2005年09月

今日で通販倉庫でのアルバイトは最終日である。
重いコピー用紙や水・お茶を運ぶため、疲れて腰痛となったりしたものの、
翻訳原稿料と合わせて、なんとか生活費を稼ぐことはできた。
加えて通販業界の事情を知ることもでき、今後の株式投資で役立つだろう。


通販では送料無料などで人件費にしわ寄せが来るため、
主にアルバイトの時給が低く抑えられることが特徴である。

低時給でも、他に仕事がなくて仕方なく選んだ人も来るため、
仕事の飲み込みが遅く、商品を間違えたり、仕分けでミスが多発する。


先週から来ている慣れていない新人アルバイトと、
上期末で大量の注文が来たためだろうが、
私のピッキング部署「A」(大型・重量物主体) が、
同じフロアの別部署「B」(小物・梱包担当) よりも、
1時間以上遅く終了することが問題となった。

「ピッキング方法に無駄が多いはずだ。工夫しろ。」 だとか、
「Bの担当者が手伝うことを期待して遅くしているのだろう。」 などと、
勝手な憶測・感情的批判があり、全く論理的ではない。


現状ではこれ以上急いで作業をするとミスを誘発して危険であること、
ピッキング作業の動きを実測して問題点を発掘してから改良すべき、
と私は現場責任者に伝えた。


確かに新人アルバイトの動きには無駄があり、トヨタ方式の指導員が見たら注意される。

商品を載せた台車をパレット真横に置いて積み替えれば、ほとんど移動せずに作業できる。

しかし新人は、他の人の邪魔になることをおそれてか、離れた位置から5歩以上かけて運んでいる。
荷物一つ運ぶのに3倍くらいの時間がかかっているし、重いコピー用紙を運び続ければ疲労も倍増する。

これは作業の効率化であって手抜きではないが、たくさんの荷物を一生懸命運んで、
疲れている姿を見せないといけないと、どうも思い込んでいるのだろう。

ただ、ここで働いている人たちに、その問題点や改善手法を理解してもらえるとは思えない。


私が働き始めたときにも、部署AとBの違いについて何も説明されず、
2ヶ月経ってから初めて、「もっと急げ。 手伝いを期待するな」 と注意されても困る。

また、新人アルバイトへの作業の指導もあいまいなままで、
きちんと理解させていないから、ミスが多発するのである。

日本だけではないだろうが、勤務開始時点では特に何も説明せず、しばらく経つと
「実はこうなんだ。見ればわかったはずだ。」 などと違うことを言い始める。


1年前から働いている人の常識で、現場作業を仕切るのであれば、
作業手順の他にも、他部署との関係もマニュアル化してほしい。


新人アルバイトに対して、もう一度作業手順の説明をすることを
現場責任者に依頼するつもりだ。

この人は優先順位が理解できなかったり、仕事の段取りができない。
ミスがなくなるまで、仕事開始時点やイレギュラーな伝票処理は、
2人で作業することも必要だと思う。


伝票(兼送り先ラベル)は、荷物の上部に貼ってパレットに積み上げる。
ただ、ピッキング後に検品作業があるため、台車に積んでいる時点では、
伝票を荷物の横に仮張りして、バーコードが見えるようにしなければならない。

しかしこの人は、荷物の上部に貼ってそのまま台車に積み上げるため、
検品作業では全ての荷物を降ろして作業しなければならない。

何度説明しても理解できないのか、来てから2日間、横に仮張りしようとはしなかった。
しかも、伝票を荷物の角に、きちんと揃えてまっすぐ貼るため、
他人より2倍時間がかかってしまう。

パレットに積むときも A3、B5、A4の順に不規則に積んだり、
仕分け先を見ないで空きを埋めることしか考えていないようだ。
「検品後にも一つ一つの荷物の伝票を確認して」 と言っても、
すぐに忘れてしまい、間違った場所に荷物を置いて次のピッキングをしてしまう。



それにA3用紙の箱にB4用紙の伝票を貼っていることを私が指摘しても、
自分では間違えたことを認識・理解できなかった。

B4用紙の伝票のロケーション番号 (例えば11) を探したものの、
隣のA3用紙 (例えば12) のところに来てしまい、
商品名を見ないで伝票を貼ってしまった。

残ったA3用紙の伝票にあるロケーション番号は12であるが、
今作業した場所が 「11だ」 という思い込みがあるため、
そのまま一つ隣の13に移動してしまう。

すると、「12に来たはずなのに、目の前には13の表示がある。」 と気づき、
ここでパニックになり作業が止まってしまった。

しかも、伝票に書かれた 「PPC用紙A3 500枚x5」 という
商品名・規格が何を意味しているのか理解できなかったそうだ。
つまり伝票に書かれた商品名と、箱に書いてある商品名が、
同一の商品名で対応していることが理解できなかったのである。


本人の話では、本業は外交員のようで、400社以上の会社と契約しており、
社長に呼ばれたときにスケジュール調整をして訪問し、話を聞きに行くそうだ。
個人事業主扱いなのか、連絡がなければ自宅待機とのことである。
毎日倉庫に来ているということは、つまり本業での連絡がないということだろう。

ピッキング作業で判断するのはかわいそうだが、まじめな性格であることは評価できるものの、
大事な仕事を任せる気にはなれない。
本人は気づいていないが、その仕事内容はミスマッチなのだろう。
こういう人こそが、転職コンサルタントから適切なアドバイスを受けるべきだ。


他にも、45分の休憩時間は労働基準法で権利となっているが、
「他のシフトの人が働いているのに、飯を食ってもかまわないでしょうか。」 と、
自由時間なのにこんなことで遠慮している。

性格を変えることはできないだろうが、最初に作業マニュアルを渡して、
一人で作業可能になるまで指導すべきであった。
後から言われると気分は良くないだろうから。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

次の仕事が決まるまで、通販会社の倉庫でピッキング作業を始めたが、
予定ではあと4日勤務して終了となる。
たった2ヶ月間ではあるが、こういった単純労働・低賃金労働を見ていると、
雇用問題について様々なことを考えてしまう。

伝票に書かれた商品をピッキングして運ぶだけの単純労働では、
仕事の内容・レベルに発展性はなく、個人の判断も特に求められず、
時給が上がる可能性も非常に低い。


毎日残業2時間と仮定すると、このアルバイトの月収は18万円程度となる。
所得税は源泉徴収されるものの、厚生年金も健康保険も、雇用保険もない。
アルバイトやパートに対する厚生年金などの義務が強化されれば、
時給低下や勤務日数削減など、この弱い階層に対して影響が出るだろう。

現場ではリーダーやサブリーダーといった判断や指示をする係もいるが、
最初から担当は固定されていて、後から来た人がなれるわけではない。

つまりここで働く限り、ピッキング作業だけをして、何のキャリアにもならないのだ。

1ヶ月契約の更新を続けて1年近く働いている人もいれば、私も含めて、
転職活動をしながら生活費を稼ぐために働く人もいる。

立場や状況はいろいろだが、低賃金であることや健康保険がないこと、
人使いが荒いことなど、誰でも文句はあるようだ。
2ヶ月を越えて勤務したら各種保険の義務が発生するはずだが、
そんな要求をして解雇されては困ると思っているのかもしれない。

ただ我慢してここにいても、仕事に何も発展性がないため、改善要求をするよりも
別のアルバイトを探す方が本人にとっては解決策となるであろう。

もともとこういったアルバイトは、長期就業を前提とはしないものだろう。
言い方を変えれば、長期就業によって逆に経歴上はマイナスとなり、待遇についての
不満だけが蓄積されるだけで無意味である。



加えて、現場を管理する正社員に対するアルバイトの態度も気になる。
リーダーが 「使えない奴」 と呼んでいる正社員(試用期間中)のチーフは、
決断力がないのか、仕事の流れを把握するのが遅いのか、指示もあいまいで、
確かに私も困ることが多かった。

先日も他人に聞こえるように、 「指示があればやりますよ。」 と言っていたし、
ミーティングのときもなかなか集まろうとしなかったり、長い話を聞きたくないという
態度が明らかに感じられた。

正社員の指示に従おうとしない、またはサボタージュをするパート・アルバイト・派遣の
話はよく聞くので、この通販会社だけが特殊ケースではないだろう。

ただ、正社員の能力が足りないのであれば、その会社に対して正式に要望を伝えるべきである。
その正社員が来る前から現場を仕切っているという 「なわばり意識」 や、
待遇が異なることから来る反発心などを態度で示していても何も改善しない。

自分の雇用への心配から正式な抗議・要望はしないのだろうが、
そのような対立を続けて、何か利益になるとは私は思えない。

確かに私も以前、派遣社員の境遇について無知・無理解な正社員に対して
いろいろと反発して文句を言ったこともあった。
ただしそのときは、労働者派遣法の目的や内容の他に、正社員と派遣社員間
の意識のずれが生む諸問題について考えてほしいという気持ちがあった。


これからも通販の取扱い商品は増大して注文数も増えるが、
仕事量の割に時給が低く抑えられる状況は続くであろう。

同様の問題としては、アマゾンに関して指摘されている。

「潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影 躍進するIT企業・階層化する労働現場 」
横田 増生 著、情報センター出版局


こういった単純低賃金労働以外に働く場のないフリーターが、
今後も増えるという予測が現実になりそうで、将来に希望が持てなくなる。
政治家はこんな状況を改善しようと思っているのだうろか。


(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

話題としては古いかもしれないが、毎年行われている新入社員意識調査がある。
財団法人 社会経済生産性本部が実施し、本年度分は4月下旬に発表された。

https://www5.jpc-sed.or.jp/files00.nsf/276697182031a3fd4925672c001a56da/1e5604794a60740549256ff0001c99f9?OpenDocument

これはニュースでも取り上げられたが、調査結果要旨の一つ目が非常に気になった。

自分の良心に反する仕事でも、会社のため指示のとおり行動するとした割合が
2年連続して4割を超え、新入社員の倫理面での悪化傾向が伺える。


人それぞれ倫理観や常識、そして正義の定義が異なるため、自分の良心よりも、
会社・組織の利益を優先することもあるだろう。

ただし私は違法行為に加担することができず、どうしても反対意見を言ってしまう。
そのため、「お前はいつからジャーナリストになったんだ。研究だけしていろ。」 と言われた。


私はある私立大学研究室での実験廃棄物不法投棄や劇毒物管理の不徹底、
そして実験データの捏造・改ざんを内部告発した。

不正行為の改善は行われたものの、騒ぎを起こした私に対しての印象は悪化し、
内部告発するような者には就職の斡旋はしない。」 とか、
製薬会社で副作用情報を漏らされたら困るだろう。」 とまで言われた。

騒ぎが大きくならないように、内密に処理したかったとのことだった。


最近の株式投資・投資信託では、社会的責任を果たしている企業を取り上げているが、
実際には会社の利益のために、不正行為でも命令に従う社員が働いているはずだ。
私のような内部告発をする人間を採用しないように、面接官は敏感になっているだろう。



6月末に化学メーカーを依願退職したが、役員たちが隠した本当の理由とは、
法人税節税のための不正行為に、私が協力しないと感じたからではないか。

そのメーカーでは受託合成業務を、工場ではなく研究所で実施している。
「『研究のみ行っており、製品の製造はしていません。』 と説明せよ」 との命令だった。
また内部の状況は、消防の査察があれば、即業務停止になるだろう。

私は将来の管理職候補として中途採用されたが、
上司とのトラブルの調査を通じて私の性格が役員会に知られたため、
管理職となったときにこの節税対策に異議を唱えたり、
内部告発のおそれがあると判断したのだろう。



これまで不正行為に加担したり、黙認したりしていれば、
転職でこんなに苦労しなかったかもしれない。
ただ、社員や研究者である前に、一人の人間として守るべき行動規範、
「何をしてよいか、そして何をするべきでないか」 という考え方を大切にしたい。

次の勤務先では違法行為を目にすることのないように祈るのみだ。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

「みなさまのNHK」 と言っているが、私の体験では不親切だと思う。
それは国際放送の番組中で流れた曲への質問で起きた。


ドイツ留学中は毎朝、Radio Japan の日本語放送を聴いていた。
休日には日本の新曲・流行曲の紹介コーナーもあり、
その日はソファでうたた寝しながら聴いていた。

すると健康診断を題材にした曲(コミックバンド?)が流れてきた。
印象深かった歌詞の一部は今でも覚えている。

「レントゲン~ (したくなーい)  心電図~ (コチコチしちゃうー)」

帰国後に新星堂などの店頭で、歌うなどして探してもらったが見つからなかった。
インターネット掲示板で依頼しても見つからなかった。
歌詞検索というのもあったが、これはカラオケになったものだけであった。
検索を続けていくと、それらしきタイトルの曲はあったものの、
既に絶版のCDであったため確認できなかった。


そこでNHKに問い合わせをしたところ、次のような回答であった。

「何年何月何日何時のどこ向け放送の、
どういった番組名なのかがわからないと
調べようがありません。
資料が残っていないので調べられません。」


選曲担当者が退社したなら仕方ないが、昼休みの雑談にでも話題とすれば、
「その曲知ってるよ。」 という社員が出てくるのではないか。

こんな要望をかなえるのはバカらしいのかもしれないが、
もう少し努力したことを見せてもらいたかった。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

NHKが受信料の強制徴収のために、法的措置を講ずると言っている。
NHK広報には賛否両論が寄せられているそうだが、私はこれからも払わない。


受信料に関しては、例えば以下の書籍が参考となる。

・本多 勝一、「NHK受信料拒否の論理」、朝日新聞社
・本多 勝一、「NHK受信料拒否の論理 増補」、未来社
・稲葉 三千男、「NHK受信料を考える」、青木書店

これらの書籍で指摘された問題点に加えて、私が支払拒否をする具体的な理由は、
学生割引に関する不誠実な行為および嘘があったからだ。


大学に入学して一人暮らしとなると、実家で受信料をなぜか2世帯分払うことになった。
2年後に転居したときに口座引き落としをやめたところ、巡回している徴収員がやってきた。

いろいろと文句を言った後、夏休みで帰省する1ヶ月分の割引を要求したところ、
「実は学生割引というものがあって、3月と8月の2ヶ月分を徴収しません。」 と説明があった。

この学生割引という制度が、これまで宣伝されていないことを指摘すると、徴収員は、
「学生と確認でき、強い要望があれば、実はこんな制度があると説明することもある。」 とか、
「あまり宣伝するとサラリーマンなどが学生と偽って契約し、受信料収入が減る。」 と答えた。

この発言に対して、そして他のいろいろなことについて更に文句を言った後、
NHKへの要望を上司に伝えることと、決算報告書を毎年郵送することを約束させた。

そして出資者として文句を言う権利を得るという名目で、学生割引料金で契約した。


その後、NHKに対する視聴者の要望・意見を扱う討論番組が放映された。
司会は上岡龍太郎、NHK側の回答者は三宅アナウンサーであったと記憶している。

その番組の中では視聴者の要望がVTRで流れ、女性(大学生か?)の発言があった。

「大学生が実家に帰省するときは、払わなくて済むような割引を考えてほしい。」

するとNHKの代弁者である三宅アナウンサーは次のように回答した。

「これからはそのような割引制度も導入するなど、対応を考えなければなりませんね。」


学生割引制度は既に存在していたにもかかわらず、番組中では一言も説明しなかった。
同席していた討論参加者および会場の一般参加者からは何も指摘が出なかった。

VTR取材後に放映を決めたわけで、NHKには回答を用意する時間はあったはずだ。

割引制度を知られると困ることがあるためか、
意図的に情報を隠したのである。



加えて、今年8月3日に開かれた「デジタル時代のNHK懇談会」の第3回会合では、
現行の学生割引の変更(割引率や支払方法など)について提案があった。

http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/kondankai/minute.htm

割引をしても、元々未納の学生に払わせれば、相当な増収が見込めると言っている。
「地震があったらNHKを見るだろう。」 という論理で攻める気か?

ただ、外部有識者を招いたこの懇談会にさえ、現行の学生割引制度について
過去に不誠実な対応をしたことや嘘をついていたことを隠している。

すると私が一時期契約した学生割引は、各支局が独自に行ったイレギュラー契約か?

契約者に対して必要な情報を公開せず、意図的にNHK側に有利になる契約を結ぶことは、
消費者契約関連法規ではどのように解釈されるだろうか?

この制度を知らなかった人には、過去の超過徴収分の返還を求める権利があるのではないか?



この番組直後に、私は口座引き落としを停止した。

転居のたびにNHKの徴収員は訪問してくるが、この番組のことを挙げて拒否している。
すると、「その番組は見たことがないのでわかりません。」 だとか、
「NHKの職員でも学生割引を知らない人はいるでしょう。」 、そして
「一体何をおっしゃっているのか理解できません。」 と答えて帰っていった。

この番組についてのNHK管理職による説明を何度か求めたが、回答は拒否された。
ただしその後、徴収員は二度と来なくなった。

もし裁判所経由で督促された場合、この番組を映像アーカイブなどで自分で探すことになる。
NHKに映像の提出を求めたとしても、
「いつの放送で、正確な番組タイトルがわからないと探せない。」 と逃げるだろうから。

それにしても、会社のために嘘を言うことになった三宅アナウンサーはかわいそうだ。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

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