有機合成実験で、反応の進行をモニターする方法は様々である。
基本的で簡便な分析手段はTLCで、毎日何枚も使う身近なものだ。
大学時代は有色化合物だったため、肉眼で変化がわかるので便利だった。
単純ではあるが、展開溶媒や発色剤など、いろいろな工夫や勘が必要となる。
次によく使っているのが、HPLCとGCだ。
HPLCの方が楽なので使用頻度は高いが、検量線を作って定量するにはGCを使っている。
反応混合物をサンプリングして、特定の官能基の存在をプロトンNMRで確認することもあるが、
リン31やフッ素19といった感度のよい核種で、反応追跡をすることも多い。
派遣就業をするようになり、企業ではLC/MSやGC/MSを使う機会ができた。
今までのHPLCやGCの分析では、原料が消失して、何か生成物ができたことはわかったが、
それが本当に目的物なのか、それとも予想外の生成物なのか、判断しにくかった。
MSと組み合わせることで、クロマト分離されたそれぞれのピークに対して、
その対応する成分の分子量を知ることができ、反応中に判断できるので便利だ。
正確には、観測されたイオンの質量数が、分子量に等しいわけではないが、
イオン化法などの特徴を知った上で利用するならば、大きな間違いを犯すことは少ない。
ただ、会社によっては、LC/MSを反応追跡に使わないところもあった。
ある会社で派遣就業してしばらくして、分析業務についてのアンケートがあった。
私はその前の就業先で、毎日LC/MSで反応追跡をしていたので、要望を書いてみた。
すると分析グループからの返答は予想外のものだった。
「LC/MSは本来、反応追跡に使用するという目的のためにあるのではありません。」
「TLCやNMR、IR、HPLCなどで分析したり、反応混合物の一部を処理して分析しても、
どうしても反応追跡が不可能であるということを証明してから、利用を検討すべきです。」
分析グループとしては、合成グループのためにメンテナンスをしたくはないし、
何百万円もする装置を、他の分析法でもできる反応追跡だけに使うのは、もったいないと思うのだろう。
他にも、NMRについてのメールの内容からも、何かグループ間の軋轢を感じていた。
ルーチンワーク測定は分析グループの担当者が行うが、定時後は合成担当者が測定してもよかった。
そのため私も講習会を受け、NMR使用のライセンスを取得することにした。
だが、分析グループ責任者からのメールは、どうも不愉快なものであった。
「博士ということで、能力的にはNMRの使用を認めてもよいとは思いますが、
急ぎではないサンプルは、翌日に測定担当者に依頼するのが原則です。」
「定時後に測定して構造を決定し、その日の夜のうちに次の反応を開始しないと、
どうしても困るような人を想定してますので、ライセンスを取得したにもかかわらず、
定時で帰宅して、一度も測定することはなかったというのでは困ります。」
以前からトラブルがあったそうなので、メンテナンス担当としては、使わせたくないのだろう。
実際に他のメールでも、「使いたいのであれば、メンテナンスも義務となる」 とあった。
長時間残業をせまる職場だったが、不愉快だったので、一度も測定しなかった。
こんなに社内で対立して、仕事の進展に寄与するとでも思っているのだろうか。
自分のグループに主導権があるかのように主張して、何の意味があるのだろうか。
まあ大学でも、「この装置は○○には触らせない」 ということもあったので、
人間関係がこじれると、研究とは関係ない、醜いものを見ることになるわけだ。
基本的で簡便な分析手段はTLCで、毎日何枚も使う身近なものだ。
大学時代は有色化合物だったため、肉眼で変化がわかるので便利だった。
単純ではあるが、展開溶媒や発色剤など、いろいろな工夫や勘が必要となる。
次によく使っているのが、HPLCとGCだ。
HPLCの方が楽なので使用頻度は高いが、検量線を作って定量するにはGCを使っている。
反応混合物をサンプリングして、特定の官能基の存在をプロトンNMRで確認することもあるが、
リン31やフッ素19といった感度のよい核種で、反応追跡をすることも多い。
派遣就業をするようになり、企業ではLC/MSやGC/MSを使う機会ができた。
今までのHPLCやGCの分析では、原料が消失して、何か生成物ができたことはわかったが、
それが本当に目的物なのか、それとも予想外の生成物なのか、判断しにくかった。
MSと組み合わせることで、クロマト分離されたそれぞれのピークに対して、
その対応する成分の分子量を知ることができ、反応中に判断できるので便利だ。
正確には、観測されたイオンの質量数が、分子量に等しいわけではないが、
イオン化法などの特徴を知った上で利用するならば、大きな間違いを犯すことは少ない。
ただ、会社によっては、LC/MSを反応追跡に使わないところもあった。
ある会社で派遣就業してしばらくして、分析業務についてのアンケートがあった。
私はその前の就業先で、毎日LC/MSで反応追跡をしていたので、要望を書いてみた。
すると分析グループからの返答は予想外のものだった。
「LC/MSは本来、反応追跡に使用するという目的のためにあるのではありません。」
「TLCやNMR、IR、HPLCなどで分析したり、反応混合物の一部を処理して分析しても、
どうしても反応追跡が不可能であるということを証明してから、利用を検討すべきです。」
分析グループとしては、合成グループのためにメンテナンスをしたくはないし、
何百万円もする装置を、他の分析法でもできる反応追跡だけに使うのは、もったいないと思うのだろう。
他にも、NMRについてのメールの内容からも、何かグループ間の軋轢を感じていた。
ルーチンワーク測定は分析グループの担当者が行うが、定時後は合成担当者が測定してもよかった。
そのため私も講習会を受け、NMR使用のライセンスを取得することにした。
だが、分析グループ責任者からのメールは、どうも不愉快なものであった。
「博士ということで、能力的にはNMRの使用を認めてもよいとは思いますが、
急ぎではないサンプルは、翌日に測定担当者に依頼するのが原則です。」
「定時後に測定して構造を決定し、その日の夜のうちに次の反応を開始しないと、
どうしても困るような人を想定してますので、ライセンスを取得したにもかかわらず、
定時で帰宅して、一度も測定することはなかったというのでは困ります。」
以前からトラブルがあったそうなので、メンテナンス担当としては、使わせたくないのだろう。
実際に他のメールでも、「使いたいのであれば、メンテナンスも義務となる」 とあった。
長時間残業をせまる職場だったが、不愉快だったので、一度も測定しなかった。
こんなに社内で対立して、仕事の進展に寄与するとでも思っているのだろうか。
自分のグループに主導権があるかのように主張して、何の意味があるのだろうか。
まあ大学でも、「この装置は○○には触らせない」 ということもあったので、
人間関係がこじれると、研究とは関係ない、醜いものを見ることになるわけだ。