2012年10月

Buch n. -es (-s)/Bücher
3 b) ((ふつう複数で)) [商] 帳簿,会計簿
zu Buch〔e〕 schlagen (金額が)会計に響く,ばかにならない

Das neue Material ist Koller zufolge zudem nur halb so teuer wie herkömmliches Bioplastik, 
das mit drei bis fünf Euro pro Kilogramm zu Buche schlägt.
この新しい材料はコラーによるとそれに加えて、キロ当たり3~5ユーロの金額がコスト圧力となっている従来のバイオプラスチックのわずか半額となる。
(Fett-Recycling: Schlachthof-Abfälle liefern Grundstoff für Plastik, SPIEGEL Online, 20.10.2012,
www.spiegel.de/wissenschaft/technik/fett-recycelt-grundstoff-fuer-kunststoff-und-oeko-sprit-a-859111.html

昨日、仕事を終えた18時過ぎにスマートフォンを見ると、メール・不在着信・伝言メモが何件も入っていた。
あわてて確認すると、翻訳会社からの連絡で、機械系論文のドイツ語和訳案件についての打診であった。
すぐに着替えて、会社に直接電話をして内容や納期について、簡単に相談した。
私の担当者はドイツ語を読めないとのことで、内容の詳細はわからなかったものの、複数の論文の依頼で合計約3万ワードとなり、納期は約1か月である。

ワード単価を12円とすると、源泉徴収後の入金額は約32万円となり、本業での1か月分の手取り収入とほぼ同じだ。
12月の冬のボーナスは、奨学金の返済の他、年金保険年払いや学会会費などの支払いにも使うので、この32万円の案件は逃したくない。
しかも税込金額では、今年の翻訳料金収入は100万円を初めて超えることになり、目標達成のためにも受注を検討した。

帰宅してから圧縮ファイルを解凍して、その複数の論文をざっと眺めてみたが、あまりにも専門的すぎて、納期に間に合わないリスクが高いと判断した。
翻訳専業であれば平日に10時間くらい作業できるが、私は本業があるので、寝不足では影響が出るため、平日は約3時間が限界である。
今月末に有給休暇を取得するが、それを加味しても分量が多いと感じた。

ということで正直に、一人で全ての和訳をすることは困難である、ということを返信に書いた。
それだけでは担当者も困るだろうから、私も含めて3人くらいで分担すれば、納期に間に合うのではないかと提案した。
他社案件でも、あまりにも大量の資料だったため、複数の翻訳者で分割して翻訳したことがあるし。

とにかく返答を待とう。

追記(10月19日):
クライアントの要望に合わないとのことで、今回は別の翻訳者に依頼することになった。
やはり副業翻訳は、平日の作業時間が足りないため、大量の文書や納期が短い案件は、受注が困難である。
5月の連休や夏休み、そして年末年始ならば対応可能だが、時間があるときにかぎって、打診はないものだ。

納期に余裕のある、外資系メーカーのプロジェクトが再開することを祈ろう。

(最終チェック・修正日 2012年11月24日)

タマネギの生産量日本一は北海道である。
そのためか東日本では、北海道産タマネギばかりが店頭に並んでいる印象を受ける。

生産量第2位は意外と思われるかもしれないが、いきなり近畿に飛んで兵庫県である。
そしてほとんどが淡路島で生産されており、「淡路島タマネギ」と呼ばれている。

淡路島タマネギについては、南あわじ市にある農園のサイトを参照してほしい。
www.awajitamanegi.jp/yasai.html

生野菜サラダに入っているタマネギは、東日本ではピリッと辛いことが普通だが、淡路島タマネギは糖度が高くて甘い
加えて、辛味成分が少ないので、生で食べても甘くておいしいと、関西では定評がある。
ところが東日本では知らない人が多いので、初めて食べたときに驚くようだ。

淡路島出身の母は、今は東北地方に住んでいるが、同級生から毎年、淡路島タマネギがたくさん送られてくる。
町内会などの会合の時に、淡路島タマネギを生で食べてもらったところ、その甘さにみんな驚いたという。

私が株主であるロック・フィールドは、神戸の会社ということもあるが、RF1のサラダやコロッケに淡路島タマネギを使っている。
先月も、「チーズとろけるまるごと玉ねぎのオーブン焼き」を販売していたが、これも淡路島タマネギを使っている。

そして同じ神戸でパンの会社であるドンクで、「淡路のたまねぎパン」を販売していた。
味を確かめて、淡路島出身の母に報告せねばならないと思い、2個購入し、オーブンで軽く温めてから食べてみた。


中に入っているバターの量もほどよく、淡路島タマネギの甘さを感じることができた。
また、焦げ目のついたタマネギもおいしかった。
小さな黒い粒の香辛料は黒コショウだろうか、ときどき感じる辛味によるアクセントが効いており、続けて2個食べても飽きなかった。
バターでしっとりしているため硬くはなく、80歳の母でも容易に食べられるだろう。

ということで、ドンクのHPで店舗検索をしたところ、実家の買い物圏内に2店舗見つかった。
ドンクに問い合わせ中だが、母には既に電話をして、時間があるときにドンクに寄ってほしいと伝えておいた。

ただし、RF1のときもそうだったが、店舗によって取扱商品が異なるため、東北地方の店舗では入手できないこともある。
店舗面積によって商品ラインナップが限定されることもあるし、生産量によって全国展開できない場合もある。

先日は東京都庁でイベントがあったそうだが、淡路島タマネギの味を知る人たちが、東日本でも増えることを期待したい。


追記(10月17日):
ドンクからの回答では、在庫があれば、10月28日まで販売予定とのことであった。
母に電話で再度連絡するとともに、私もあと2回は購入しようと思う。

追記2(11月24日):
私がいつも購入している店舗では、継続して販売することになったそうだ。
ただし全店ではなく、限定販売とのことだ。
母が買いに行った店舗では扱わないことになったそうで、少々残念だ。

私は副業で、英語とドイツ語の翻訳をしている。
有機化学分野の博士号取得者で、製薬メーカー子会社に勤務しているので、登録分野は基本的に化学・バイオ系である。
ただし翻訳可能であれば、自動車や原子力、教育、軍事、賃貸契約書など、得意分野にこだわることなく受注している。

サイエンスニュースの翻訳にも興味があるが、平日に本業の勤務があるため、現状では時間的に無理である。
特許などのチェッカーの経験もあるので、納品された和訳のチェック作業ならば、なんとかできるかもしれない。

翻訳の仕事がないときは、AFPやCNN、ロイターなどのニュース記事で、英語・ドイツ語の記事と、日本語版の記事を比較しながら勉強している。
日本語にはない慣用表現などを、どのように理解しやすい表現にするのか、参考にしている。

ただ、これまでも指摘してきたように、誤訳記事がそのまま掲載されることがあり、月に1回は訂正を依頼している。

そして今日はロイターの科学記事で、原文英語記事の誤記をそのままにしていことに気付いた。
その記事とは、ダイヤモンドでできた太陽系外惑星「かに座55番星e」に関するもので、誤記とは表面温度である。
ついでに星座名の表記についても違和感を持った。
jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE89B02M20121012 (10月15日に訂正され、リンク切れ)
【…
この惑星は「蟹座55e」で、…質量の少なくとも3分の1がダイヤモンドである可能性があるという。

同惑星は蟹座にある太陽に似た恒星を周回しており、…表面温度も約1650度と非常に高いという。
…】

まず星座名だが、「蟹座」ではなく、「かに座」にすべきである。
私が国立天文台に質問したとき、「正式な学術用語としての星座名には、漢字ではなく、ひらがな・カタカナを使用することになっています。」との回答があった。

ニュース翻訳は納期が厳しくてチェックできないのかもしれないが、星座名一覧は国立天文台が公開しているので、簡単に確認可能だ。
www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html

そして原文英語記事の間違いというのは、表面温度の華氏3900度を摂氏1650度とした計算間違いのことである。


ロイター通信のロンドン発英語記事で、該当部分は次の通り。
uk.reuters.com/article/2012/10/11/us-space-diamond-planet-idUKBRE89A0PU20121011
【… It is also incredibly hot, with temperatures on its surface reaching 3,900 degrees
Fahrenheit (1,648 Celsius)
.
…】

私はこの数値を見て、直観的に摂氏1648度では低すぎると感じた。
研究で使う薬品を検索していると、どうしても外国製しか見つからないことがある。
特にアメリカの会社では、融点や沸点を華氏で示してあり、いつも摂氏に換算している。
そのため私は、換算式で確認する前でも、どうもおかしな数値だと感じたのだ。

華氏を摂氏に換算する式を使うと、(5÷9) × (3900゜F-32) = 2148℃(小数点以下切り捨て)となるはずである。
記者は入力する数値を間違えて、 (5÷9) × (3000゜F-32) = 1648℃(小数点以下切り捨て)としたと推測した。

論文では表面温度を明示していないが、引用文献ではケルビン表示で約2500K なので、摂氏では
約2230℃となる。
arxiv.org/pdf/1210.2720v1.pdf

著者の一人、Yale 大学のポスドク Nikku Madhusudhan は大学プレスリリースの中で、表面温度に言及している。
それは華氏で3900度である。
news.yale.edu/2012/10/11/nearby-super-earth-likely-diamond-planet
【… It is also blazingly hot, with a temperature of about 3,900 degrees Fahrenheit,
researchers said, a far cry from a habitable world. 】

華氏の温度は正しいので、ロイター記者の計算ミスということがはっきりした。

比較として、正しく換算している National Geographic News の英語記事を引用しておこう。
news.nationalgeographic.com/news/2012/10/121011-diamond-planet-space-solar-system-astronomy-science/
【… surface temperatures reach an uninhabitable 3,900 degrees Fahrenheit (2,150 degrees Celsius) …】

また、日本語記事として正しい数値を記載しているAFPを引用しておこう。
あえて苦言を呈するならば、「2148度」だと有効数字4桁になってしまうので、「約2150度」または、
「2000度以上」でよかったと思う。

www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2907100/9667786
【…恒星との距離が非常に近いため、地表の平均温度は摂氏2148度にも達し、生命の維持には全く適していないという。】

トムソン・ロイター・ジャパンには問い合わせメールを送ったが、土日は休みなので、週明けになってから訂正されることだろう。

原文の間違いについて翻訳者は気付かなかったのだろうか。
原文に忠実に和訳するとしても、英語専門ならば、華氏と摂氏のことは知っているはず。
私は原文の間違いを指摘することも、翻訳の仕事に含まれると考えているし、チェッカーも科学知識がある人ならば、すぐに違和感を持って確認するはずだ。

どちらの温度でも、液体の水が存在できない環境ということでは同じなので、そこまで留意しなかったのかもしれない。
それにしても、間違った数値がロイター通信の記事を通じて広まることは、残念なことだ。

追記(10月14日):
温度の換算を間違えたロイターの配信記事は、各国語に翻訳されて紹介されている。
スウェーデン紙 Dagens Nyheter でも引用されていた。

ノーベル賞受賞者予想を毎年掲載している新聞なのに、ロイターの記事内容の吟味をしなかったのは残念だ。
www.dn.se/nyheter/vetenskap/en-diamant-storre-an-jorden
【… yttemperatur p? cirka 1.648 plusgrader.】

追記2(10月15日):
私の指摘を受けて、日本語記事のみ訂正された。
jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE89B02M20121015
【…
この惑星は「かに座55番星e」で、…
…表面温度も摂氏約2150度(訂正)と非常に高いという。

*原文での摂氏温度の換算間違いにより第3段落の表面温度を訂正したほか、第2段落の惑星名を修正して再送します。

(最終チェック・修正日 2012年10月15日)

今日10月8日から、ノーベル賞の発表週間が始まる。
初日8日は
生理学・医学賞の受賞者が発表されるため、17時からノーベル財団のHPで発表を待っている。
発表は早くてもGMTで9時半、つまり日本時間18時半で、この記事を書いている段階で、既にカウントダウンは30分を切っている。
www.nobelprize.org/

現地スウェーデンの新聞 Dagens Nyheter(ダーゲンス・ニュヘテル)では毎年、自然科学部門の受賞者予想を掲載している。
www.dn.se/nyheter/vetenskap/karin-bojs-har-kommer-mina-kandidater-till-arets-nobelpris

生理学・医学賞の有力候補として、今年もまた山中伸弥教授(iPS細胞)の名前が挙がっている。
日本人が候補ということで、やはり日本メディアも期待しているようで、記事がたくさん出ている。

その中から朝日新聞を引用しておこう。
www.asahi.com/science/update/1008/TKY201210080061.html
【8日に発表されるノーベル医学生理学賞について、スウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテルは7日、「幹細胞とクローン技術が最有力候補」と報じた。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授、英国とカナダの研究者による共同受賞の可能性があると伝えている。…】

ノーベル賞は3名まで共同受賞できるので、基礎的発見者から他分野への適用者まで、あるいは類似分野をまとめて、3名にすることもある。
ということで、朝日新聞の記事に出ていない残り2名の名前を挙げておこう。

まず一人目は、アフリカツメガエルで体細胞クローン技術を成功させた John Gurdon である。
もう一人は、幹細胞研究者の James Till である(共同研究者の Ernest McCullogh は残念ながら既に他界した)。

スウェーデン紙ではダークホースとして、オプトジエネティクス(光遺伝学、optogenetics)にも言及している。
この分野での候補も3名いて、Gero Misenb?ck と Susan Lima(ショウジョウバエでの研究)、および Karl Deisseroth(マウスの脳で実験)。

結果については、後で追記しておこう。

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追記(10月8日18時35分):
18時半からプレスリリースの生中継が始まり、32分頃にスウェーデン語で受賞者の発表が始まった。
受賞者は2名で、John B. Gurdon と山中伸弥であった(その後の英語とドイツ語でも確認)。
その後は、両者の業績や授賞理由についての説明が行われて、記者からの質問を受け付けている。
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先の朝日新聞の記事では、物理学賞にも触れていて、ヒッグス粒子関連が候補とのことだ。

【9日発表の物理学賞では、質量の起源とされる「ヒッグス粒子」とみられる未知の素粒子の発見に言及。ただし、受賞者の選考には議論があるとした。】

未知の素粒子の存在を予言した Peter Higgs で確定と思われているようだが、7週間早く論文を出した Fran?ois Englert が受賞者になるかもしれない。
また、実際に観測データを解析した研究チームは複数なので、代表者として誰を選ぶのかが問題なので、観測施設CERNの所長が受賞者になるかもしれない。

化学については、今年も生化学分野になりそうだ。
細胞内分子の観測技術を実現した、William Moerner、Richard Zare、Allen Bard の可能性があるという。
また、タンパク質の研究であれば、Franz-Ulrich Hartl と Arthur Horwich だと予想している。

物理と化学についても、決まってから追記しておこう。


追記(10月10日):
物理学賞と化学賞の予想は外れた。
ただ、化学賞はGタンパク質レセプターの研究であり、生化学分野でタンパク質の研究を予想したという意味ならば、半分当たっている。

スウェーデン語のテキストは購入したが、まだ勉強は始めていなかった。
12月には授賞式があるので、地元紙の記事で、山中教授に関する数行でも読めるようにしておきたいものだ。

(最終チェック・修正日 2012年10月10日)

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