2007年05月

自分や自分が所属する組織を批評・非難された場合、その人の反応というのは様々だ。

これは自己防衛・自己防御・自己正当化などと解説され、「心のガードマン」 という表現もある。

主に、攻撃型・落ち込み型・言い訳型・転嫁型・夢想型・馬耳東風型・あきらめ型がある。
実際にはこのように明確に分類できるものではなく、2種類の混合型もある。

国会での年金審議などを例にして、どの自己防衛の型が出てくるのか考えてみよう。

「落ち込み型」 がないのは確かだ。
野党から追及されても、「こんな問題が生じたのは私の責任なんだ」 と思い悩むことはないだろうし。

「夢想型」 もないはずだ。
「こんな年金制度があったら、誰も文句を言わなかったのになー」 なんて、空想する余裕はない。

「あきらめ型」 はありそうだ。
「もう記録を破棄したんだから、今さら探せだなんて無理だよな」 という意味の発言はあったようだ。

「馬耳東風型」 もありそうだ。
説明責任は誰にあるのかと問われているのに、別の話にすり替えての答弁もあった。
ただ、質問に答えないというのは気にしている証拠だから、完全無視とは違うかもしれない。


「攻撃型」 が一番顕著に現れるようだ。
自分が攻撃されたと感じて、相手に直接感情をぶつけてしまう 「八つ当たり」 という反応だ。
安倍首相も、「私のどこがまちがっているのか」 と言っていた。

「転嫁型」 もよく見られるものだ。
「年金データの統合を決めたときの厚生大臣は一体誰だったのか」 と、他人の非を取り上げている。

「言い訳型」 は、自分に都合がよいように、つじつま合わせをすることだ。
「これは社保庁の問題であって、これまで発覚しなかったから自民党にもわからなかった」 など。



自分にとって都合の悪いことがあると、罪悪感を軽減・消去するために、このような反応をしてしまう。


今週行われているIWC(国際捕鯨委員会)での各国代表の態度も、この分類で分析してはどうだろう。


更にブログ記事の書き方やコメントの内容も、投稿した本人が自分の傾向を分析してはどうだろうか。
すると自分は、攻撃型なのか言い訳型なのか、それとも複合型なのかがわかり、反省材料になるだろう。

松岡農相の自殺については、ドイツのメディアでも報道された。
私が購読している S??ddeutsche Zeitung でも、5月29日の第1面に掲載された。

トラックバックした記事は、ロイター配信のものだが、今回は署名記事(Henrik Bork)である。

一部の仮訳を示しておき、後で訳文の見直しをする予定である。


犬用リードでの死 ある大臣の自殺が日本政府を震撼させている

死の直前に大臣は、秘書との打ち合わせがまだあった。
その後、日本の農相、松岡利勝は、東京の中心部にある議員宿舎から二度と出てくることはなかった。
秘書が最後に確かめに来たときには、松岡は意識不明であった。
メディア報道によると松岡は、犬用リードを用いて首をつった。
蘇生の試みがすべて失敗した後、松岡は数時間後、昨日月曜日に死亡した。
62歳であった。

松岡利勝は月曜日に、政治資金スキャンダルの問題のために国会委員会で証言することになっていた。
松岡は、実際には賃借料無料の事務所に対する諸経費を計上していたと言われている。
それに加えて、ある汚職スキャンダルに巻き込まれていた。
その点では例えば、政府発注に応募していた企業が、少なくとも1億3千万円の不正な党献金をしていた。

このスキャンダルと松岡の悲劇的最期は、日本の首相、安倍晋三にとって最新の敗北である。
世論調査での安倍首相の支持率は、いつのまにか67%から35%に落ち込んだ。

… 松岡の件は今や首相を更に苦境に立たせた。
… 安倍の自由民主党が7月に参議院での過半数を失う可能性が、現時点ではありそうに思われる。
… 最終的に参議院選挙は、9月に政権を引き継いで以降、安倍の最初の重要な投票箱でのテストになる。

安倍晋三の運勢は結局は、様々な理由から連続して落ち込んでいた。… 

(これ以降は検討中)]


この後の仮訳記載を検討中としたのは、記事の後半は松岡大臣のことは出てこないからだ。

自殺前にもいろいろと安倍政権には問題があったことを列挙している。

柳沢厚労相の「女性は子どもを産む機械発言」や、従軍慰安婦に関する発言の他、
小泉により改革抵抗勢力とされた者の復党を許したことも書いてある。


追記:
5月30日には共同通信の配信記事として、緑資源機構の元理事の自殺も報じている。
http://www.sueddeutsche.de/ausland/artikel/146/116030/

(最終チェック・修正日 2007年05月30日)

帰宅後に S??ddeutsche Zeitung のサイトを見て、松岡大臣の自殺を知った。
http://www.sueddeutsche.de/,ra1m3/ausland/artikel/45/115929/

この記事はロイターの配信をドイツ語翻訳したものである。
基本的には他のメディアでの報道と同じものであろう。

全訳はしないが、日本での報道と一致しているかどうか、一応確認してみた。


厳しい汚職非難 日本の農相が自殺

救助は遅すぎた。松岡利勝が自宅で意識不明であると警察官が発見した。
62歳の農相は犬のリードで首をつって死亡した。
松岡は汚職を非難されており、数時間後には国会委員会で証言すべきであった。

政治資金スキャンダルにより重圧にさらされている日本の松岡利勝農相は、テレビ報道によると、
自殺を図った後に死亡した。放送局によると、松岡は首をつったとのことだ。

… いろいろある中で特に、事務所は実際には賃借料無料であったにもかかわらず、
自身の事務所について多額の支出を記載していたという。松岡はどの逸脱行為も否認していた。

… これまで松岡は、国会の調査委員会での証言を常に拒否してきた。

… 松岡に対する辞任要求は既に公然のものとなっていた。

2ヶ月以内に日本では参議院選挙が予定され、安倍晋三首相の重要な人気調査としての重みがある。

… 渦中の団体からの約6600ユーロの献金を申告していなかったことを、
松岡は就任後3日で既に公式に謝罪している。

… 政権の多数のスキャンダルにより安倍晋三首相の人気はなくなり、
… 支持率は4月に比べて10ポイント以上も低下した。

その前に、何百万の日本人の年金支払い記録を政府が明らかに紛失したことが知られることになった。]


配信記事ではなく、独自の取材記事が出たら、また読んでみよう。

(最終チェック・修正日 2007年05月29日)

5月28日からアンカレッジで、第59回国際捕鯨委員会(IWC)の年次会合が行われる。

既に科学委員会は終了しており、地球温暖化がクジラ類に及ぼす影響なども報告されている。

例えば南極の棚氷が崩壊後、日光が海中に届き、生物相が変化し始めているので注目されている。


IWCに関する報道の大半は、調査捕鯨の拡大と商業捕鯨の再開を目指す日本陣営と、
環境保護団体と共同で反捕鯨キャンペーンを展開する英米陣営との対立を扱っている。

議題には、通常の漁業でのイルカの混獲問題やホエールウォッチングなども含まれているが、
二極対立する捕鯨・反捕鯨という議題の方が報道しやすいのかも。


また、毎年会合の直前に新規加盟国が登録され、票集めのための駆け込み加盟とも言われている。

今年は5月になってからも、エクアドル、ギリシャおよびラオスが加盟した。
http://www.iwcoffice.org/commission/members.htm

ラオスの首相が日本を訪問したとき、安倍首相との会談でIWC加盟の意向を発表している。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/laos/visit/0705_sk.html

ラオスがIWC会合で日本陣営として行動すれば、見返りとして経済協力事業が始まるのだろう。
これでまた、「日本が金で票を買っている」 というキャンペーンが続くことになる。


これで新規加盟は終わりかと思っていたら、24日にコロンビアが加盟することになった。
(追記:これはWWFコロンビアの発表なので、単に加盟の意向を発表しただけかもしれない。
IWCの加盟国リストには、6月1日時点でも追加されていない。)


反捕鯨同盟国の英米の、捕鯨反対国獲得作戦が功を奏したわけだ。

捕鯨反対派としてのIWC加盟を呼びかける、イギリス環境省のニュースリリースは次のとおり。
http://www.defra.gov.uk/news/2007/070131d.htm

"Protecting Whales - A global responsibility" というパンフレットは次のとおり(1.25 MB)。
http://www.defra.gov.uk/fish/cetaceans/pdf/whale-factsheet.pdf

ブラッドショー環境大臣がイニシアチブをとり、ブレア首相とアッテンボロー卿が序文を書いている。

有名人を利用してキャンペーンをやれば同調する者は増え、それに反対する意見は言いにくくなる。


WWFのニュースリリースでは、コロンビアは捕鯨反対の立場を示すと期待されているという。
http://www.panda.org/about_wwf/what_we_do/species/our_solutions/policy/iwc/commission_meetings/iwc_2007_anchorage/index.cfm?uNewsID=103500

コロンビアの太平洋岸近くでは、毎年6月から11月にかけて、ザトウクジラが子育てをしている。
そこで他の国と協調して、ホエールウォッチング観光に取り組んでいるそうだ。

来年のIWC年次会合はチリで行われるが、その紹介ビデオにもホエールウォッチングが出てくる。


クジラ資源の活用に観光産業も入ることにすれば、捕鯨反対派が増えることも拒否はできない。

もし捕鯨をするとしても、ホエールウォッチング観光ができないように邪魔することはないし、
自国や賛同国の経済水域内で捕鯨をするという、「棲み分け」も可能なはずだ。


議論をするのであれば、何か結論が得られるように議論をしてほしいものだ。


ノルウェーはIWCに参加せずに商業捕鯨を行っているが、捕鯨だけで生計を立てることはできない。
去年は特に悪天候が続き、市場に出すほどのクジラは獲れなかった。


アイスランドは絶滅危惧種の捕鯨を行ったと非難され、孤立することを恐れている。
アイスランドへの抗議を呼びかけた、オーストラリア政府の文書は次のとおり。
http://www.environment.gov.au/minister/env/2006/mr01nov06.html


日本はどうするのだろうか。
日本製品ボイコットや大使館襲撃が起きても、商業捕鯨再開を目指す覚悟はあるのだろうか。
南氷洋から撤退し、沿岸・近海捕鯨だけという妥協はできるだろうか。

(最終チェック・修正日 2007年06月01日)

本日、5月25日付けで北陸電力は、「再発防止対策検証委員会」 を設置した。
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/07052501.pdf

社外有識者により、「中立的な立場」 から再発防止対策を検証・評価するという。

この中立的な立場というのは、北陸電力の取引先ではないという程度の意味で、
決して原子力政策に対して中立というわけではない。


では、委員会のメンバーに対して、コメントを付けておこう。

今後の報道などで、このメンバーがどういった立場なのか判明するだろう。
その時点で、私の疑問や予測が当たっていたかどうか調べてみたい。


まず委員長は、児嶋眞平 [京都大学 名誉教授] で、この3月末まで福井大学長であった。

隣の県で、地元を知る研究者代表とも思えるが、原子力委員会委員でもあったので推進派だろう。

それに 「もんじゅ」 に関する次の発言から、推進派であることは疑いない。

[座長:児嶋眞平(福井大学長):

これまで、「もんじゅ」安全性調査検討専門委員会において、
「もんじゅ」は工学的に多重な安全性を確保していることを確認した。

今日は先ほどの先生方のお話に基づいて、エネルギーの問題、研究開発拠点化、
エネルギー教育などについて、議論したい。

「もんじゅ」は福井県の財産と考えている。]


「原子力ルネッサンス時代を迎えて」 という講演会もやっているから、バリバリの推進派だ。
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/economy/CK2007052002017626.html (リンク切れ)

[原子力がなければエネルギーも、地球環境も持たない。

ウランも今世紀中になくなるがプルトニウムを取り出せば約四千五百年は持つ。
プルトニウムを使う時代が来たのだ。

北電、東電で臨界事故はあったが、環境に影響はなかった。
原子炉そのものは安全、安心だというのが世界的風潮だ。




副委員長は石田寛人 [金沢学院大学 学長] で、東京大学工学部卒(原子力工学)であり、
そして科学技術庁原子力局長の経験があるから、原子力政策推進派であるはずだ。


次に委員の筆頭は、私が嫌いな大橋弘忠 [東京大学 教授 システム量子工学専攻]。

大橋教授はプルサーマル推進派で、反対派・慎重派を感情論ばかりで非論理的とバカにしている。

「臨界事故調査対策委員会」 の委員でもあったから、その後を自分で監視したいのか、
それとも児島委員長と一緒に、プルトニウム利用推進の立場で名を売りたいのか。


一般市民代表枠なのか、沖野美智子 [石川県婦人団体協議会 会長] という人が入っている。

いろいろな審議会やシンポジウムに呼ばれているから、こういった委員会の常連なのかも。

過去には、北陸電力志賀原発1号機の 「自主点検調査顧問会」 のメンバーだったので、
北陸電力としては気心が知れていて扱いやすいということか。


梶冨次郎 [カジナイロン株式会社 社長(金沢商工会議所 副会頭)] と
澁谷亮治 [澁谷工業株式会社 会長(金沢経済同友会 理事・相談役)] は経済界代表か。

本人は取引関係になくても、加盟企業は北陸電力の仕事をしている関係者かもしれない。


また澁谷委員は 「自主点検調査顧問会」 のメンバーだったので、
北陸電力としてもやりやすい相手ではないだろうか。


中島史雄 [高岡法科大学 教授、弁護士] は、大橋委員と同様に
「臨界事故調査対策委員会」 の委員でもあったから、責任があるということか。


最後に地元の当事者として、細川義雄 [志賀町長] が加えられている。

ただこの細川町長は、志賀町発注の公共工事をめぐる談合事件に絡み、県警の事情聴取を受け、
その直後に自殺未遂を図って入院していたというではないか。

そして入院中に辞意を表明したと報道されたが、その後否定しているし。

自分の保身で精一杯の人を委員にして大丈夫なのだろうか。


これまでと違って、委員会審議が全部公開されることを期待したい。


追記:
6月9日の第1回会合の概要が公開された。
http://www.rikuden.co.jp/saihatsuboshi/index.html

ただし今後のマスコミ公開は未定だという。
話を聞かれては困ることでもあるのだろうか。

(最終チェック・修正日 2007年07月08日)

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