ドイツの民間研究機関が、原子力発電が地球温暖化防止に貢献しない、という研究結果を発表した。
http://www.fr-online.de/in_und_ausland/wirtschaft/aktuell/?em_cnt=1324132&
http://www.sueddeutsche.de/wissen/artikel/625/171124/
原発推進派の言うように、「発電自体の二酸化炭素排出量はゼロ」 なのだが、
発電所建設や燃料運搬、施設の運用時を含めた排出量は、発電kW時当たり32gと計算された。
この値は実は、太陽電池の3分の1で、しかも水力発電の40gよりも少なく、原発推進派に有利だ。
より排出量が少ないエネルギー源は、風力の24gと、バイオガス利用地域暖房の-409g。
バイオガスでは、温室効果の大きなメタンガスを二酸化炭素に換算しているので、値はマイナスとなる。
ドイツは都市部近郊でも酪農が盛んだし、生ゴミ回収もあるので、バイオガス原料は入手しやすい。
このバイオガスを使って小規模発電を行い、廃熱を暖房や給湯に使えば、原子力発電など不要だという。
他の先進国のマネをするのが好きな日本だが、なぜか環境対策については無視するようだ。
日本の省エネ技術は世界最高だと言う割には、原子力発電に代わるエネルギー源を開発しようとしない。
前置きが長くなったが、日本の原子力政策について知るには、内閣府原子力委員会のHPを見るとよい。
http://www.aec.go.jp/
今回は、4月22日に行われた第21回原子力委員会定例会議の資料を読んだ。
それは、「原子力平和利用推進と核不拡散強化のための提言」 である。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo21/tei-si21.htm
核不拡散問題検討会の提言の副題は、「地球温暖化とエネルギー安全保障の同時解決に向けて」 だ。
この文書でも最初の方で、原子力発電が地球温暖化防止に役立つと宣伝している。
[原子力発電は、発電の際にまったく二酸化炭素を排出しないことから、
地球温暖化を防止する極めて有効な手段である。]
地球温暖化防止という観点は最近言い始めたことで、日本の原子力政策は別の思惑があって開始された。
温室効果ガス削減が目的ならば、原子力以外のエネルギー源も総合的に検討すべきだ。
今回はこの点よりも、解体核兵器由来のウランとプルトニウムの利用について気になった。
提言の3番目は、「核軍縮の促進と解体核の有効利用」 である。
被爆国である日本は、核兵器廃絶や核テロリズムの防止を、世界に求めていくのが当然の行動であろう。
ただし、核兵器の解体で得られた核物質を、原子力発電に利用する点で心配である。
[核兵器の削減によって得られる核物質は、原子力発電の燃料として再利用することができる。
旧ソ連の解体核兵器から得られた高濃縮ウランは、希釈されて軽水炉用のウラン燃料として利用されている。
同様なことは、プルトニウムについても可能であって、解体核兵器のプルトニウムのMOX燃料としての
利用の加速を、わが国が率先してG8の機会などを通じて提唱すべきである。]
核兵器がなくなることはうれしいが、原子力発電によってプルトニウムが増えることは気になる。
最終処分をどうするのか、何万年も管理できるのか、何も解決していないのに、利用だけは推進される。
「もんじゅ」 の再開申請や、フルMOX燃料の大間原発の建設決定などとリンクした動きなのに、
報道は、北朝鮮やシリア、イランばかりで、この核不拡散問題検討会の提言は取り上げていないようだ。
プルトニウム利用を率先して提唱するということは、洞爺湖サミットでも議題にするのだろうか。
地震国日本に、世界の核燃料が集中することは危険だと思うし、誰も日本政府を信用していないと思う。
もしかすると私の老後は、日本に住めなくなる可能性もあるので、海外移住の道も考えておこう。
http://www.fr-online.de/in_und_ausland/wirtschaft/aktuell/?em_cnt=1324132&
http://www.sueddeutsche.de/wissen/artikel/625/171124/
原発推進派の言うように、「発電自体の二酸化炭素排出量はゼロ」 なのだが、
発電所建設や燃料運搬、施設の運用時を含めた排出量は、発電kW時当たり32gと計算された。
この値は実は、太陽電池の3分の1で、しかも水力発電の40gよりも少なく、原発推進派に有利だ。
より排出量が少ないエネルギー源は、風力の24gと、バイオガス利用地域暖房の-409g。
バイオガスでは、温室効果の大きなメタンガスを二酸化炭素に換算しているので、値はマイナスとなる。
ドイツは都市部近郊でも酪農が盛んだし、生ゴミ回収もあるので、バイオガス原料は入手しやすい。
このバイオガスを使って小規模発電を行い、廃熱を暖房や給湯に使えば、原子力発電など不要だという。
他の先進国のマネをするのが好きな日本だが、なぜか環境対策については無視するようだ。
日本の省エネ技術は世界最高だと言う割には、原子力発電に代わるエネルギー源を開発しようとしない。
前置きが長くなったが、日本の原子力政策について知るには、内閣府原子力委員会のHPを見るとよい。
http://www.aec.go.jp/
今回は、4月22日に行われた第21回原子力委員会定例会議の資料を読んだ。
それは、「原子力平和利用推進と核不拡散強化のための提言」 である。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo21/tei-si21.htm
核不拡散問題検討会の提言の副題は、「地球温暖化とエネルギー安全保障の同時解決に向けて」 だ。
この文書でも最初の方で、原子力発電が地球温暖化防止に役立つと宣伝している。
[原子力発電は、発電の際にまったく二酸化炭素を排出しないことから、
地球温暖化を防止する極めて有効な手段である。]
地球温暖化防止という観点は最近言い始めたことで、日本の原子力政策は別の思惑があって開始された。
温室効果ガス削減が目的ならば、原子力以外のエネルギー源も総合的に検討すべきだ。
今回はこの点よりも、解体核兵器由来のウランとプルトニウムの利用について気になった。
提言の3番目は、「核軍縮の促進と解体核の有効利用」 である。
被爆国である日本は、核兵器廃絶や核テロリズムの防止を、世界に求めていくのが当然の行動であろう。
ただし、核兵器の解体で得られた核物質を、原子力発電に利用する点で心配である。
[核兵器の削減によって得られる核物質は、原子力発電の燃料として再利用することができる。
旧ソ連の解体核兵器から得られた高濃縮ウランは、希釈されて軽水炉用のウラン燃料として利用されている。
同様なことは、プルトニウムについても可能であって、解体核兵器のプルトニウムのMOX燃料としての
利用の加速を、わが国が率先してG8の機会などを通じて提唱すべきである。]
核兵器がなくなることはうれしいが、原子力発電によってプルトニウムが増えることは気になる。
最終処分をどうするのか、何万年も管理できるのか、何も解決していないのに、利用だけは推進される。
「もんじゅ」 の再開申請や、フルMOX燃料の大間原発の建設決定などとリンクした動きなのに、
報道は、北朝鮮やシリア、イランばかりで、この核不拡散問題検討会の提言は取り上げていないようだ。
プルトニウム利用を率先して提唱するということは、洞爺湖サミットでも議題にするのだろうか。
地震国日本に、世界の核燃料が集中することは危険だと思うし、誰も日本政府を信用していないと思う。
もしかすると私の老後は、日本に住めなくなる可能性もあるので、海外移住の道も考えておこう。