原子力資料情報室の記事で、「地球環境保険制度」について取り上げられていた。
【アメリカでの原発建設に日本から金融支援? ごまかしの「地球環境保険」に異議あり】
http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=696
日本の開発途上国援助であるODAでは、省エネ技術の供与など、温室効果ガス削減を目的とした、
「クールアース・パートナーシップ」という国際環境協力をすることになった。
今年1月26日に福田首相がダボス会議で提案したことを、有言実行というわけだ。
また、洞爺湖サミットでも、日本の省エネルギー・新エネルギー技術を海外移転するとも言っていたし。
外務省の 「クールアース・パートナーシップ」 の紹介は次のとおり。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/environment/cool_earth_j.html
その中に、「民間プロジェクト支援等」 という項目に、「貿易保険」 が取り上げられている。
【(独)日本貿易保険(NEXI)に地球環境保険制度を創設し、我が国企業の関与する気候変動緩和対策に
資する案件(省エネ・新エネ等)への輸出、投資、貸付に適用。】
ここに出てくる、独立行政法人日本貿易保険のHPは次のとおり。
http://www.nexi.go.jp/
そして、この地球環境保険制度の創設についての発表は次のとおり。
http://www.meti.go.jp/press/20080729001/20080729001.html
最初の添付資料では、【我が国とともに地球温暖化対策に真剣に取り組んでいく開発途上国を
支援していくこととしました】 とあるが、二つ目を見ると、内容の説明が少々異なる。
【開発途上国に限定せず全世界を対象に10年間で2兆円の保険引受枠を設定することにより、
制度の利用を促進する。】
原子力資料情報室では、この 「開発途上国に限定せず」 という食い違いを批判しているわけだ。
そして保険制度の適用対象を見ると、「原子力発電関連」 もあるから、
アメリカに原発プラントを輸出する場合でも、この保険制度を利用できることになる。
途上国に輸出して、わざわざ高いリスクを負うよりも、アメリカに輸出する方が楽なはずだ。
このように原子力ムラでは、身内のビジネスが円滑に進むように、恣意的に制度を作っている。
環境対策・温暖化対策ならば反対しにくいだろうと考えて、自分たちの利益のために悪用しているのだ。
今回の保険制度とは関係ないが、高レベル放射性廃棄物の地層処分の候補地募集でも、
二酸化炭素の地層処分にも転用できると言って、原子力研究は温暖化対策に貢献すると宣伝している。
研究者も、自分の研究に資金が集まるように、我田引水・自画自賛に余念がないようだ。
追記:
今年10月に発足する日本政策金融公庫は、国際協力銀行の国際金融部門を引き継ぐ。
http://www.kouko.org/
行政改革の方針から政府系金融機関が統合され、先進国向け投資金融は原則廃止されるが、
アメリカ政府の要請に応えて、原子力発電関係は特別扱いをすることが、政令で決定された。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo38/siryo1.pdf
【今年10月に発足する日本政策金融公庫では、先進国向けの金融は原則行わないこととなっているが、
国際競争力向上のため必要な場合は、政令を制定することにより、先進国向け投資金融は可能。
8月26日、政令が閣議決定され、原子力発電に関する事業については、先進国向け投資金融が可能となった。】
このように原子力ムラでは、自分たちに都合のよい制度を、着々と準備している。
(最終チェック・修正日 2008年09月04日)
【アメリカでの原発建設に日本から金融支援? ごまかしの「地球環境保険」に異議あり】
http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=696
日本の開発途上国援助であるODAでは、省エネ技術の供与など、温室効果ガス削減を目的とした、
「クールアース・パートナーシップ」という国際環境協力をすることになった。
今年1月26日に福田首相がダボス会議で提案したことを、有言実行というわけだ。
また、洞爺湖サミットでも、日本の省エネルギー・新エネルギー技術を海外移転するとも言っていたし。
外務省の 「クールアース・パートナーシップ」 の紹介は次のとおり。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/environment/cool_earth_j.html
その中に、「民間プロジェクト支援等」 という項目に、「貿易保険」 が取り上げられている。
【(独)日本貿易保険(NEXI)に地球環境保険制度を創設し、我が国企業の関与する気候変動緩和対策に
資する案件(省エネ・新エネ等)への輸出、投資、貸付に適用。】
ここに出てくる、独立行政法人日本貿易保険のHPは次のとおり。
http://www.nexi.go.jp/
そして、この地球環境保険制度の創設についての発表は次のとおり。
http://www.meti.go.jp/press/20080729001/20080729001.html
最初の添付資料では、【我が国とともに地球温暖化対策に真剣に取り組んでいく開発途上国を
支援していくこととしました】 とあるが、二つ目を見ると、内容の説明が少々異なる。
【開発途上国に限定せず全世界を対象に10年間で2兆円の保険引受枠を設定することにより、
制度の利用を促進する。】
原子力資料情報室では、この 「開発途上国に限定せず」 という食い違いを批判しているわけだ。
そして保険制度の適用対象を見ると、「原子力発電関連」 もあるから、
アメリカに原発プラントを輸出する場合でも、この保険制度を利用できることになる。
途上国に輸出して、わざわざ高いリスクを負うよりも、アメリカに輸出する方が楽なはずだ。
このように原子力ムラでは、身内のビジネスが円滑に進むように、恣意的に制度を作っている。
環境対策・温暖化対策ならば反対しにくいだろうと考えて、自分たちの利益のために悪用しているのだ。
今回の保険制度とは関係ないが、高レベル放射性廃棄物の地層処分の候補地募集でも、
二酸化炭素の地層処分にも転用できると言って、原子力研究は温暖化対策に貢献すると宣伝している。
研究者も、自分の研究に資金が集まるように、我田引水・自画自賛に余念がないようだ。
追記:
今年10月に発足する日本政策金融公庫は、国際協力銀行の国際金融部門を引き継ぐ。
http://www.kouko.org/
行政改革の方針から政府系金融機関が統合され、先進国向け投資金融は原則廃止されるが、
アメリカ政府の要請に応えて、原子力発電関係は特別扱いをすることが、政令で決定された。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2008/siryo38/siryo1.pdf
【今年10月に発足する日本政策金融公庫では、先進国向けの金融は原則行わないこととなっているが、
国際競争力向上のため必要な場合は、政令を制定することにより、先進国向け投資金融は可能。
8月26日、政令が閣議決定され、原子力発電に関する事業については、先進国向け投資金融が可能となった。】
このように原子力ムラでは、自分たちに都合のよい制度を、着々と準備している。
(最終チェック・修正日 2008年09月04日)