2006年09月

日本を右傾化させる教育をもくろむ、安倍愛国主義内閣がスタートした。

教育基本法「改悪」 が政策目標だから、文部科学大臣の思想もチェックする必要がある。

この大臣は就任直後に、「教育のことはあまりよく知らない。」 と言っていたから危険だ。

教育について無知だという文部科学大臣は、小学校での英語必修化に対して、反対ともとれる発言をした。

[次期学習指導要領に盛り込まれる見通しの小学校5年生以上の英語必修化について、伊吹文明文部科学相は
27日、必須化する必要は全くない。まず美しい日本語が書けないのに、外国の言葉をやってもダメ
と必修化に慎重な考えを示した。文科省が実施した市民からの意見募集でも必修化に消極的な意見が
約4割を占めており、今後論議を呼びそうだ。
 伊吹文科相は、英語教育よりも最低限の素養や学力を身につけさせることが先決だという認識を示した。さらに中央教育審議会が英語必修化を答申した場合について、「中教審のお考えを入れるか入れないかは、私が判断をしなければいけない」と述べた。(毎日新聞) ] だと。

想定外の発言のため、秘書官が慌ててメモを渡したとも言われている。


文部科学省では、「英語が使える日本人の育成」 を目指しているのに、大臣が就任早々に反対するとは。

官僚主導ではない政治をするという内閣の方針を、ここで示したということなのか。

外国語を勉強する余裕のない子どもはいるかもしれないし、漢字で苦労する子どもも多いかもしれない。

小学校での英語教育で、最適なメソッドが提示されていないから反対するのは理解できるが、
子どもの可能性・選択肢をわざわざ狭めることに何の意味があるのか。

外国語の勉強によって視野が広がると、愛国主義教育の効果が出ないと心配しているのか。

中央教育審議会の答申を、そのまま政策に反映する必要はないわけだが、
必修化を前提に取り組んできた現場は、ゆとり教育と同じように混乱するだろう。

公立に失望する人が増えて、代わりに私立学校や英会話教室が繁盛するだけかもしれない。


追記:
他の新聞では、関連する発言も取り上げられていた。

政治家として、今の小学校では必修で教えるべきことが教えられていないと思う

やりたければ個人的にやればいい。外国のことに興味を持つくらいを限度にとどめるべきだ

外国語を勉強すると、非国民になるということだろうか?

この大臣は大蔵官僚出身だから専門は経済のようで、新刊について公式ホームページで宣伝していた。
http://www.ibuki-bunmei.org/

「英会話に不自由しない」 とも宣伝しているが、自身のロンドン滞在経験から、
逆に日本人としてのアイデンティティについて考え、そして日本の伝統を大切にしようと考えたのか。

海外で、欧米への憧ればかり語り、白人と同化を望む日本人と出会って、日本の将来を憂えたのか。

それならきちんと、外国語・国際交流について教育メソッドの開発に取り組むべきであって、
「外国のことに興味を持つくらい」 という低い目標では、逆効果ではないか。

私も帰国直後には、「こんな日本では恥ずかしい」 であるとか、
「こんな汚い日本語を使うなんて、一体どうなっているんだ」 と感じたことはある。

それでも、愛国心教育を強調したり、外国語教育を縮小するのは不思議な行動だ。

もしかすると、一般大衆が外国語の知識を持って、直接海外の情報に触れてしまうと、
これまで意図的な翻訳改ざんなどで日本政府が隠してきたことが、ばれてしまうので困るのか。


9月28日夜のNHKに出ていたが、単に愛国心教育と、教育基本法「改悪」をしたいだけのようだ。

まともな理論で、小学校英語の必修化スケジュールを変更するのではないのだ。

必修化が遅れることをポジティブに考え、教員養成やメソッドの開発を進めてほしいものだ。


追記:
朝日新聞では、その後の新たな発言を引用していた。

[「お菓子は、余裕があれば食べればいい」。必修化の是非が議論となっている小学校での英語教育について、
伊吹文部科学相は、こんなたとえで持論を再び展開した。29日の閣議後の記者会見で答えた。

伊吹文科相は「おいしいケーキや和菓子は余裕があれば食べればいい」と、小学校での英語必修化について
述べた。基本的に体を維持していくうえで大切なのは「たんぱく質やでんぷん質」と、国語などの基礎教科の
重要性を訴えた。さらに、それらが「十分体に摂取されてなお、余裕があれば食べればいい」と強調した。

国際的な感覚を磨いたり、外国人に触れて文化的な違いを学習したりしている現状は是認しつつ、
「アルファベットから会話を教えるというのであれば、最低限の日本語の素養をマスターしてからでいいのでは」
と述べた。また、3歳まで英国で暮らした自分の子どもを例に、「(日本に)帰って1カ月たったら、
全然しゃべれなくなった」とも述べた。]

だからどういった教育をしたいのか、はっきり示してほしい。

(最終チェック・修正日 2006年10月01日)

前にも書いたが、通勤で電車に乗っている時間は、正味10分程度なので、
ギプス固定をしているとはいえ、優先席に絶対座りたいわけではない。

ただ、混んできたときに、私のギプスにぶつかる人がいると困るので、
なるべく座っていた方が、お互いに嫌な思いをしなくて済むはずだ。

今朝もホームの表示を見て、優先席に隣接したドアから乗るように待った。
電車に乗り込むと、優先席は全て埋まっていた。

専門学校生だろうか、半透明のファイルボックスを持った、茶髪の兄ちゃんの前に立った。
一瞬目が合ったが、その兄ちゃんは下を向き、携帯電話とiPodの操作に集中した。
ダウンロードした曲の選曲などに何分もかかるのか、ずっと画面を見つめたままである。

優先席に座っているのだから、その兄ちゃんは何か病気か怪我をしているのだろう。


また、最新の携帯電話は、心臓ペースメーカーなどの誤作動を起こさないタイプになったのだろうか。
元々関心がないから、自分の携帯電話に着信があった場合のリスクなど、考えたこともないのだろう。

携帯電話を購入したその日に、自分の親のペースメーカーが停止した事故は、あまり知られていないのか。



帰宅時も優先席は埋まっていたが、次の駅で降りるおじさんが、途中で立ってドアに移動した。
片手が使えないときに席が空いても、バランスが悪いので、止まってからにしてほしかった。


そして乗り換えたわけだが、一人分空いていた優先席に向かっていたところ、
同時に乗ったおじさんが、すばやい動きで先に座って、夕刊紙を広げた。

意地悪な私は、バッグを網棚に上げるときにおじさんの新聞にぶつけ、顔をかすめるようにした。

一駅だから別にいいが、ホームで待っていた数分、隣に怪我人がいたのに、何も感じなかったのか。

優先席を確保したその動きは、病人でも怪我人でもないはずだ。


優先席に座っている人を、外見だけで病人や怪我人と判断することはできない。
健康そうに見えるからといって、「席を譲ってほしい」 と話しかけることもできない。

だから、「優先席を必要とする人が来るまで座っていてもいい」 というルールはだめだ。


ある郵便局職員が、「車椅子の人はほとんど来ないから、空いていたら駐車してもいい。
障害者が来たらそのときに避ければいい。」 と言っていた。

実際に障害者の人が来たので、連絡しに行こうとすると、
「いつものことだから、あきらめています。」 と断られてしまった。


弱者の特別扱いを気に入らない人が、優先席や障害者用の駐車スペースを
あえて占拠して抗議活動をしているのだろうか。

そこまで意図した抵抗運動をしているとも思えない。

これからも観察を続けよう。

大阪大学の調査により、ある論文の捏造・改ざんが明らかとなった。
http://www.asahi.com/science/news/OSK200609220087.html

[大阪大生命機能研究科(大阪府吹田市)の研究チームが米国の専門誌に投稿した論文を取り下げ、
共著者として名前が挙がっていた助手(42)が今月1日に自殺した問題で、同研究科の研究公正委員会は
22日、責任筆者の杉野明雄教授(62)が単独でデータの捏造(ねつぞう)、改ざんをした、などとする
調査結果を発表した。委員会の調査では、同じ専門誌に投稿した別の論文にもデータ改ざんがあった。
杉野教授は、一部のデータの捏造、改ざんについて認めているという。いずれも共著者に無断で
投稿しており、同大は、解雇を含めた厳しい懲戒処分の検討に入る。 ...]

ある研究テーマでは5年間で、8630万円ももらっている。
この研究費も返還することになるのだろうか。
http://www.jsps.go.jp/english/e-grants/gaiyo/bi14j.pdf

今まですばらしい仕事をしたとしても、痴漢や飲酒運転などで、人生を台無しにする人は多いが、
科学界のためにも、この嘘つき教授を永久追放することに、一般的には異論はないだろう。

研究での嘘を裁判で証明することは困難なので、大学内で処分ができたことは、時代の変化を感じる。

私が8年前に告発したのは、もっと小さな目立たない捏造・改ざんであったが、
以前の指導教授や共著者だけではなく、気づかなかったレフェリーも困るので、
内密に処理したいというのが、論文誌エディターと学界重鎮の共通意見だった。

今後、研究倫理局という類の名称の第三者機関が設置され、介入を待つよりは、
まだ大学での学問の自由を守りたい意志が働いたわけだ。


しかし、調査に協力的だった助手が自殺してしまったのは、非常に残念な結果だ。
化学者としては、よく使うアジ化ナトリウムが、ここでも毒物として有名になったことも残念だ。

証言者については匿名を原則として、その後の身分保障もしないと悲劇は繰り返すだろう。

教授に不利な証言をしたことで、研究者人生は終わったも同然だ。
こういった正義の告発者を、歓迎する研究機関があるわけがない。

42歳という年齢で、まだ助手であったことから、これで研究人生が終わったと思い込んだのか。
心理カウンセラーに相談する余裕すらなくなるほど、周囲が追い詰めたのかもしれない。


何度も書いたが、私は内部告発をしたために、アカデミック・ポストの推薦はなくなり、
32歳になってから、派遣社員として民間企業での勤務歴を、ゼロから始めることになった。

それに告発対象の教授は、私の退職願の偽造も計画していた。
しかし私が法的知識を持つことから、有印私文書偽造で訴えられると感じたようだ。
そこで実家の母に脅迫電話をして、退職願の代筆を強要しようとした。

脅迫・強要は未遂でも、刑法犯だが、本人は自分が法律だと思っているので気がつかない。
母は考える時間をもらって、拒否の意思を伝える電話をしたが、会議中なのか教授につながらなかった。
そこで大学事務にFAXを送った。
すると教授は、自分の行為が他人に知られたことに極度に慌て、そして激怒して暴言を吐いた。

自分の行為の正当性を主張するなら、別に誰に知られてもかまわないのに。
こういった小心者・マッチョ思想者は、自分がボスでいられる閉鎖的な小さな集団内でのみ威張り散らす。

これまで気に入らない学生の両親を大学に呼び出して、退学届を代筆させていたから、
「出るとこに出て困るのはそっちだ。合成化学の世界で生きていけると思うな。」 と脅迫し、
同様に退職願を簡単に入手できると考えたようだ。

父の他界直後で、私も母も更に精神的に疲弊したが、何とか乗り切って、今も元気で生きている。

確かに精神的には障害は残っており、この前のパワーハラスメントのときだけでなく、最近でも急に、
これまで経験した、プレッシャーをかけられたり、怒鳴られたりした様々な情景がPTSD? なのか
次々とフラッシュバックし、「奴を絶対に倒してやる!」 と独り言を大声で言って掻き消している。

私はその告発を決意する直前に、骨髄ドナーとなる経験をした。
自らの健康体を白血病治療のために提供したことで、人生観などが変わったのは事実だ。

アカデミック・ポストを得るために、不正や人権侵害を黙認することは、私にはできない。
私の正義感が、大学にとって都合の悪いものならば、そんなところにしがみつく必要はない。

私は精神的に特別に強いわけではないが、合わないものとの関係をスパッと切る性格が、
よく冷たい・ドライだと非難されるが、私自身を守ることになったのは不思議なことだ。

今回自殺した助手の家族が、なんとか立ち直って再出発できるように、
大学関係者は見舞金を集めるだけでなく、生活の保障方法も考えて欲しい。

そして今後は犠牲者が出ないように、告発者・情報提供者の保護を徹底してほしい。

(最終チェック・修正日 2006年09月30日)

リベラル派だった祖父を無視し、戦犯を免れた右派の祖父だけを語る安倍晋三が、自民党新総裁となった。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/post_koizumi/

ドイツの新聞・雑誌ではアジアのニュースとして、タイのクーデターが大きく取り上げられているが、
日本の次期首相を実質的に決めることになる、自民党総裁選挙についても報道されている。


今回取り上げるのは FOCUS 誌の記事である。
http://focus.msn.de/politik/ausland/Tokio_nid_35896.html (ドイツ語)

"Der rechte Hardliner Shinzo Abe wird kommende Woche den legend??ren Reformer
Junichiro Koizumi als japanischen Premier abl??sen. ..."

タイトルは 「Der "japanische Bush" kommt」 で、「日本版ブッシュ登場」 とでも訳そうか。

こぶしを突きあげた写真もそうだが、「右派強硬論者 安部晋三」 としていて、ある意図が明白だ。

これまでで一番若い首相になるだとか、一般的な紹介は、どこでも見られるものだ。

また、「ネオリベラリズムによる改革と同時に、愛国主義的外交政策を採る」 とも紹介されている。


その後、タイトルにある 「日本版ブッシュ」 の説明となる。

「ブッシュと同様に安倍は、古い政治家名門の出である。」 と始まり、
祖父の岸信介が半世紀前に首相を、首相候補だった父が外務大臣を務めたことを紹介している。

その後はしばらく、安倍の能力や政治的安定度、そして何をしようとしているのかを書いている。

小泉と比べて、経験不足の未熟者。」 とも書いていて、
これまでの大臣職が内閣官房長官の一つだけだとか、党内に派閥を持っていないと説明している。

安倍を支持する若手グループのことは、これは派閥ではないので、
それに勝ち馬に乗ろうとするだけの輩として、無視しているのかもしれない。

「この派閥勢力の欠如が、安倍の改革意欲にブレーキをかけ、そしてもしかするとすぐに、
安倍は失脚するかもしれないと、消息筋は悲観的に見ている。」 とまで書いている。

そして小泉政権で、戦後最長の景気拡大となったことが、安倍に対して高いハードルになる。
安倍政権誕生で景気が衰えるようになったり、党内の反改革派が力をつけるようになると書いている。

社会保険制度の改革や、消費税、そして小泉がぶち壊した中国と韓国との関係改善も重荷だ。

安倍の基本政策では、具体的行動や優先順位を示さず、すべてのグループに何らかの約束をしているそうだ。
経済界の期待としては、小泉改革を継承することだそうだ。


一番の危惧とは、安倍が日本を極右に導くというものだ。

憲法を改正することで、完全な軍隊により確固たる自衛戦力を作りたいだとか、
アメリカとの安保条約体制を強化すること、そして学校で愛国心教育をしたいことが書かれている。


ここで再び、「日本版ブッシュ」と名づけた理由が述べられる。

「外交政策ではブッシュ大統領と同様に、危機での強硬な愛国主義的態度によって人気を得た。」 とある。

「共産国家北朝鮮に対して経済制裁を発動し、それにより中国からの批判を意図的に誘発した。」 とも。

日本の評論家の一人は、安倍が日本を危険な道に導いてしまうかもしれないと警告している。

「安倍は国家について話すが、自由については話さない。」
「自由について語らずに、国家崇拝を力説することは、戦前の論理だ。」
 と。



タイトルの 「日本版ブッシュ」 に期待しすぎたのか、あまり目新しい報道はなかった。
まあ、ドイツ人にとっては、日本の政治を継続的に注目する人は少ないから、こんな程度なのか。

外国の報道では、ほとんどが 「愛国主義者」 や 「タカ派」 という形容をしている。

小泉も期待はずれだったが、安倍も本当は危ない政治家だ。
外見にだまされてはいけない。

安倍は憲法や教育基本法だけではなく、近代史、特に戦争に関する歴史教育を変えようとしている。

安倍が教育に不当介入すれば、従軍慰安婦や様々な残虐行為を知る機会もなくなり、
そして誰も報道しなくなり、図書館からはまともな本が消えることになるだろう。


それにしてもなぜ安倍は、母方の祖父である右派の岸信介だけを信奉し、
リベラル派として人々の信頼も厚かった、父方の祖父の安倍寛を無視するのか、その原因を知りたいものだ。

(最終チェック・修正日 2006年09月30日)

官庁の随意契約については、契約先や金額などが公開されている。

その中には、公用車の縮小・廃止に伴ってなのか、「タクシーサービス契約一式」 というのがあった。
同じタクシーを使うのに、「一般乗用旅客自動車供給業務一式」 と、堅苦しい表現もあった。

とにかくタクシーの配車を、年度単位で 「随意契約」 しているとのことだ。

首都圏の官庁や研究機関の随意契約先で頻出するのは、「東京都個人タクシー協同組合」 だ。
http://www.toukokyo.or.jp/index.html

ごくまれに、個人タクシーではない法人タクシー会社と契約していることもあるが、
随意契約の大半が、なぜか 「東京都個人タクシー協同組合」 に集中している。

「社団法人 東京都個人タクシー協会」 には、東京都内の23の個人タクシー団体が加盟しているが、
公務員のお気に入りで、随意契約を獲得しているのは、なぜか 「東京都個人タクシー協同組合」 だ。

随意契約先を選定する場合には、車両台数が十分にあり、営業地域が広く、
連絡体制が整備されていて、緊急時や深夜でもタクシーの手配が容易であることが求められる。


そういった条件で精査すると、「東京都個人タクシー協同組合」 がトップクラスだそうだ。
このことを公務員は、「技術的理由による競争の不存在」 と表現する。

ならば建設工事のジョイントベンチャーのように、法人タクシー会社が数社集まって申請すればいい。
そして保有台数を、東京都個人タクシー協同組合よりも多くすれば、随意契約先にしてもらえないだろうか。

不思議な理由としては、「都内近郊の道路情報を熟知し」 ていることが挙げられている。

法人タクシーでは、運転手になったばかりの新米がいて、公務員は嫌なのか?
今はカーナビもついてるから、法人タクシーのレベルが、我慢できないほど低いとは言えないだろう。


しかし、他の理由で公務員は、東京都個人タクシー協同組合が大好きなようだ。
それは、個人タクシーを利用すれば、経費削減をしているとアピールできるからだ。

初乗り料金が法人タクシーより10円安いこと、迎車料金が無料であること、加算料金もわずかに有利、
深夜早朝料金の割引があって、割り増し率は2割なので、何度も使えば法人タクシーとは大違いだ。
http://www.toukokyo.or.jp/general/toukokyo/pricedown.html


最近はテレビ番組などで、予算の無駄遣いや、公務員の厚遇を非難する声が大きくなっている。

「利用頻度の少ない公用車を廃止して、タクシーを利用しろ」 と言われたから、タクシー契約をし、
「もっと安いタクシーを探せ」 と言われたから、東京都個人タクシー協同組合に切り替えたわけだ。

次の記事も参考になる。
http://www.tramondo.net/old/top/040405.htm

個人タクシーは、経費を申告したり、青色申告などで節税できるので、割引しても儲かるから、
元々法人タクシーの経営とは、違う土俵で競争しているわけだ。

そして、政府組織ごとに年間で、数百万円から数千万円のオーダーで契約するのだから、ウハウハだ。

農林水産省では、ある特別会計から支出していて、昨年度実績は約880万円。
http://www.maff.go.jp/www/supply/zuiikeiyaku/kanbou/tokubetsu/02noukyousai/200604.pdf

内閣法制局では、年間見込み額を1200万円としている。
http://www.clb.go.jp/info/zuikei.htm

国土交通省では、羽田で800万円弱だが、他社は100万円台なのに比べて突出している。
http://www.mlit.go.jp/tokyo_cab/10_keiyaku/05_zui_pdf/h18_4.pdf (2・10ページ)

そして人事院では3500万円弱と、何度も数え直すほど 「桁違い」 だ。
http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/1804zuikei.pdf


民間需要の喚起ということでは、個人タクシーだけではなく、法人タクシーも平等に扱うべきだ。
法人タクシーでは料金が少し高くなるが、監視している人が、そこまでうるさく言うだろうか。

法人タクシーの運転手に仕事が回らず、ワーキング・プアと呼ばれようが、そんなことには無関心で、
自分たちが、いかに節約に努力していて、批判される理由がないことを示したいだけだ。



「深夜まで勤務した職員の帰宅のため」 とも理由を述べているが、そんなに仕事が山ほどあるのか?
それなら、書類整理などのアルバイト・派遣社員などをたくさん雇って、早く帰宅すればいいのに。

電車で帰宅しないのに、定期券代は支払われるわけで、タクシー代を払えば節約にはならない。
それに、残業代を節約するために仕事の効率を上げるのも、民間では常識だ。

自分の金ではない特別会計なので、たくさん使っても、何とも感じないわけだ。
それに、何千万円も使う予定にしてあるのだから、使いきるためにも、だらだら残業するのだろう。

食事や飲み会の後に職場に戻り、タクシーチケットをもらって帰宅する公務員もいるそうだから。

この 「東京都個人タクシー協同組合」 は、共済を巡る裁判も起きているのだが、
そういったことは調査せずに、随意契約をして、全体で億単位の金を払っているということか。

どこかの番組が決算も調べて、タクシー代だけで何億円使っているのか報道してほしいものだ。


追記:
仕事の移動でタクシーチケットを使ったとき、運転手に聞いたところ、
「夜になると○○前には個人タクシーが並んでいる。」 と言っていた。

それに、「役所でも○○のタクシーチケットは受け取らないように会社から言われている」 そうだ。

どこの業界にも、裏の部分があるものだ。

(最終チェック・修正日 2006年10月01日)

↑このページのトップヘ