2005年10月

今年6月に失業したわけだが、このときも有給休暇の申請や、
仕事量・残業の少なさで、上司の機嫌を損ねてしまった。


派遣就業を1年でやめたメーカーでは、残業時間は月20時間以内の契約だったが、
「残業は無制限だ。 契約なんかどうでもいい。 法律なんかクソ食らえだ。」 と怒鳴られた。


それでも私は、長時間労働を拒否する覚悟である。
それは、私は骨髄提供者となったことが、きっかけであったと思う。


骨髄バンクに登録して、これまで3回候補者になったが、
実際に提供したのは、この留学から帰国した年の1回だけである。

自分が健康であったことで、白血病を治療する手段となりうることを体験した。
また骨髄バンクの会合で、仕事での過労から白血病になった人の話も聞いた。

それで、健康が一番の財産ということと、生きているだけで丸儲け、という考えを持った。

加えて、ドイツでヨーロッパ的スローライフを体験したことや、
まだ酪農に貢献できたはずの父が、留学中にガンで他界したこと、
そして幼少期の熱性けいれんのためか、疲労がたまると寝込んでしまう体質も影響した。



「好きなことを仕事にしていれば、何時間働いてもかまわないはずだ。」 という人もいる。
ただ、いくら好きな化学で仕事をしていても、完全に自由に研究ができるわけではない。

仕事は、完全な個人的趣味ではないのだから、
法定の1日8時間労働を守るべきだし、
残業するとしても、健康管理の面から、一日2時間が限度だろう。
それに休日出勤など絶対に拒否したい。



岩波新書 「働きすぎの時代」 が増刷して5刷になったそうだ。
それだけ労働者は、今の状況を変えたいと思っているのだ。

しかし、住宅や車のローン支払い、子供の教育費などに充てるため、
残業代をあてにしなければならない状況に追いやられているのだろう。

長時間労働が、過労死や精神疾患などの原因であると気づきながらも、
多くの人は信用や仕事を失いたくないために、拒否できないでいる。

つまり仕事・会社に強迫されているのだ。

その人たちに、発言や労働運動を強制できないが、
ある意味で悟りを開いた私が、代わりに発言を続けていきたい。


(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

前にも翻訳データベースの在宅ワークについて書いたが、
誤訳以外でも、困惑する日本語翻訳文に出会うことがある。

文章を書くことを仕事とするのであれば、
句読点の使い方は基本事項であるはずだ。

私も完璧とは言えないが、小学校での作文指導の成果なのか、
文章構成と共に、句読点や括弧などの使い方に留意している。


例えば、以下のような訳文は、読みやすいと思うだろうか。

「社会不安外国資本投資の停滞若年層の失業問題等」

ゆっくり考えれば、どこで区切るかは判明するが、

「社会不安、外国資本投資の停滞、若年層の失業問題等」 と、

読点を使って、一読して理解できるように書くのが基本ではないか。


「緊急時ランプが点灯します。」

この場合、装置に 「緊急時ランプ」 という名称の
警告用ランプが設置されていると勘違いするだろう。

原文を確認してみると、
「緊急時にはランプが点灯します。」 とするか、
「緊急時、ランプが点灯します。」 と、読点を入れるべきだ。


英語原文でもカンマで区切られたり、接続詞などがあるが、
英語は理解できるのに、なぜ日本語の書き方を無視するのだろう。

関係節などが挿入されている場合、何を修飾しているのか、
全くわからなくなってしまう危険性もある。

その訳文を読む人の立場になって考え、読みやすくする配慮の意識がないのか。
日本語よりも外国語を優位に考え、日本語を書く練習をおろそかにしたのか。
言葉に対する意識が低いままで、翻訳家を目指したとは思いたくもない。

言葉は意思疎通の手段であると言いながら、
それを仕事としている翻訳家がこれでは困る。


せっかく時間と労力をかけて翻訳したのに、意味が伝わらなかったり、
読者や依頼主が読む気をなくすのでは、無駄な作業となってしまう。

翻訳会社のコーディネーターが困るタイプの翻訳家だ。

化学の学会発表でも、「理解できない方が悪い」 という態度を取る人がいる。
いつも自分が中心で、他人に理解してもらおうという意識がないようだ。

もしプライドを持つのであれば、翻訳の質に対して持つべきであり、
自己流の句読点用法を押し付ける態度を見せるべきではない。



文部科学省は 「英語が使える日本人」 を育成したいそうだが、
初等教育段階では、日本語できちんと論理構成できる能力を鍛え、
そして句読点も含めた記述・表現技法を身に付けさせるべきだろう。


誤訳が、外国人排斥運動や戦争の原因になってほしくはないから。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

ドイツ語の話をしていなかったので、
留学中に聞いた口語表現などを紹介していきたい。

今日紹介するのは "klappen" という自動詞。

日本にFAXを送ってもらうために、秘書に頼んだ後で、
実験室で学生に "Alles geklappt?" と聞かれて困惑した。 

教科書的には、通常は "gelingen" を使うので、
「うまくいったの?」 と聞かれたとは思わなかった。

「パタンという音を立てる、パタンと開く(閉まる)」 という意味の他に、
「うまくいく、成功する」 という口語表現の意味がある。
辞書には複数の用例が記載されているので、よく使うのだろう。

最近の会話集や、NHKドイツ語講座ならば出てくるのかもしれない。
私がドイツ語を始めた高校3年のときの、小塩先生の番組ではなかったことだろう。

他の学生に、ドイツ語は難しいかどうか聞かれたときには、この口語表現も例示している。


口語表現を使いこなすかどうかは別として、相手が外国人であっても、
ドイツに住んでいるならば、日常ドイツ語で話すというその姿勢は、
最初は苦痛かもしれないが、逆に変に意識していないということで好感が持てた。


日本に住んでいる外国人に対して、「英語で話してあげないといけないのかな」 と、
過度に意識したり、気を遣いすぎる人が多いような気がする。

観光客に対しては、英語など通用度の高そうな言語を使うのもよいだろう。
仕事をしたり生活しているのであれば、いつも使っている日本語で話しかけ、
慣れてもらうことで、日本語を理解できないことでのトラブルを避けられるだろう。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

今月から派遣社員として再就職し、受託合成の仕事をしている。

10月末納品の仕事を2つ担当していて、1つは今日納品した。

もう1つは分析結果待ちだが、今週中には納品可能だ。

明日からは別の化合物の合成を開始する。
受託合成の会社の中には、仕事がこなくなって暇なところもあるが、
ここは親会社からも含めて、仕事の依頼が途絶えることはない。


始めたときは環境に慣れていなくて、フラスコを探すだけで時間がかかったが、
2週間ほど経つと、今月末の納品は確実に守れることが確信できるようにまでなった。

合成法を改良することはない仕事のため、これまでと比べても楽な方だった。

今日納品した化合物は、元々この派遣先で実績のある反応なので、
過去の実験ノートを見て再現すればよかった。
もう1つは論文の実験の部があるので、これも再現するだけ。

そうは言っても、資料や論文が間違っている可能性もあるので、
慎重に確認しながら実験を進めていくべきだ。

意外と水溶性だったり、室温で不安定で保存ができなかったり。
既知の化合物であっても、その癖というか特性がわかるまでは苦労する。

トラブルを独力で解決することが、ベテランやドクターには期待されるのだ。
新卒との時給の差があるのはそのためだ。


残業は合計4時間程度であり、納期も余裕を持って設定している証拠だ。
医薬品開発の競争は激しいが、きつい納期で社員が不健康になっては
健康産業の製薬会社としては矛盾してしまう。

夜中まで仕事をする人の価値観・性格は変えられないが、
量より質を重視する職場もあることを理解してほしい。


(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

今日の晩御飯の主菜は、帰宅途中にジャスコで買った 「白身魚のあんかけ」 で、
火曜市で安くなった野菜を使い、自分で作った副菜は 「小松菜の煮びたし」 だ。

油揚げと一緒に、だしでさっと煮て、しょうゆで味を調整すればよい。
簡単だ。

小松菜の煮びたしを作って感じたのは、茎がしゃきっとしているので、
ほうれん草のおひたしよりは食感が良いということだ。

昼は社員食堂でまともな定食を食べているので、
朝と夜は簡単な時間のかからない食事で十分だ。

ドイツ留学中に大量の肉を見た反動なのか、
帰国後は魚と野菜中心の食事が好みになった。

30代後半だと脂肪肝の診断も出るので、食生活は変化してくる。

中学生のときは牛乳を一日3リットルも飲んでいたが、
今では無脂肪乳を毎朝 500 mL 程度だ。


ところで、「小松菜」 と聞いて思い出すのは 「みのもんた」 だ。

お昼の番組で小松菜が取り上げられ、母が買い物に行ったら
近くのスーパーから小松菜が跡形もなく消えていたそうだ。

「みのもんたがテレビで言ってたから体にいいはず。」と、
体調不良になったとしても医者の言うことを聞かない主婦がいるそうだ。
「みのもんた症候群」 と言うそうだ。

みのもんた、恐るべし!

ルポルタージュ映画の 「スーパーサイズ・ミー」 と同様に、
番組が紹介する食事で体がどう変化するのか、若手芸人にでもやってほしい。


明日はブロッコリーを、コンソメではなく、だしで炊いてみよう。

(最終チェック・修正日 2005年11月26日)

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