのか、現状では全くわからないとのことだった。

とりあえず、この翻訳会社では、英独翻訳ができる人を確保しておこうということだったのかもしれない。
他社には、他言語間翻訳も売りにしているところもあるので、なんとかして受注を奪うために、私に声がかかったのかも。

それにしても、英独翻訳が必要というのは、どういった理由なのだろうか。
EUでの化学物質規制の規則が変わったので、製品をドイツで販売するためには、ドイツ語の申請書や安全データシートなどが必要なのかもしれない。
EUでは英語も公用語の一つだが、ドイツで売るならドイツ語で出せ、ということなのかも。


多分、納期がきつかったり、分野が合わなかったりで、受注には至らないと思うが、忘れられていなかっただけでも幸せだと思うようにしよう。

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