2006年06月

今週、ある有名人の家族の誘拐事件が話題となった。

目撃者が多かったことで解決も早く、警察の捜査力が見直されることとなったようだ。

ただ、Nシステムという監視システムや、携帯電話の電波から発信源を絞り込むなど、
監視カメラ・盗聴と合わせれば、共謀罪立件のための設備投資が進んでいるとも解釈できる。

今回の事件報道で気になったのは、記事の見出しや内容の表現である。

「日中韓3人を逮捕」 という見出しもあったが、「韓国籍など3人」 や、
「中国籍○容疑者が主導」 という表現には、外国人排斥のにおいがする。

3人のうち誰が誘拐を計画し、主導したのかというのは、現時点での警察側の仮説である。
見出しだけ見て、外国人犯罪グループに、日本人が利用されたと勘違いする人もいるだろう。


韓国籍容疑者がレンタカーを借りたから、主犯格のように見出しに出したのかもしれない。
中国籍容疑者の供述から、犯行を計画した主犯格だというのも、単に警察発表のまま流しているだけだ。

拳銃を所持していた元暴力団員の日本人は、他の強盗事件も起こしていたから、
この3人の中で一番危ない存在ではないかと感じた。

外国人2人はお互いに名前も知らず、2人の共通の知り合いは日本人の容疑者だけだという。

誰が誘拐を最初に言い出したのか、そのことについて、私は興味はない。

テレビ番組などで 「不法滞在中国人を追放しろ」 だとか、「外国人凶悪犯罪が多発している」 と、
外国人、特にアジア人を敵視するコメントを発する人がいることが気になる。


「日本人よりも在日外国人の方が、凶悪犯罪を起こす割合が高い」 という統計は見たことがない。

それに、入国管理局での非白人に対する扱いをみると、アジア人を追い出したいという意識があるようだ。

中国人留学生のパスポートを紛失したのに、預かっていないと言い張る職員もいたし、
「中国人は数が多く、その上、いつも要求ばかりでうるさい」 だとか、
「アジア人は不潔で嫌だ」 と平気で言う職員もいた。


就学ビザで入国し、その後不法滞在となったとあるが、これに関して、日本政府も批判されるべきだろう。

「留学生10万人計画」というものがあり、短期間でもいいからとにかく留学生を多数入国させ、
単に人数が年間10万人に近くなるように、留学の中身よりも人数合わせに政府は努力した。

こんなにたくさん留学生を受け入れて日本も国際化しているのだ、と白書に書きたいだけだ。
中身などどうでもよく、予算獲得のために用意した制度であり、「偽装国家日本」を象徴している。

日本での受け入れ態勢が整っていないから、挫折したり、生活費がなくなったり、
さらに帰国できなくなって、犯罪集団に組み込まれていくのかもしれない。

元々外国人を受け入れようとは考えていないので、短期で帰国してくれる人を前提としていないか?
彼らが追い詰められた原因を無視して、逮捕して国外退去させろと騒ぐのは冷静な判断か?


留学生がとばっちりを受けることのないように祈りたい。

以前から論文の再現性に疑問があると噂されていた教授が、
研究費の不正受給問題で、文部科学省から研究費の返還を求められた。

当初は、「不正受給の疑い」 ということで名前は出ていなかったが、
不正行為が確認されたためなのか、実名報道に切り替わっている。

文部科学省事務次官の談話は次のとおり。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/06/06062307/001.htm

これまで研究費の審査は、研究者のグループに丸投げしていたわけで、
これまで対策を採らなかった文部科学省にも責任があると思う。


私とは研究分野が違うので、この教授の研究や、過去からの疑惑については、ほとんど知らない。

以前、知り合いの教授が、旅費の流用、セクハラで辞職に追い込まれた後で、
「大学不祥事の追及キャンペーンをするマスコミに知られてはいけない」 と指導されたことがある。

少しでも疑惑があれば、嘘でもなんでも書きたてて、「国費の無駄遣いだ」 などと騒ぐそうだ。
学科を仕切っているような、ワンマン教授が狙われるようだ。

やはり、何か恨みを買うようなことがあったのだろう。


新規な金属錯体による分光学的検出法が、バイオ分野で利用できると期待されるため、
今回の取引先がバイオ関連企業となっていると思われる。

するとこの会社も、架空取引ということで、商法違反にでも問われるのだろうか。


噂では、外国人ポスドクが嘘の論文を書いて、それを元に研究費を申請したらしい。
論文の捏造を証明することは困難なので、代わりに調べやすい研究費不正受給で内部告発したのか?

恨みなどで仕返しをする場合、相手に確実にダメージを与えられる情報を得るまで待つ作戦もある。

その教授がIUPAC Vice President (次期 President が確定)に就任したことや、
文部科学省 「研究活動の不正行為に関する特別委員会」 で主査代理(既に退任)であったことも、
関係者の反発を招くには、十分な肩書きであっただろう。


http://www.chemistry.or.jp/news/matsumoto-iupac.html
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/index.htm#gijigaiyou


日本化学会には倫理規定があり、今年は不正行為の調査・審理に関する取り決めも発表した。
http://www.chemistry.or.jp/news/kaiin-fusei.html

まだ公式発表はされていないが、倫理規定もできたことだし、除名でもするのだろうか。
国費の無駄遣いなのだから、厳しい措置を求める声は大きくなるだろう。

ただ、脱税していた有名教授も、何も処分がなかったので、役職停止くらいで終わるのかもしれない。

それに似たようなことは、金額が少なくても、やったことがある人はいるわけで、
一人の教授を追放して、自分たちは何事もなかったかのように居直るのも変だ。


とにかく、研究室の学生や若手研究員が、次の職場をすぐに見つけられるようにしてほしい。
形式的でも指導教授を変えておかないと、推薦状が必要な場合に困ってしまう。

加えて、もし内部告発者がいた場合、その告発者の就職はより困難となるだろう。
正義感で告発したのかもしれないが、そんな危険分子を、喜んで迎える職場は少ない。


ポスドク先での廃棄物不法投棄や、実験データの改ざんを告発した私の場合は、
その後、出身研究室の指導教授から推薦がもらえなくなった。

有名教授を除名することは難しくても、まだ無名の若手研究員を葬るのは簡単だ。


今後の報道の他に、大学・文部科学省・日本化学会・IUPACの対応を追跡しておこう。


追記:
6月25日の報道で、問題のバイオ関連企業は、ベンチャー企業を起業する能力がなかったそうだ。

トラックバックで示したが、他にも失敗した大学関連ベンチャーは多い。
国費無駄遣いは今回だけではないのだ。


6月28日
その教授は辞表を提出したものの、大学側は懲戒処分の方針だという。

辞職だと退職金やボーナスを受け取る権利が残るので、懲戒解雇にしたいのだろう。


6月29日
今度は以前から噂のあった、捏造論文が取り上げられている。

IUPACにも辞表を提出したため日本化学会も放置できなくなり、
不正の調査を始めることになったのだろう。
http://www.chemistry.or.jp/news/kaicho-danwa060629.html
http://www.iupac.org/news/archives/2006/VP-resignation.html

これまで不正が発覚しなかった他の研究者たちや、脱税を指摘された教授などは野放しだが、
倫理規定を決めたのだから、きちんとした報告・処分を期待したい。


6月30日
総合科学技術会議が、文部科学省などに不正防止の指針作りを指示した。

予算の年度内使いきり原則や、交付が9月になることもあるなど、これまで問題点が指摘されていたのに、
今回のようにマスコミに知られて大騒ぎにならないと、何も変えようとしないことが問題ではないか。


7月9日
日本分析化学会も、問題の論文を調査することになった。

文部科学省なども含めて、一緒に調査すればいいと思うのだが。
調査結果や処分内容に、違いがでないことを期待したい。

(最終チェック・修正日 2006年09月30日)

今日のニュースでも、サッカー・ワールドカップの一次リーグ最終戦で、
日本がブラジルに勝てるかどうか、そしてトーナメント進出の条件などを、
何度も何度も放送していてうんざりだ。

いつもFIFAランキングで、相手チームを格下などと判断しているので、
すると日本はブラジルに勝つことはないと考えるのだろうか。

スポーツは何が起こるかわからないので、PKや相手の退場、オウンゴールの可能性も期待しよう。

まあ私としては、日本が負けても、ドイツを応援するので、興味は続くが。


ところで日本が苦境に追い込まれたのは、試合時間帯の暑さが原因との見方がある。

ドイツの朝晩は涼しいが、今は夏至近くなので、内陸の昼間はかなり暑くなる。
暑さ対策をしていても限界はあり、クロアチア戦のように、両チーム誰も走れなくなる。

女子の場合は、タイムアウトがあって給水できるが、男子はプレー中断時に取るしかない。

サッカーのルールには天候の項目はあるのだろうか。
バレーボールには最低気温が10℃という規定があるが、上限はなかったと記憶している。
だからサッカーも、30℃を超えても試合をしなければならないのだろう。

熱中症、日射病、急性心不全の危険性もあるので、温度と湿度で危険度を計算し、
試合時間を遅らせたり、中断時に給水させるなどの判断を、審判ができるようにすべきではないか。


危険な場合として、例えば落雷や台風、ドカ雪のときには中止になることはあったようだが、
少し雪が積もっても、オレンジ色のボールを使って試合をするし、
霧で何も見えないのに(テレビ画面には白い霧しか映っていないのに)試合をやっていた。

ルールブックを入手して調べてみようと思う。



朝日新聞のサイトでは、ジーコ監督の、日程に関する不満とも言える発言も引用していた。

他にも、次の記事を参考にしたい。
http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20060622-49519.html

「W杯1次リーグで日本が、酷暑の午後3時(現地時間)キックオフでオーストラリア戦と
クロアチア戦の2試合を戦ったことについてNHKの原田豊彦放送総局長は21日、
「日程はFIFA(国際サッカー連盟)が決めたもので、放送枠は民放との話し合いで決めている。
こちらから働き掛けたということは聞いていない」との見解を示した。 ...」

他の大部分のチームと違って日本は、2試合とも一番暑い時間帯の試合となった。

私は仮説として、日本時間の夜になるように放映権料を支払った放送局が圧力をかけたと、当初考えた。
多額の放映権料の元を取るには、視聴率が高くなる時間帯を確保するのが常套手段だからだ。

世界陸上やオリンピックの陸上競技で、アメリカで人気の短距離のレースは、
アメリカの夜に放送できるように、競技時間が決められたこともあるから、同じことをしたのだろう。

この記事を読んで、その仮説が正しく、日本チームを苦しめたのは気温だけではなかったと確信した。

グループ分けの抽選で、自動的に試合日程も決まったわけだが、
当初の時間帯では日本の早朝になるためか、放送局から変更の要望があったそうだ。


テレビ朝日が大々的にサッカー番組を流したので、反朝日のマスコミは、このチャンスを利用するだろう。

その報道合戦・非難合戦の影響で、スポーツ・ビジネスのあり方を考える余裕は、なくなるかもしれない。


ところで、サッカーと暑さについては、20年近く前に別の記事を読んだ記憶がある。
それはインターハイでのサッカーの試合に関する記事だった。


国際審判員の方が観戦したその試合は、8月の非常に暑い日に行われていて、
ゴールを決めたにもかかわらず、選手は喜びを表現することもなく、
下を向いたまま無表情でセンターサークルに戻っていった。

若さが感じなれないという見方の他に、こんなに暑くては、まともなプレーができないことが指摘された。

それなら高校生までは、国内ルールとして気温などの条件を整えてほしかった。
または北海道など、必ず涼しい場所で開催するなど、競技別に開催地を選んでほしかった。

私も鹿児島でインターハイ(バレーボール)を経験したが、ただでさえ練習が厳しいのに、
暑さにまで一日中襲われることは、非常に耐えがたかった。

インターハイは学校教育の一環として行われているので、夏休みの時期がふさわしいのかもしれない。
部活動は道徳教育の一つなので、我慢することを学ぶのが目的なのだろうか。

熱中症などで文部科学省の役人が責任を取ったことはないし、今後もないだろう。


とにかく日本では、サッカーも含めてスポーツは文化ではなく、
家電製品やピザの売上を増大するための道具なのかもしれない。



他のチームだって、ヨーロッパ予選は調子が良かったのに、全敗したところもあれば、
優勝候補なのに引き分けになったりと、本当にスポーツは予測ができないからおもしろい。

選手はその時点で最善と思ったことを、いくつかの選択肢の中から決断してプレーしたのだから、
どこかの国のフーリガンみたいに暴れたり、帰国した選手を非難したり、襲ったりはしないでほしい。

コロンビアの選手が、賭けで大損したマフィアに射殺されたことを覚えているだろうか。
これではスポーツではない。
これが世界のサッカーの姿だと誤解して、まねをすることがないように願いたい。


追記:
6月23日は、午前4時45分に目が覚め、ロナウドのシュートを見てしまった。
逆転されたものの、日本は先制点を入れるなど努力したと思う。

選手やスタッフを責めるのではなく、日程を変えさせて金儲けを考えた者たちを批判しよう。

また、グループEではチェコとアメリカが敗退した。
特に、ヨーロッパの強豪、チェコが敗退したことは意外であった。

スポーツ科学・心理学の発達したアメリカが、グループ最下位というのも意外だ。
テロ対策で疲れてしまったのか?

試合が思い通りには運ばないという良い例だから、選手でなかった人も気づいてほしいものだ。



追記:
マスコミを支配しているのは 「電通」 であると、以前から言われていた。
今回もFIFAと電通の関係を報じた報道機関はわずかである。

予選リーグ敗退で、収益の目標は達成できなかったかもしれないが、
今後も様々なスポーツイベントで、電通の支配構造を知ることになるだろう。

(最終チェック・修正日 2006年09月30日)

「採用試験の語学は英語 国際化に逆行?国会図書館」 と題したニュースを読んだ。

今年の採用試験から、外国語はこれまでの 英・独・仏・露・中・朝鮮語 からの選択ではなく、
英語一つに限定されていて、関係者からは国際化に逆行する措置だと非難されているそうだ。



そこで、国会図書館のホームページで、採用情報を確認した。
http://www.ndl.go.jp/jp/information/employ_guide01.html
http://www.ndl.go.jp/jp/information/employ_guide02.html

どの職種でも、外国語試験は英語のみ課されているが、以前のことはわからなかった。
それに他の言語が削減の対象となった理由も不明のままであり、今後の取材を待つことになるだろう。

国会図書館には様々な資料が蓄積されており、外国語文献も多数あれば、
外国から資料の複写などの問い合わせも多いだろう。

英語版ホームページもあるから、問い合わせや申請も、英語使用が前提と暗示しているのだろう。
それに展示コーナーでは、日本語と英語の解説を併記するので、英語理解者の採用を目指したのだろう。

ただ、多岐にわたる資料の収集・整理、そして展示を行うには、英語だけで十分なのだろうか。
このままでは原著を理解できず、英語に翻訳された資料を通してしか情報収集ができなくなる。


国会図書館側の事情を考慮して、別の見方をしてみよう。

まず、ホームページにある、「国会図書館の役割とは?」 を読んでから考えてみた。
http://www.ndl.go.jp/jp/role/index.html

大量の出版物を毎日分類し、保管作業の他に複写にも対応しなければならないのに、
予算と人員の削減を要求する圧力であるとか、独立行政法人化が話題となっている。

正規職員の採用を拡大することは困難であり、多言語での採用をする余裕もなくなったのではないか。
試験問題を作る人件費や手間を考えると、やむなく英語に限定して経費と人員の削減をしたのだろう。

そして浮いた人件費で、非常勤職員として、英語以外の言語の専門家を雇用する道が開ける。

さらには、去年までの6ヶ国語以外にも、例えばアラビア語やスワヒリ語の専門家を、
非常勤職員または派遣社員として採用すれば、特別展示などにも対応できるようになる。

ドイツ語派の私にとっては残念なことであるが、何事にもメリット・デメリットは生じる。

非常勤職員の道しかないとは言え、それでも雇用が確保されて、専門知識を使って
貢献できる場が提供されるのであれば、批判しつつも、苦渋の決断を理解すべきだろう。

この件が誤解されて、外国語は英語のみが国際的に通用し、
他は国連公用語であっても非主流派だと思われるのは避けたい。



また、各地の図書館で、「ジェンダーフリー」 などの特定テーマを扱う図書が、
執拗な抗議によって閲覧できなくなったり、または逆に図書館職員の独断で、
ある特定の歴史認識に基づく図書が廃棄処分されたりしている。

だから、すべての出版物を保管する、思想・信条に影響されない国会図書館の存続は大切だ
予算の問題だけでも解決してもらいたいものだ。




ところで試験問題と言えば、私が受験した約20年前の大学入試では、英・独・仏 からの選択だった。

最近は確かに入試問題作成の手間を考えて、英語のみになった大学は多いし、
さらに英語は一次試験のセンター試験のみということもある。

大学院では英語以外も残しているところもあるが、たいていの自然科学系は英語のみになっている。

ヨーロッパの学術雑誌も、ドイツの出版社であっても投稿言語を英語に統一するようになったし、
国際会議の公式言語は英語だから、英語の基礎力がある人に入学してほしいという意思表示でもある。


ちなみに私は、共通一次試験は英語で受験した。
高校時代は独学でドイツ語と中国語をやっていたので、最初の10分間はドイツ語を解いてみた。
英語の問題と比較して、英語の方が高得点となることがわかったので、英語の解答に変更した。

試験前にも、中国語放送(中央人民広播電台)の開始アナウンスの聞き取りをやっていたりで、
「遊んでいないで、受験に必要な勉強をしなさい。」 と親に怒られた。

私は3言語同時学習によって、言語感覚が磨かれ、結果的に国語と英語の成績が上がると仮定した。
実際に、国語は 180点、英語は 175点で、数学の 120点を大幅に上回った。

ドイツ語と中国語の学習時間を数学に回せと言われればそれまでだが、まあ自己満足の世界の話だ。
それでも高校のときにドイツ語に触れたことが、ドイツ留学にまでつながっている。

英語の早期教育には別の方法論が必要ではあるが、
「日本人は日本語をまず完璧にしろ。」 だとか、
「英語も完璧でないのに、なぜ必要のないドイツ語まで勉強するのか。」 という人に反発するのは、
自分の可能性を広げるチャンスを奪うことはしないでほしい、と私は考えているからだ。

開幕戦のドイツ対コスタリカは、結果を知った後で録画で見た。
他の試合も、ハイライトで見ただけである。

まだ予選だからというのもあるが、今は仕事があるので、学生のように夜更かしもできない。


前回の大会では、初戦のベルギー戦は、定時後ということもあり、
会社の会議室で、巨大スクリーンに映していた。

しかし私は実験中で残業していて見なかった。
そして帰宅途中で試合が終わった。
興味はあるが、そんなに見なければならないとまでは思わなかった。


今日はこれから日本対オーストラリアだが、録画で後で見ようと思う。
ニュースステーションを見て、いつもどおりに、22時半には就寝するつもりだ。
シンドラー社の会見の方が、サッカーより大切だと思う。

明日は学会参加で遅刻できないし、JRはどうなるか不明なので早起きしなければならない。


それにしても、どうしてこんなにも大騒ぎするのだろう。
理由もなく、右へならえで、ただ一つのことに大衆がまとまって行動してしまう。

前回大会でロシアに勝った後、都内の交差点をサポーターが渡るときに、
反対側から来た人とハイタッチをしていたそうだが、拒否した人をにらみ返したそうだ。

日本人全員が同じように勝利を祝い、同じ行動をとらねばならないと思い込んでいるようだ。


またテレビ番組でも、NHKなど、キックオフまでの時間を秒単位でカウントダウンしている。
気温がどうだの、芝の長さがどうだの、2時間も前から騒いでいる。
試合前にそんなに話し続けては、ゲストも疲れてしまうだろう。

巨額の放映権料の元をとるには、そして次回の放映権を獲得するには、
ワールドカップを大々的に宣伝しないといけないのだろう。

噂ではオリンピックでも、取り上げた時間数・回数に応じて、次回の割り当てが決まるという。
だから選手の家族や友人まで徹底的に追跡し、事前に過度に盛り上げないといけないのだろう。


それにゲストの野球選手に、「WBCのときには……」 だとか、
「野球でも試合前には……」 などと、無理やり野球と結びつけて質問していた。

今はサッカーの番組なんだから、サッカーの話だけしていればいいのに。

そう言えば、王監督がサッカーのゲストに呼ばれたときにも、
「今のプレーは、野球でたとえるとどうなりますか?」 と聞かれて困っていた。

まあ、TOTOが赤字のようだが、とにかく、選手育成に投じた金が無駄にならないようにしてほしい。


追記:
今朝のニュースで、日本が負けたことを知った。

コンディションや作戦も含めて、その時点では最善を目指していたのだから、
結果だけを見て、後からあれこれ騒ぐのはやめた方がいい。

選手としての経験がある人ならわかるだろうが、複数のプレーの可能性の中から、
その瞬間に、ベストの選択と思われることを決断しているはずである。

負けたことの腹いせに、街で騒いだようだが、そんな文化は真似しないほうがいい。

(最終チェック・修正日 2006年06月13日)

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