2009年01月

2年半ほど前、派遣社員だったときに、通勤途上で自転車同士の事故で、左手首を粉砕骨折した。

最初の診察で、骨折個所の見落としもあったが、ギプス固定のみで2か月ほどで完治した。
通常は手術が必要な骨折だったそうだが、運が良かったのか、後遺症もなく過ごしている。

労災の扱いは、通勤災害は派遣会社の担当である。
派遣会社が契約する社会保険労務士からの指示で、労基署と病院に労災申請の書類を提出した。
その後は何も連絡がないので、自己負担をすることなく、労災保険が適用されたと解釈していた。

ところが先週になって、ある薬局から勤務先に電話があり、労災の書類を提出してほしいという。
骨折の治療時に痛み止めをもらったのだが、労災の申請がないので、労基署に請求できないというのだ。

現勤務先の総務は無関係なので、以前登録していた派遣会社に引き継いでもらった。

このブログが日記代わりなので、骨折したときの記事を見直すと、
第三者行為災害届を労基署に出し、そして病院にのみ労災申請の書類を出していた。

今は医薬分業なので、病院と薬局それぞれに書類を提出する必要がある。

加えて、もし同じ医療法人が、救急病院と一般外来を別々の病院名にしていた場合は、
つまり、救急が 「○○病院」 で、外来が 「○○クリニック」 ならば、それぞれ書類を提出する。


「くすりの手帳」 を見ると、その薬局から痛み止めをもらっていることがわかった。
私は覚えていないが、書類を請求されたということは、薬局には提出していないのだろう。

そこで派遣会社に連絡して、提出書類を送ってもらった。
私が印鑑を押して、勤務後にその薬局に行って手渡した。
後は薬局が、労基署に薬代を請求して終わりとなる。

それにしても、2年以上も放置しておくとは、不思議なものだ。

アイスランドは「持続可能な捕鯨」という理念を掲げて、2006年に商業捕鯨を再開した。
そして昨年は、日本にナガスクジラ肉を輸出したことでも話題となった。

今年の捕獲数について議論が続いていたが、捕鯨業者の要求を満足する数字になったようだ。

AFPの和訳記事では、今後5年間、毎年ナガスクジラ150頭、ミンククジラ150頭の捕獲枠だという。
昨年は、ナガスクジラ9頭、ミンククジラ40頭だったので、何かの間違いかと思った。

それでAFPの英語記事を確認したが、この捕獲数で合っている。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5j9qtVenEAk1WlFdYP7Glbv76oKTA

ただし、記事の最初の部分は、英語では 【up to 150 minke whales】 とあるにもかかわらず、
和訳ではミンククジラの頭数について、「最大150頭」 とせずに、単に 「150頭」 としている。

加えて次の個所は、英文の解釈が違うのではないかと感じている。

【辞任するエイナル・グズフィンソン農業・漁業相は、今後5年間にわたって年間捕獲枠を、
海洋資源調査研究所の推奨するナガスクジラ150頭とミンククジラ100-150頭に定めると述べ、…】

【But outgoing Fisheries Minister Einar Gudfinnsson said the government would follow the
recommendations of the Marine Research Institute, which suggested a quota of 150 fin whales
and 100 to 150 minke whales a year over the next five years.】

英語記事では、「アイスランド政府は研究所の推奨する割当頭数に従うだろう」 であって、
「研究所の推奨する…に定める」 とまでは言っていないと思われる。

アイスランド農業・漁業省のニュースリリースは次の通りで、具体的な頭数は書いていない。
http://eng.sjavarutvegsraduneyti.is/news-and-articles/nr/9554

【According to the regulation the total allowable takes of fin and minke whales for the next
five years will be according to scientific recommendations of the Marine Research Institute.】

最終的には、研究所の勧告頭数に決めるのだろうが、英語記事にない表現に変えるのはよくない。
AFPが契約している翻訳者は、私と違う英文解釈をするようだ(どちらが正しいのかは保留)。


他の報道を見ていると、ナガスクジラ150頭は共通しているが、
ミンククジラについては、勧告頭数下限の100頭としているものも多い。

例えばBBCの記事は次の通り。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7854705.stm

【The quotas would allow catching of 100 minke whales and 150 fin whales annually
for the next five years. 】


ナガスクジラ150頭は多すぎるように思えるが、昨年の日本への輸出が実績となり、増やしたのかも。
アイスランドの新聞では、捕鯨業者へのインタビュー記事があり、日本への輸出に期待しているようだ。
http://www.mbl.is/mm/frettir/innlent/2009/01/27/hefur_ekki_ahyggjur_af_solu_afurda/

ただし、環境保護団体WDCSは、ナガスクジラ150頭分の需要が日本にあるのか、疑問を持っている。
http://www.wdcs.org/news.php?select=311

【Icelandic whaling and fishing mogul Kristjan Loftsson exported 65 tons of fin whale meat to
Japan last spring. He collaborated with Kyodo Senpaku, the company behind Japan’s so-called
scientific whaling programme in Antartica that supplies thousands of tonnes of whale meat to
Japan’s domestic market. In early December, Loftsson said that he had two whaling boats
ready to sail ‘as soon as quotas are issued’. However, it is not clear that there is a
sizeable market in Japan. 】

ところで、「共同船舶と協力した」 とあるが、昨年のナガスクジラ肉輸入のときの、
「日本の友人に頼まれた」 とは、共同船舶のことだったのだろうか。

もしかするとシーシェパードの妨害で減った分を、アイスランドから輸入したいのかもしれない。


今後の報道調査のためにも、アイスランド語の知識が必要になってきた。
他の言語の勉強は保留にして、捕鯨記事を読むためにアイスランド語に集中しようかと思う。

追記(2月1日):
Iceland Review の英語記事は次の通り。
http://www.icelandreview.com/icelandreview/daily_news/?cat_id=16567&ew_0_a_id=319070

(最終チェック・修正日 2009年02月01日)

最近の株安と円高で、投資信託の基準価額も急落している。
ブームに乗ったBRICsやコモディティファンドは、散々な運用成績である。
ただし、債券型投資信託の下落率は小さい方で、分配金が継続して出ているものも多い。

確定拠出年金の評価額も低下し、現時点で26%の損失であるが、
投資割合が多い債券型の 「モナリザ」 では、1月26日に分配金が出た。
http://www2.goldmansachs.com/japan/gsitm/funds/mona139812/index.html

1万口当たり60円で、前期の10円から6倍に増加した。
この急増は驚きだが、理由についてはレポートが出てから確認したい。


確定拠出年金の利点は、この分配金は税金が引かれないため、全額再投資にまわることだ。

モナリザの残高は 110,113口だったので、分配金は 661円となった。
再投資の1月26日の基準価額は 8,684円で、再投資口数は 760口であった。

実際には小数点以下数桁まで計算しており、再投資後の残高は 110,874口でプラス1口となっている。

再投資を含まない買い付け金額は 100,864円なので、今回の 661円は 0.655%である。
これは半年での金額なので、年利換算では1%を超える。
つまりネット銀行の定期預金よりも有利ということか。

10万円以上の損失に対して数百円の分配金は、すずめの涙ではあるが、地道な投資の方針で続けよう。

auf|heben*○○hob auf/aufgehoben
他 (h)
2 b) (進行・継続・通用中のものを)終結させる,廃止する,廃棄<破棄,撤廃>する

Wie der Vatikan am Samstag mitteilte, hob der Papst mit einem Dekret die Exkommunizierung
von vier katholischen Bisch??fen aus dem Jahr 1988 auf, die ohne Zustimmung des Vatikans
geweiht worden waren.
「バチカンが土曜日に伝えたように、法王は教令により、1988年のカトリック司教4名の破門措置を破棄し、
司教らはバチカンの承認なしに叙階されていた。」
("Papst rehabilitiert Holocaust-Leugner: Ein abscheulicher L??gner", S??ddeutsche Zeitung, 24.01.2009.
http://www.sueddeutsche.de/,tt4m1/politik/282/455954/text/

weihen 他 (h) 1 b) ((jn. zum et.3)) (…を聖職位に)任命する;[カトリック] 叙階する

この週末は日本では、オバマ大統領の話題でもちきりだが、
ヨーロッパでは24日土曜日の、バチカン発のニュースで大騒ぎになっている。

ローマ法王ベネディクト16世が、ホロコースト否定論者を1名含む破門された元司教4名を、
ユダヤ人団体の反対にもかかわらず、しかもバチカンの承認なしに、破門制裁の解除を決定したからだ。

私はこのニュースの見出しを見たとき、何かの間違いではないかと思った。

英語の報道として、ロイター、BBC、そしてイスラエルのメディアの記事は次のとおり。
http://uk.reuters.com/article/UKNews1/idUKTRE50N19920090124
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7849226.stm
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1232643736866&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull

ベネディクト16世はドイツ人だから、ドイツでの報道も引用しておこう。
http://www.sueddeutsche.de/,tt4m1/politik/282/455954/text/

(追記:CNN日本語版の記事は次の通り。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200901270008.html

破門された元司教4名は、超保守派の Society of Saint Pius X(SSPX、聖ピウス十世会)のメンバー。
SSPX総長の声明も発表されており、日本支部のブログには日本語訳があるので、検索してほしい。

元司教の1人 Richard Williamson はイギリス生まれで、「収容所にガス室はなかった」 と主張している。
「ユダヤ人犠牲者600万人というのも嘘で、実際には30万人だ」 とまで言い張っている。

30万人でも大虐殺だと思うが、歴史修正主義者は、人数の正確性の問題に論点を移す傾向がある。

バチカン側はこの問題から距離を置きたいようで、法王の発した破門制裁解除とは無関係だと言っている。
そして、Williamson の個人的見解と教会活動とは、別のものであると考えているようだ。

しかし、ヨハネ・パウロ2世が反ユダヤ主義と戦ったのに、昔に戻ってしまうと批判されている。
そして、カトリックとユダヤ教の不仲が強まるとの心配もある。


今のオバマ大統領の演説集が、英語学習者に人気であるように、
ドイツ語学習者は、ヴァイツゼッカー大統領の 「荒れ野の40年」 を教材にしたことがある。

このときは、「当事者であるドイツ人がまず反省する」 ことを求めたのだが、
実際にはヨーロッパ全体に反ユダヤ主義が広まっており、ドイツ人以外も反省すべきなのだ。

問題となっている元司教はドイツ人ではないが、反ユダヤ主義がヨーロッパ全体の問題だと再認識した。

ちなみに、残りの3名は、フランス人が2名、アルゼンチン人が1名である。

ところで日本の歴史修正主義者たちは、どのような反応をするだろうか。

追記(1月31日):
ホロコースト否定論者のRichard Williamson はローマ法王に謝罪したと報じられている。
しかし、カトリック関係者の反対は強く、教会分裂の危機にあり、バチカンは対応を模索している。

ベネディクト16世の過去の経歴を振り返って、今回の破門解除について解説した記事は次の通り。
http://www.sueddeutsche.de/politik/51/456717/text/

昨日受注した翻訳案件で忙しいので、納品後に他の報道と合わせて読んでおこう。

追記(2月4日):
騒ぎが大きくなったためか、NHKが報道している。
http://www.nhk.or.jp/news/t10013960111000.html#

【ローマ法王、ベネディクト16世が先月破門を解いた神父が、ナチスの強制収容所のガス室でユダヤ人が
殺されたことを否定していたことがわかり、ドイツのメルケル首相が法王に批判的な発言をする異例の
事態に発展しています。

ローマ法王、ベネディクト16世は先月23日、ローマ法王庁と教義をめぐって対立している保守派聖職者の
グループのメンバーで、1987年に破門された4人の神父に対して、破門を解くことを決めました。
ところが、このうちイギリス人のリチャード・ウィリアムソン神父が、去年11月、スウェーデンの
テレビとのインタビューで、「ナチスの強制収容所では20万から30万の人が死亡したかもしれないが、
ガス室で殺された人は1人もいない」と話していたことがわかりました。このため、破門を取り消した法王と
法王庁に対して、各国の有力な聖職者から強い批判が上がっていました。そして、3日にはドイツの
メルケル首相が「法王と法王庁は、ホロコーストの否定はあってはならないことと、ユダヤ人社会との
良好な関係が必要だということをはっきりさせる必要がある」と述べて、法王に対して異例の批判的な
発言をしました。法王庁では、ウィリアムソン神父の問題について、「内部で十分に検証されなかった」と
説明し、苦しい立場に追い込まれています。ドイツでは、ナチスの行為を公の場で否定することは
犯罪にあたり、検察当局はウィリアムソン神父を捜査対象にしています。】

(最終チェック・修正日 2009年02月04日)

↑このページのトップヘ