2012年05月

私がKDDI/auで利用しているスマートフォンは、キーボード付きのシャープ製IS01である。
ただし、通話にはあまり適していない形状のため、メーカーのサイトでは、「スマートブック」と呼んでいる。
www.sharp.co.jp/products/is01/

私は副業で翻訳をしているので、平日の日中など、自宅にいないときに依頼メールが来ることが大半だ。
休み時間や帰宅途中に、添付されたPDFを確認できれば、分量や内容の難易度を把握でき、納期の返答も早くなる。

また、Word や Excell で見積書・請求書を提出することもあるし、納品後に問い合わせがあっても、ファイルをすぐに確認できるので、顧客満足度向上につながると考えた。

加えて、出張時でもブログ更新やインターネットバンキングもできるし、出張報告書の下書きや旅費精算書の作成も可能だ。
液晶画面サイズも5インチあるため、日経電子版や海外ニュースの閲覧も楽である。

WWFのパンダシールも貼って、お気に入りのIS01であったが、アンドロイドのバージョンアップが行われなかった。
そのため、閲覧できないPCサイトや利用できない新作アプリの割合が増えてきた。
それで、夏のボーナスが出た後の7月上旬にでも、最新スマートフォンに機種変更をしようと考えていた。

するとKDDI/auから、IS01とIS02利用者向けのスペシャルクーポンが郵送されてきた。
IS01の場合、特別割引対象機種のIS11Tを選ぶと、本体価格から最大 21,000円割引されるものだ。
対象外のスマートフォンを選んだ場合でも、最大 5,250円が割引される。

IS11Tもフルキーボードを備えており、IS01に形状が似ているため、特別割引対象機種に選ばれたようだ。
www.fmworld.net/product/phone/is11t/

昨年9月発売なのにもう古くなったのか、既に生産は中止されていて、au Online Shop でも在庫はない。
「在庫状況は店頭にてご確認ください」とあったため、最寄りのauショップで聞いたところ、やはり在庫はないとのことだった。
他の機種と比較してから決めるため、IS11Tの取り寄せを希望したが、「購入する場合のみ取り寄せできる」とのことで断念した。

つまり、キャンペーンが始まる前日に在庫確認したのに、スペシャルクーポンの利用ができないことが判明したのだ。
たまたまどこかで在庫を見つけた人だけが利用できるという、非常に不公平なキャンペーンである。
しかも、5月上旬に0円キャンペーンをしているauショップのチラシも見つけたので、IS11Tだけを対象機種にするのは非現実的だと思う。 

DM表紙には、「auスマートフォンを大幅割引いたします」と、期待を大きく膨らませるコピーが書かれているが、結局は在庫がないから、最新機種を 5,250円割引で買わせようとしていると、批判されても仕方ないだろう。

IS11Tの在庫があるau取扱店を探し出す労力を考えると、販売中または販売予定のスマートフォンに機種変更するのが現実的だ。
ということで機種変更候補は、在庫があるIS14SHと、7月発売予定のIS15SHにした。


IS01とは異なる形状で、液晶サイズも少し小さくなるものの、両方とも通話もしやすいサイズなので、有力候補である。
www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/is14sh/index.html
www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/is15sh/index.html

未発売のIS15SHを体験するには、私の場合は東京都渋谷区神宮前にある、KDDIデザイニングスタジオに行かねばならない。

www.kds.kddi.com/

渋谷に用事があるときに、散歩ついでに寄ってみようと思う。
ボーナスが出てから機種変更するため、7月に入ってからだし、クーポンの期限は7月末だから、どうせならIS15SHにしたいものだ。

ところで、このスペシャルクーポンの問い合わせ先は、お客さまセンターとなっていたので電話してみた。
するとオペレーターは、「一体どのようなキャンペーンなのか不明なので、内容を教えていただけませんか」と、逆に質問された。
今回の特別割引は、秘密のキャンペーンだったのだろうか。
IS11Tの在庫がないことに加えて、問い合わせ先なのにこんな対応をされてしまい、非常に不愉快になった。


(最終チェック・修正日 2012年12月22日)

私たちは会話や報道、書籍や資料、文書などで、毎日大量の言葉に触れている。
そして同様に毎日、言い間違いや漢字変換ミス、誤字・脱字にも出会っている。
それでも母国語や、慣れている外国語であれば、その間違いを頭の中で修正して理解することは可能である。

ただし、母国語の日本語で書いてあったとしても、何を言いたいのか、全く意味不明の文章に出会うことも経験している。
私は社内報の編集委員をしており、毎月必ずと言ってよいほど、不可思議な原稿が集まってくるので、筆者の個性的な表現を尊重しながらの、修正作業に苦労している。

文書の中では、様々な保険や金融商品の約款、分厚い取扱説明書に理解しにくい表現が多いと言われている。
外国製ソフトウェアの説明書では、機械翻訳のためか、不思議な表現に出くわしたことがある。
その表現とは、「上級魔術師用プログラム」で、英語原本で確認したところ、「guru(コンピューターの達人)」が使われていた。
ということで推敲の段階で、「上級エンジニア向けプログラム」とでも修正しておけばよかったのではないか。

翻訳だけではなく、日本のメーカーの製品でも、説明書やエラーメッセージの意味が全く理解できないこともある。
今日は一例として、auひかりTVでのエラーメッセージを紹介しよう。

光回線ではあるが、首都圏ということもあってか、回線速度が 100 Mbps を超えることはまれである。
上りが 60 ~ 93 Mbps、下りが 40 ~ 60 Mbps の範囲になることが大半である。
ちなみに省エネモードにすると、上りが 6 Mbps 程度、下りが 4 Mbps 程度と、約10%の速度になる。


省エネモードにしてもBBCワールドニュースなど、チャンネルによっては、この程度の速度でもトラブルは生じていない。
ただ、HD画質で配信しているムービープラスHDなどでは、データ量不足のためにフリーズした後、以下のようなエラーメッセージが出る
(TV画面の撮影画像と、そのエラーメッセージを下に書き起こした)


               放送受信停止
放送またはビデオ(VOD)を受信できません。
メインメニューを表示するためには、
番組表キーを押して番組表を起動し、
メインメニューキーを押して表示させてください。
IP2000

省エネモードで視聴できるチャンネルを確認する作業をしていただけだが、このエラーメッセージを読んでも、どのように対処すべきなのか、私には全く理解できない。

受信できるようにするために、メインメニューを表示させるのかと思ったら、次の行では番組表を起動するとある。
番組表を表示した後に、さらにメインメニューを表示させるそうだが、それから何をすべきなのか、誰にも理解できないと思う。
最後にある IP2000 という番号に対応したトラブル対処法が、非公開マニュアルのどこかに掲載されているのかもしれない。

今回の場合は意図的な実験のため、通信速度の問題だとわかっているので、通常モードに戻せばよいだけだ。
ただ、このエラーメッセージの意味が不明で、誰も対処できないと感じたため、電話で問い合わせをした。

このエラーメッセージが意味不明であることに同意してもらえたので、担当部署に修正依頼をすると約束してくれた。

そして IP2000 とは何か質問したところ、「LANケーブルなどの接続や電源の確認をする」という、単純な最低限の対処法だった。
通信速度の低下も原因の一つになるはずだが、それは入っていないことがわかった。

結局のところ、画面に出たエラーメッセージの通りに、番組表やメインメニューを表示しても、何も解決しないということだ。
メインメニューを表示した後で、一連のメニューの中から、「インフォメーション」や「サポート」を参照することを説明すべきだ。
意味不明の日本語であることに加えて、不完全な対処法を表示しても、全く無意味である。

それにしても、こんなわけのわからない日本語を放置しているKDDI/au、そしてST1100Rを開発した三菱電機にはがっかりした。


追記(5月29日):
KDDI/auからの追加説明は、要約すると、以下のように再度がっかりするものだった。

【省エネモードにしたことがエラーの原因とわかっているのだから、これは解決済みと判断する。他のユーザーに対してはコールセンターなどへの問い合わせ時に、エラー番号IP2000の内容を説明して、対処法を告げることで問題は解決する。

エラーメッセージが日本語として意味不明とのことだが、作成したエンジニアは、メインメニューの表示まで示せば、そこから先はユーザー自身が適切な項目を探せるはずだと判断したのだろう。
エラーメッセージの文言は、仕様のため変更できない。変更するには多大なコストがかかるため、ソフトウェアの大幅なバージョンアップ時に判断する。】

単に言い訳しているだけで、これが顧客を大切にする企業の対応とは思えない。
全てを取扱説明書に書くことができないならば、その代わりにエラーメッセージの最後に、「○○にお問い合わせください」と書く方が望ましい。 

今回取り上げた意味不明のエラーメッセージについては、「不思議な日本語」のコレクションに加えておこう。

追記(12月22日):
STBのソフト・バージョンアップ後に確認したところ、エラーメッセージは変わっていなかった。
ただ、画面表示などの反応が少し変わっていた。

以前はエラーメッセージが出て、画面はそのままだった。
今は数秒後にメッセージが消えて、再度接続を試みた後に、同じエラーメッセージが出て、そして再接続とエラーメッセージ表示を繰り返す。
ここでメインメニュー表示のためにキーを押しても、再接続を試みるときにメニュー表示は消えてしまう。
そこで番組表を表示すると、今度はメインメニューが消えずに残り、接続状況などの情報を確認できる。

つまり、意味不明のエラーメッセージが伝えたかった真意とは、「メインメニューの表示の前に、まず番組表を表示してください。その後、メインメニューの○○で接続状態の確認をしてください。」ということなのだ。

IT専門家が使う日本語とは、やはり不思議なものだ。

帰国後の最初の勤務先は、なぜか三和銀行だけが給与振込可能とのことで、実質的には強制的な口座開設であった。
まあ、勤務先敷地内に三和銀行ATMがあって便利だったし、どうせポスドクは1年契約だから、選択肢がなくても我慢した。
その後、三和銀行の支店がない地域での仕事が続いたが、無通帳タイプのネットバンキングサービスを開始するなど、利便性があると感じたので、首都圏に戻るまでは、投資信託だけ残して運用を続けておいた。

ただ、合併でUFJ銀行になった後、複数の行員の不愉快な窓口対応や、金融庁調査の妨害行為などが嫌になり、東京三菱銀行に口座開設して全ての資金を移動した。
するとしばらくして、なぜか両行が合併し、「三菱東京UFJ銀行」という、早口言葉のような銀行が誕生した。
しかも、羽田空港内ATMの案内図では、存在しない銀行名の「東京三菱UFJ銀行」が記載されており、今でも混乱したままのようだ。

ネットバンキングなどのサービスは、システムトラブル回避のために徐々に統合されていったが、東京三菱銀行の口座だった私は、いつまで経っても紙の総合口座通帳が必要で、月末にまとめて記帳していた。

すると今年5月13日から Eco通帳という、無通帳普通預金口座のサービスが始まり、インターネットバンキングで入出金履歴をPDFファイルとしてダウンロードできるようになった。

銀行が発表した新着ニュースと、Eco通帳の説明ページは次の通り。
direct.bk.mufg.jp/info_news/20120425/index.html
Eco通帳は、インターネットで、お取引内容をご確認いただくサービスです。通帳を記帳する手間も、紛失する心配もありません。お申込後、いつでもどこでも最長25ヵ月分の明細が確認できますので、便利にお使いいただけます。銀行取引が、もっとスマートになります。】

www.bk.mufg.jp/tsukau/eco_tsuchou/setsumei.html
【三菱東京UFJダイレクト インターネットバンキングで、紙の通帳の代わりに最長25ヵ月の入出金明細がご確認いただけます。入出金明細のダウンロードや、メモの登録が可能です。】

ということで、私も契約できるのかと思ったところ、留意事項を読むと対象外だと判明した。
私の代表口座は、身体認証登録口座であり、もうひとつは出張旅費や日当などの経費精算用の社員用口座だから。

【以下に該当する場合は、Eco通帳はお申し込みいただけません。
身体認証登録をご利用いただいている口座

・社員総合口座普通預金
…】

それでも科学者としては試したくなるもので、ログインして申し込んでみたら、身体認証登録をしている代表口座で Eco通帳が契約できた
不思議だったので、ATMに寄って記帳を試みたところ、「Eco通帳に切替済みですので、この通帳はご利用いただけません。お手数ですが、窓口までお越しください。」と、印字された紙が出てきた。

帰宅後に再度ログインして確認してみると、「契約済」の表示のままだった。
取引支店は営業時間外ということで、コールセンターに電話したところ、「契約できた理由は不明」であった。
契約できない口座の条件は正しいとのことだが、コールセンターでは何も対応できないと言われた。

支店にある顧客データの詳細、つまり身体認証登録口座の設定状況について、確認する必要があるそうだ。
ただ、ATMでの取引だけでなく、窓口での手続き時にも身体認証を利用しているから、設定されているのは確かだ。
とりあえず、28日月曜日の昼休み時間に、支店担当者が私に電話をするようにと依頼した。
ATMから出てきた紙には、「窓口までお越しください」とあったので、スケジュール調整をして、責任者から説明を受けたいものだ。

追記(5月28日):
支店から電話があり、全国で同様のケースが発生していると知らされた。
ただ、なぜ契約できたのか、本店で調査中であり、原因は全く不明とのことだった。

私にとっては、通帳記帳や繰越操作をしなくて済む Eco通帳の方が得だから、わざわざ支店窓口で元に戻す意味はない。
紙と時間の節約のために、PDFでダウンロードもできる Eco通帳を開発したのに、身体認証登録口座の顧客を排除する理由がわからない。

プログラムミスかもしれないが、登録できて利便性が向上したのだから、登録できない口座の一覧から削除するだけでかまわないのではないだろうか。

追記2(6月6日):
前回の電話から1週間以上経過したのに、支店からの連絡が来ないので、コールセンターに問い合わせをした。
すると、身体認証登録口座で Eco通帳に切替ができた事例が多発したため、無通帳でも取引可能になるように、システムや利用規定の変更を検討中とのことだった。

現時点の規定では、身体認証登録口座では通帳がセットになっており、窓口取引では通帳持参が前提である。
東京三菱銀行時代から変わっていない規定だが、今回の判定プログラムミスにより、顧客には逆に便利になるかもしれない。
Eco通帳になったことで、顧客も銀行側も、どちらも損をしないはずなので、元に戻す必要はないはずだ。

追記3(6月9日):
Eco通帳になったことで、定期預金と投資信託の最低積立金額が1000円となり、自由度が増えることになった。
こんなに便利になったのに、身体認証口座を適用外にする理由は見当たらないのではないか。

追記4(6月30日):
支店から電話連絡があり、身体認証登録口座で Eco通帳を契約しても、システムに影響しないことが確認されたそうだ。
そのため私のイレギュラーな契約は、このままでも有効と判断された。
さらにシステムチェックをするようだが、それが済めば、正式にサービス改定のニュースリリースが出ることだろう。

(最終チェック・修正日 2012年06月30日)

私は週に2回ほど、帰宅時の乗り換え駅で一度改札を出て、RF1でサラダやコロッケなどを購入している。
一人暮らしだと、食材が余ることも多いため、パスタやパンを主食にして、おかずとしてサラダなどを買っている。

ちょうどお客さんが少ない時間帯だったので、支払いをしながら店長と雑談した。
日曜日に渋谷に行く用事があると告げると、「渋谷ヒカリエに出店しているので、ぜひ立ち寄ってください」とのこと。

ということで、本日の用事が終わってから、正午過ぎに渋谷ヒカリエに入った。
商業テナント部分の「ShinQs」地下3階にある「RF1ガストロノミ」では、他のRF1よりもハンバーグやラザニア、スペアリブなど、メインディッシュとなる商品を中心にしている。
www.tokyu-dept.co.jp/shinqs/floor/detail.html/

関東初出店なので、業界紙の流通ニュースを引用しておこう。
ryutsuu.biz/store/e042418.html

せっかくなので、RF1ガストロノミ限定の、「自家製ソーセージのポテトサラダ」を購入した。
マスタードベースの味付けがほどよく気に入ったので、渋谷に用事があるときには、必ず寄ることにしよう。

ところが、初めて訪れた渋谷ヒカリエでは、店内の下りエスカレーターで、非常に不愉快な体験をした。
ただ立っていただけの私に、後ろから何も言わずにぶつかってきたのに、逆に文句を言った男女2人組がいたことだ。

日本エレベーター協会では、エスカレーターの乗り方として、ステップ上に立ったままにしてほしいと呼び掛けている。
毎年転落事故も起きているのに、そんな身近にある危険性を認識していないとは、なんと無知な人たちなのだろうか。
www.n-elekyo.or.jp/instructions/escalator.html (日本エレベーター協会・「エスカレーターのご利用について」)

「エスカレーターの安全基準は、ステップ上に立ち止まって利用することを前提にしています」
歩行禁止の呼びかけが始まっています

慣例となっているエスカレーターの片側あけですが、危険や不便をともなう行為だということが、少しずつ浸透してきました。 多数の場所でエスカレーターの歩行禁止の呼びかけを始めています。】

また、隙間に傘や衣類の裾などが挟まれないように、なるべくステップの中央に立つことが推奨されている。

私の場合は荷物も持っていたし、体格も大柄なので、ステップの3分の2を占有してしまう。
そのため、左側の手すりをつかんでいても、中央に立っていることとほぼ同じだ。
だから、私の右側をすり抜けようとする人は、半身になって避けることが多いものの、無言でぶつかってくる人もいる。

片側を空けておくという慣例が、いつの間にか皆が守るべきマナーあるいはルールになったためか、私のように周囲と同調しないユニークな人間は邪魔な奴だから、わざとぶつかって仕返ししてやろうということなのか。


後ろから何も言わずに突然ぶつかってきた女性は直後に振り向き、私に対して怪訝な表情で何かつぶやいた。
その数秒後、
今度は男性が左肩を振り出すようにして、私の右肩に より強くぶつかり、そして同様に振り向いて、「なんだ邪魔だな」と言ったように聞こえた。

私は、「ここに立っていて何が悪いんだ」と反論したが、その2人(夫婦?)は、そのまま次のフロアで降りて、店内へと進んで行った。
そこで私は、フロアガイドを見ながら店を探しているふりをして、その2人の後をつけてみた。

ある店舗に立ち寄っていた2人の後ろを、わざとらしくゆっくりと通過してみると、女性の方が気づいて、びっくりした表情をしていた。

ここで男性に対して、「さっきはなぜ無言でぶつかってきたのか」と質問してもよかったが、エスカレーターの正式な乗り方を知らない人に説明しても、単なる口論だけで済まずに、感情的にエスカレートする可能性が高いと判断した。
そこで近くの店員に、警備員を呼ぶように要請し、第三者同席の場で質問することにした。

ところが警備員が来る前に、2人は外に出るところだったので、私が「警備員を待てないから、ここで喧嘩になってもかまわないか」と、店員に急ぐように伝えた。
私が2人の方に向かおうとしたが、店員は、「どうかおやめください」と制止した。

渋谷ヒカリエの中で大騒ぎをする意図はないので、その2人を追いかけるのは止めた。
代わりに管理責任者に来てもらい、エスカレーターの乗り方に関する、一般の人たちの誤解について説明した。
そして特に下りエスカレーターでの事故例が多いことから、混雑する時間帯には人員を配置するように、そして歩いたり走ったりしないように、客にきちんと説明することを要望した。

首都圏では人が多すぎて、他人に気を遣うと疲れるためなのか、無言でぶつかってくる人が多い。
駅のホームで酔っ払いが殴った話は聞くが、何も言わずにぶつかっても、めったに喧嘩にならないのは、おとなしい日本人の特徴なのだろうか。
欧米なら絶対に口論になって、汚い罵り言葉を大量に浴びせるか、または傷害容疑で告発されるだろう。

ぶつかった相手が、いわゆる危険人物であれば、自宅まで尾行してくるかもしれないし、骨折したという診断書を偽造して脅迫するかもしれない。

何年か前、東京出身の人からは、「『通してください』 などと声を掛けると、怒っていると勘違いされる」と、不思議な助言をされたことがある。
人口密度の低い東北地方出身者には、理解できない都会ルールというものがあるようだ。

追記(7月3日):
神奈川新聞では、JR川崎駅でのエスカレーター利用のマナーアップキャンペーンの記事を掲載している。
news.kanaloco.jp/localnews/article/1207020026/

エスカレーター利用のマナーアップを図るキャンペーンが2日、JR川崎駅東西自由通路で行われた。東口・西口の5カ所のエスカレーター付近で、市職員約15人がチラシなどを配布。歩かずに立ち止まって利用するよう呼び掛けた

設置されているエスカレーターは、左側は立ち止まり、右側は歩いて利用する形態が定着。

接触・転倒事故の原因となるばかりか、エスカレーターに負荷がかかり緊急停止につながる恐れもあり、市は09年度からキャンペーンに取り組んできた。


追記2(11月4日):
今日も渋谷に用事があり、ついでに渋谷郵便局で風景印を押してもらった。
そのまま渋谷駅に戻ってもよかったが、渋谷ヒカリエ地下のRF1ガストロノミに寄ることにした。
しかし、前回同様、下りのエスカレーターでぶつかってきた男性に睨まれた。

そして帰りの上りでも、右側を通り抜けようとしたおじさんと接触した。
そのおじさんは、ステップ中央に立っていた私に阻まれて通れなかった。
私が、「エスカレーター上を歩くことは禁止です」と説明しても、「右側を空けるんじゃないのか」と反論された。
上りきったところに表示があったので、「あの通り、歩行禁止と書いてある」と指摘した。

しかしそのおじさんは、次の上りエスカレーターを駆け上がり、女性のわきをかすめて行った。
私が大声で、「おい止まれ。ぶつかったら危険だろうが。」と注意したが、そのまま行ってしまった。

エスカレーターの片側空けという不思議なルールが浸透してしまったので、もう元には戻せないのだろうか。
自転車の傘さし運転や右側走行のように、本来のルールは忘れ去られ、多数派が支配する世界になったわけだ。

やはり田舎育ちの私には、東京は合わない世界のようだ。
もう渋谷ヒカリエには行かないことにしよう。

(最終チェック・修正日 2012年11月04日)

過激な抗議活動で有名なシーシェパード(SSCS)のワトソン代表が、5月13日にドイツ・フランクフルト空港で逮捕された。
報道によると、2002年に違法サメ漁を撮影したとき、コスタリカ船に対して航行妨害をした容疑がかけられているそうだ。

例えばAFPの日本語記事は次の通り。
www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2877767/8941162

【…反捕鯨団体「シー・シェパード…」創設者のポール・ワトソン(Paul Watson)代表…が13日、2002年に船舶の航行を妨害したかどで独フランクフルト…で逮捕された。…身柄はコスタリカに引き渡される見通し。 

コスタリカからの報道として豪メディアが伝えたところによると、ワトソン代表には同事件での殺人未遂容疑でも逮捕状が執行される可能性がある。

シー・シェパード側の説明によるとワトソン代表の逮捕容疑は、2002年に中米グアテマラ沖でフカヒレ目的の違法なサメ漁を暴くドキュメンタリー映画「シャークウォーター/神秘なる海の世界(Sharkwater)」の撮影中、コスタリカ船舶の航行を妨害したというもの。…】

日本国内メディアでは、水産庁から要請されたためなのか、主要メディアからスポーツ紙まで一斉に取り上げている。
日本では、「逮捕=有罪=悪人」というイメージが根付いているためか、逮捕だけで勝利したかのような雰囲気だ。
特に産経新聞と、佐々木正明記者が元気なようで、自身のブログも使い、推測記事も含めて、いろいろと垂れ流している。
sankei.jp.msn.com/affairs/news/120514/crm12051420080028-n1.htm
sasakima.iza.ne.jp/blog/ 

朝日新聞では、ドイツのニュース週刊誌 SPIEGEL Online の報道を引用する形式で、ワトソン逮捕を報じている。
www.asahi.com/international/update/0514/TKY201205140134.html

ただし SPIEGEL Online の記事は2本あり、一つは記者の署名記事だが、もう一つはAFPも含めた配信会社の記事を使って編集したもの。
www.spiegel.de/wissenschaft/natur/sea-shepherd-gruender-paul-watson-in-frankfurt-festgenommen-a-832962.html
www.spiegel.de/panorama/sea-shepherd-chef-paul-watson-in-frankfurt-verhaftet-a-833113.html (署名記事:ワトソン代表の経歴紹介が主体)

ドイツメディアの記事を紹介した朝日新聞なのに、ワトソンがどうしてドイツに渡航したのか、その理由については、なぜか触れていない。
字数の関係で削除したのか、それとも日本人にとって無意味な情報との判断なのか。

ワトソン代表は、デュッセルドルフで開催される、スタートレックを中心としたSF関連会合、FedCon XXI にゲスト講演者として招待されている。
17日夜に、「Bekenntnisse eines ?ko-Terroristen(あるエコテロリストの宣言)」というタイトルの講演をする予定だった(講演内容が不明なので、和訳は仮のもの)。
www.fedcon.de/
www.fedcon.de/index.php (ゲストのリスト)
www.fedcon.de/images/stories/dokumente_pdf/final.pdf (プログラム)

ワトソンの身柄は今でも拘束されているため、せっかく招待されたのに、講演することはできなかった。
会合のプレスリリースもないし、SSCSもこの講演について触れていないので、何を話そうとしたのかは、だいぶ経ってから判明することだろう。

ということで事実がはっきりするまで、以下の記載は、私の単なる推測をメモしたものであり、信頼性は低いと思ってほしい。



ワトソンがスタートレックファンかどうかは不明だが、映画版の4作目ではザトウクジラを扱っているので、これに関連した話だったのかもしれない。
映画では、ザトウクジラを狙う捕鯨船を妨害するシーンがあり、ワトソン代表はカーク船長のつもりで、無法者と断じた日本などと戦っているのかもしれない。

ノルウェーでは実刑判決が出ているし、アイスランドで捕鯨船に破壊工作をしたことも証明されたので、この2国には行かないはずだ。
インターポールはこれまで、EU域内にワトソンが入ってきても、野放しにしていたと言われている。


ということでワトソンも、何の不安も感じずにフランクフルト空港に降り立ったのだろう。

ただし非EU国からの入国者は、ビザの提示を求められたり、渡航目的を質問されることがある。
もしワトソンが、「エコテロリストとして講演する」などと書かれた招待状を示したとしたら、「テロリスト」というキーワードで身柄拘束は当然の対応だろう。

係官としては、そのまま入国させてしまうと自分の責任が問われるので、面倒なことは避けたいから、事情を聴くためにとりあえず逮捕したとも考えられる。
暇だったのか、その後いろいろ調べてみたら、コスタリカからの逮捕要請が出てきたので、現在対応を検討中ということだろう。

こんなことなら、オランダのアムステルダム空港に降りてから、デュッセルドルフまで特急列車で移動すればよかったのに。

続報があれば追記しておこう。


追記(5月19日):
フランクフルト・アム・マイン上級地方裁判所は5月18日に、ワトソン容疑者の逮捕の経緯と、保釈金25万ユーロの決定を発表した。
公式の逮捕理由は、コスタリカからの逮捕要請がインターポールに出されていたためで、エコテロリストの肩書については触れていない。
www.olg-frankfurt.justiz.hessen.de/irj/OLG_Frankfurt_am_Main_Internet (逮捕の経緯と今後の予定)
www.olg-frankfurt.justiz.hessen.de/irj/OLG_Frankfurt_am_Main_Internet (保釈について)

保釈のニュースは、時事通信で配信していた。
www.jiji.com/jc/zc
ドイツで逮捕された反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)のポール・ワトソン代表について、フランクフルト上級地方裁判所は18日、逮捕状を出したコスタリカに身柄を引き渡すかどうかを判断するまでの間の保釈を認めた。
保釈保証金は25万ユーロ(約2500万円)。保釈期間中の出国は認められない。

デュッセルドルフで17日に予定されていた講演会は、支持者の協力で実施するのかどうか、後で調べてみよう。
また、コスタリカへの引き渡しの審理は1か月以上かかるだろうから、その間に在ドイツ日本大使館前で抗議活動でもして、保釈取り消しにでもなれば面白い。
それは何を考えているのか理解不能な人物ということが、よりはっきりするから、実行することを期待してしまう。

(最終チェック・修正日 2012年05月19日)

↑このページのトップヘ