2009年09月

zwingen*  zwang/gezwungen; 接 zwänge
他 (h)
1 a) ((jn. zu et.3)) (…に…を)強制<強要>する,(…に…[すること]を)強いる
[再帰] sich4 zu et.3 zwingen 自分に強制を加えて…する,自制して<むりに我慢して>…する

Manche Menschen zwingen sich dazu, regelmäßig Fisch zu essen, auch wenn sie den Geschmack
nicht besonders schätzen und Gräten hassen.
かなりの数の人々は、風味が特に好きではなかったり、魚の骨が嫌いだったりしたとしても、定期的に魚を食べることを、自分自身に課している。
("Herz- und Kreislauferkrankungen: Nicht Fisch, nicht Fleisch", Süddeutsche Zeitung, 29.09.2009,
http://www.sueddeutsche.de/wissen/5/489392/text/

昨年のノーベル医学生理学賞は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の発見者にも授与された。
HPVは子宮頸がんの原因とされ、欧米では10代前半でのワクチン接種が推奨されている。

日本では未承認で予防接種できず、がん検診に頼っていたが、ようやく承認される見通しとなった。
時事通信の記事は次の通り。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009092900981

【厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会は29日、子宮頸がんの原因となるウイルス感染を防ぐ
ワクチンを承認してもよいとの結論を出した。直接的にがん予防を目的とするワクチンの承認は初めて。
メーカーと国による品質確認などを経て、早ければ年内にも販売が開始される。

このワクチンは、グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」。
2007年に世界で初めて承認され、現在98カ国で使われている。

このほか、万有製薬が4種類のHPVを対象とする「ガーダシル」を承認申請している。

欧米諸国では10代前半を対象に、公費によるワクチン接種も行われている。】


ワクチンでほぼ予防可能であるため、日本でも早期に承認することが求められているが、
イギリスでは、サーバリックス接種後の14歳の少女が死亡し、関連性が調査されている。

ロイター通信(英語)および S??ddeutsche Zeitung(ドイツ語)の記事は次の通り。
http://www.reuters.com/article/governmentFilingsNews/idUSN2810431520090928
http://www.sueddeutsche.de/,ra16m1/wissen/943/489332/text/

GlaxoSmithKline 社(GSK)の発表は次の通り。
http://www.gsk.com/media/GSK_statement_on_Cervarix_28_09_09.pdf

GSKはこれまでに140万本のワクチンを、イギリスでの予防接種事業に提供した。
集団予防接種が行われた学校では、他の女子生徒が目まいや吐き気を訴えたが、入院してはいない。
接種による副作用は、添付書類に示されたものであり、ワクチンそのものの副作用は知られていない。
そのため今回の死亡例とワクチン接種との関連性について、担当官庁と共に調査を続けている。
まだ詳細が判明していないためか、ロンドンとニューヨークの市場で株価は、ほとんど下落していない。

(追記(9月30日):ロイター通信は、アメリカと日本の承認状況について追加して再配信している。
http://www.reuters.com/article/companyNews/idUKTRE58S0C420090929

日本での報道は、ワクチンの費用が高く、自己負担では普及しないのではないかというものがほとんどだ。
以前から承認の方向で審議していたとしても、このニュースの翌日に承認するのはタイミングが悪い。
今回の死亡例の続報が出るかどうか、そして日本でその情報が提供されるかどうか、チェックしておこう。


追記(9月30日):
ロイター通信では、FDAがサーバリックスの承認を延期したことを報じている。
英語と日本語の記事は次の通り。
http://www.reuters.com/article/euRegulatoryNews/idUSN2915093220090929
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnJT855899120090929

GSKは、今回の承認見送りは、死亡例とは無関係であるとの見解である。
アメリカではメルクのガーダシルが既に使用されているので、予防接種には影響しない。

FDAの承認延期の理由は明らかではないが、死亡例の原因調査の結果待ちということだろう。
それに対して日本では、真偽が明らかになるまで保留する、という臨機応変の対応ができないようだ。
確かに患者団体の要望が強いのだろうが、イギリス保険当局の正式発表まで待ってもよかったと思う。


AFPでも日本語記事が配信された。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2647877/4692574

【検査の結果、少女は「重大な基礎疾患」を抱えており、ワクチン接種が少女の死を引き起こしたと
可能性は「非常に低い」との見方が示された。】

この検査報告を待ってから承認作業を進めてもよかっただろう。

(最終チェック・修正日 2009年09月30日)

様々な政策決定、例えば温室効果ガス削減や原子力発電などで、科学者の助言が求められている。
しかし、「御用学者」 と呼ばれる人が重宝される反面、異議を唱える科学者は無視されることが多い。

これは外交の場でも同様で、科学を利用した主張をしたり、逆に科学を無視した態度をとることもある。

国際捕鯨委員会(IWC)を見てもわかるように、「冷静な科学的議論が必要」 と言っているわりには、
科学委員会を無視して政治的思惑で動いており、科学者の私は、どちらの勢力の言い分も信用していない。

以前から科学委員会や中立的科学者の軽視が指摘されていたが、次の論文もIWCの現状を批判している。
ただし受理日の関係で、マデイラでの第61回会合前までの状況を元にしている。

ここでは自分で気になった部分をメモするだけなので、全体を把握したい人は、自分で入手してほしい。
また、学術誌の論文だからといって、それだけで絶対的な真理にはならないので、引用には注意してほしい。

Science should not be abandoned in a bid to resolve whaling disputes
Justin Cooke, Russell Leaper and Vassili Papastavrou,
Biol. Lett., 2009, 5 (5), 614-616.
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/5/5/614.abstract

オンライン版では6月に既に公開されており、ちょうどIWC年次会合の時期であったが、
この論文の話題は聞いたことがないので、22ポンドを払ってダウンロードして読んでみた。

著者の一人、Vassili Papastavrou の紹介がIFAWのサイトにあった。
http://www.stopwhaling.org/site/c.foJNIZOyEnH/b.4180757/k.4DDC/Meet_the_IFAW_Whale_Team.htm


IWCでは目下、日本の調査捕鯨と沿岸域での捕獲割り当てについて論争中だが、
元々IWCは、持続可能な捕獲上限が決定可能であれば商業捕鯨を認めることに合意していた。

モラトリアム開始時に科学委員会は、Revised Management Procedure(RMP、改訂管理方式)を導入した。
この RMP は、不確定性も考慮したシミュレーションを含んでおり、科学的な資源管理モデルである。
しかし、RMP を含めた Revised Management Scheme(RMS、改訂管理制度)の完成は先送りされている。

RMP は法制化されていないが、科学委員会は日本やノルウェー周辺海域での適用を試みた。
北太平洋のミンククジラに RMP を適用するための予備的研究が、2003年に完了した。
また、北大西洋のミンククジラと北太平洋のニタリクジラに対する RMP も完了している。
2009年には北大西洋のナガスクジラに関しても完了する予定である。

RMP が資源保全の目的を満たすように、履行状況の再検討が5年に一度実施されるが、
2008年に行われる予定の再検討は、日本代表団の要請により延期された。

日本は科学的調査の目的で、ミンククジラ沿岸捕鯨を 2002年に再開した。
この調査捕鯨はIWCのモラトリアム対象外であるが、捕獲枠の設定に RMP を採用していない。

日本の沿岸捕鯨について 2009年3月に中間会合で示された議長提案も、RMP を考慮しない臨時捕獲枠である。
ミンククジラ沿岸捕鯨について、科学委員会の勧告に従う暫定5年間の捕鯨には2つのシナリオがある。
シナリオaでは、5年間一定量捕獲し、その後の捕獲枠は0頭とするが、持続可能な捕鯨とはならない。
シナリオbでは、5年間一定量捕獲し、その後も同様に継続するが、資源枯渇につながる可能性がある。

それに対して RMP を導入すれば、暫定期間が終了する5年後に資源状況のデータについて評価をして、
新たな捕獲枠を設定するか、または新規データが提供されなければ徐々に0頭に減らす措置をとることになる。

RMP の導入に消極的なのは、捕獲枠が低く設定されると思われているからだろう。
日本および韓国での混獲と、船との衝突による死亡数を捕獲枠から差し引くため、捕獲可能頭数は減る。

IWC年次会合直前に出された報告では、日本の沿岸捕鯨で150頭の捕獲を5年間認めるとある。
しかしこれは、政治的理由から科学を無視して見積もられた捕獲枠である。

(今後も補足・編集を継続する予定)

(最終チェック・修正日 2009年10月03日)

erliegen*  erlag/erlegen
自 (s)
1 ((jm./et.3)) (…に)屈〔服〕する,(…に)圧倒される
Er ist einem Herzschlag erlegen. 彼は心臓麻痺で死んだ.

Die 36-jährige stark übergewichtige Patientin war am Freitag im Uni-Klinikum den Folgen
einer Infektion mit akutem Lungen- und Multiorganversagen und einer Blutvergiftung erlegen.
非常に体重過多の36歳の女性患者は、金曜日に大学病院で、急性肺不全および多臓器不全、ならびに敗血症を伴う感染の続発症で死亡した。
("Schweinegrippe: Erstes Todesopfer in Deutschland", Süddeutsche Zeitung, 26,09,2009,
http://www.sueddeutsche.de/,ra16m1/wissen/662/489053/text/

注:過去分詞 erlegen と同形の動詞がある。erlegen2 他 (h) 1 (獣を)仕とめる,(敵を)倒す

den Tod herbeiführen 死を招く
an Krebs sterben がんで死ぬ
an Krebs verstorben sein がんで死んだ
事故で命を落とす場合は、ums Leben kommen

schmecken
自 (h)
1 b) ((jm.)) (…の)口に合う,(…にとって)おいしい;((比))(…の)気に入る

Beim Brot kommt das Ifeu zu einem Ergebnis, das vielen nicht schmecken wird: Industriell in
Großbäckereien produzierte Ware schneidet selbst bei langen Transportwegen besser ab als Brot
aus der kleinen Bäckerei an der Ecke.
パンの場合にIfeuは、多くの人にとって気に入らないであろう結果を得ている。すなわち、大規模製パン所で工業的に生産される製品が、長距離輸送の場合であっても、街角の小さなパン屋のパンよりも良好に(二酸化炭素を)削減している。
("Lebensmittel-Untersuchung: Der Treibhaus-Salat fällt durch", Frankfurter Rundschau, 26.09.2009,
http://www.fr-online.de/in_und_ausland/ratgeber/top_themen/?em_cnt=1970492&em_cnt_page=1

Ifeu = Institut für Energie- und Umweltforschung Heidelberg GmbH
http://www.ifeu.de/index.php?seite=startseite

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