日本では特にニュースになっていないようだが、サノフィ・アベンティスが発売している
インスリンアナログ製剤のランタス(Lantus)に、発がん性の疑いがあるという論文が出て騒ぎになっている。
英語とドイツ語の報道は例えば次の通り。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601085&sid=aEiby7t0.yXc
http://www.sueddeutsche.de/,ra16l1/wissen/126/476635/text/
日本経済新聞では、海外市況のニュースの一部で取り上げている。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCWU1794.html
【医薬品株では、仏サノフィ・アベンティスが8.1%安となった。
クレディ・スイスのアナリストらは、サノフィの主力製品である糖尿病治療薬、持効型のインスリン製剤
「ランタス」の安全性に対し懸念が指摘されているものの現時点では情報が乏しいことから、業績や
バリュエーションの見通しに変更を加えることなく、投資判断を「アウトパフォーム」で据え置くと述べた。
サノフィ・アベンティスの広報担当者は、7万人の患者を対象に実施した臨床試験の結果に加え、
市販後調査のデータは、「ランタス」の安全性を裏付けていると述べた。】
サノフィ・アベンティスのプレスリリース(日本語)は次の通り。
http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/E466ED3D-CB90-4FF8-AEA0-C7D529FA0CE9.pdf
フランス語および英語でのプレスリリースが正式とのことなので、英語版も引用しておこう。
http://en.sanofi-aventis.com/binaries/20090626_lantussafety_en_tcm28-25435.pdf
ランタスを使用している況薪鎤病患者の調査結果が、専門誌 Diabetologia に掲載されることになった。
その論文では、ランタスに発がん性の疑いがあるため、調査を継続すべきだと研究者が指摘している。
この悪いニュースのために、株価が急落したわけだ。
専門誌 Diabetologia には、29日火曜日に論文が出るはずだったのに、その前に情報が流れたようだ。
Diabetologia 編集部のコメントや論文などは、以下のリンクにまとめられている。
これだけ騒ぎになっているためか、論文は無料ダウンロードできる。
http://www.diabetologia-journal.org/cancer.html
疫学調査は専門ではないので、ここでは論文の内容を検討することはしない。
代わりに、ランタスに関する報道についてメモしておきたい。
日本糖尿病協会では、6月30日に次のように冷静な対応を求めている。
http://www.nittokyo.or.jp/kinkyu_lantus.html
【このほど、ヨーロッパ糖尿病学会(EASD)の学術雑誌に、インスリン製剤のひとつであるインスリン
グラルギン(商品名:「ランタス」(サノフィ・アベンティス社製)以下ランタス)について、
がんとの関連についての一連の論文が発表されました。
そのなかで、がんの頻度が高くなるという報告とそうではないという報告があり、
ヨーロッパ糖尿病学会では、「これらの研究について、現段階では何も結論は出ていない」としています。
これらのことから、現在治療でランタスを使用している方は、今回の情報が出たからといってインスリン
注射量を自己判断で変更したり、注射そのものをやめたりすることは決してしないでください。
ご自分のインスリン治療に不安がある場合は、ぜひ主治医にご相談ください。
日本糖尿病協会では、糖尿病の治療でインスリン注射をしている方がいたずらに不安を持つことの
ないよう、厚生労働省や日本糖尿病学会と連携しつつ、この件に関して今後も正確な情報を提供して
いきます。
厚生労働省からは正式な報道発表はないものの、日刊薬業の取材には答えている。
「もう少し情報収集をして冷静に判断する必要がある」そうだ。
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226551518109.html?pageKind=outline
終チェック・修正日 2009年07月05日)
インスリンアナログ製剤のランタス(Lantus)に、発がん性の疑いがあるという論文が出て騒ぎになっている。
英語とドイツ語の報道は例えば次の通り。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601085&sid=aEiby7t0.yXc
http://www.sueddeutsche.de/,ra16l1/wissen/126/476635/text/
日本経済新聞では、海外市況のニュースの一部で取り上げている。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCWU1794.html
【医薬品株では、仏サノフィ・アベンティスが8.1%安となった。
クレディ・スイスのアナリストらは、サノフィの主力製品である糖尿病治療薬、持効型のインスリン製剤
「ランタス」の安全性に対し懸念が指摘されているものの現時点では情報が乏しいことから、業績や
バリュエーションの見通しに変更を加えることなく、投資判断を「アウトパフォーム」で据え置くと述べた。
サノフィ・アベンティスの広報担当者は、7万人の患者を対象に実施した臨床試験の結果に加え、
市販後調査のデータは、「ランタス」の安全性を裏付けていると述べた。】
サノフィ・アベンティスのプレスリリース(日本語)は次の通り。
http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/E466ED3D-CB90-4FF8-AEA0-C7D529FA0CE9.pdf
フランス語および英語でのプレスリリースが正式とのことなので、英語版も引用しておこう。
http://en.sanofi-aventis.com/binaries/20090626_lantussafety_en_tcm28-25435.pdf
ランタスを使用している況薪鎤病患者の調査結果が、専門誌 Diabetologia に掲載されることになった。
その論文では、ランタスに発がん性の疑いがあるため、調査を継続すべきだと研究者が指摘している。
この悪いニュースのために、株価が急落したわけだ。
専門誌 Diabetologia には、29日火曜日に論文が出るはずだったのに、その前に情報が流れたようだ。
Diabetologia 編集部のコメントや論文などは、以下のリンクにまとめられている。
これだけ騒ぎになっているためか、論文は無料ダウンロードできる。
http://www.diabetologia-journal.org/cancer.html
疫学調査は専門ではないので、ここでは論文の内容を検討することはしない。
代わりに、ランタスに関する報道についてメモしておきたい。
日本糖尿病協会では、6月30日に次のように冷静な対応を求めている。
http://www.nittokyo.or.jp/kinkyu_lantus.html
【このほど、ヨーロッパ糖尿病学会(EASD)の学術雑誌に、インスリン製剤のひとつであるインスリン
グラルギン(商品名:「ランタス」(サノフィ・アベンティス社製)以下ランタス)について、
がんとの関連についての一連の論文が発表されました。
そのなかで、がんの頻度が高くなるという報告とそうではないという報告があり、
ヨーロッパ糖尿病学会では、「これらの研究について、現段階では何も結論は出ていない」としています。
これらのことから、現在治療でランタスを使用している方は、今回の情報が出たからといってインスリン
注射量を自己判断で変更したり、注射そのものをやめたりすることは決してしないでください。
ご自分のインスリン治療に不安がある場合は、ぜひ主治医にご相談ください。
日本糖尿病協会では、糖尿病の治療でインスリン注射をしている方がいたずらに不安を持つことの
ないよう、厚生労働省や日本糖尿病学会と連携しつつ、この件に関して今後も正確な情報を提供して
いきます。
厚生労働省からは正式な報道発表はないものの、日刊薬業の取材には答えている。
「もう少し情報収集をして冷静に判断する必要がある」そうだ。
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226551518109.html?pageKind=outline
終チェック・修正日 2009年07月05日)