2010年01月

Nase f. -/-n
1 a) 鼻
[4格で] die Nase vorn haben ((話)) (競技などに)勝つ

Für die Praxis heißt das: Flugzeuge, die mit neuer Treibstoff- und Antriebstechnik ein wenig
langsamer fliegen, aber dafür eine deutlich bessere Öko-Bilanz aufweisen, könnten im Wettbewerb
die Nase vorn haben.
実際には飛行機は、新しい燃料技術およびエンジン技術を用いて少しだけ減速して飛行するが、その飛行に関して明らかにより良好なエコバランスを示し、競争に勝てるだろうとのことだ。
("Flugzeug-Ökobilanz: Neue Treibstoffe", Frankfurter Rundschau, 31.01.2010,
http://www.fr-online.de/in_und_ausland/wissen_und_bildung/spezial_klimawandel/klimaschutz_was_tun/2238776_Flugzeug-oekobilanz-Neue-Treibstoffe.html

Tarnkappenflieger m. -s/- (Tarnkappe + Flieger)= Tarnkappenflugzeug
ステルス飛行機

Mit dem Tarnkappenflieger reagieren die Russen auf die US-Flugzeuge F-22 und F-35.
このステルス飛行機でロシアは、アメリカの航空機 F-22 と F-35 に対処する。
("Tarnkappen-Technik: Russen lassen Stealth-Kampfjet fliegen", SPIEGEL ONLINE, 29.01.2010,
http://www.spiegel.de/wissenschaft/technik/0,1518,674888,00.html

1月9日の読売新聞大阪版のグルメ記事で、鯨料理の老舗料亭 「西玉水」 が紹介された。
「大阪発全国の味(3)はりはり鍋」
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/cooking/20100109-OYT8T00670.htm

この記事には、「西玉水は商業捕鯨を続けるノルウェーから鯨肉を独自に取り寄せている。」 とある。

西玉水のHPでは、はりはり鍋も含めて、鯨肉の種類も原産地も、一切表示していない。
http://www.nisitamamizu.com/

「ノルウェーから輸入した」 とも解釈できる記述に疑問を持ち、鯨肉の原産地について質問した。

読売新聞には、問い合わせ入力フォームで質問を送信してから、大阪の読者センターに電話をした。
日曜日は記者が不在ということで、数日後に再び電話をして、記者からの伝言を受け取った。
それは、「アイスランドが捕獲したイワシクジラを、ノルウェー経由で輸入した」 という不思議な説明。

追記(2月4日):読売新聞からやっと、西玉水に確認したという連絡があった。
私の1回目の問い合わせ後は、「アイスランド産イワシクジラ」 という説明だったそうだが、
2回目の問い合わせ後は、「時期によって産地も種類も変わる」 という説明に変わった。
ただ、仲買人・納品業者がノルウェーから取り寄せたと言っていることは、確かなそうだ。
しかし、納品業者が産地などをはっきり言わないこともあるというのは、新たな問題点となった。
「アイスランド産ナガスクジラ」 と言わないのは、輸入ルートなど、何か隠したいのだろうか。
また、時期によって変わるということは、調査捕鯨副産物になる可能性もあるのかもしれない。
西玉水の説明では、調査捕鯨副産物かどうかも知らないそうで、由来の謎は深まるばかり。


2008年にアイスランドとノルウェーからの鯨肉輸入が再開されたが、アイスランドはナガスクジラ肉を、
ノルウェーはミンククジラ肉を輸出したのであり、イワシクジラは含まれていないはずだ。

IWCの資料で、1985年以降のイワシクジラ捕獲数を確認してみよう。
調査捕鯨、モラトリアムへの異議申立による商業捕鯨、そして先住民生存捕鯨の捕獲リストは次の通り。
http://www.iwcoffice.org/conservation/table_permit.htm
http://www.iwcoffice.org/conservation/table_objection.htm
http://www.iwcoffice.org/conservation/table_aboriginal.htm

アイスランドがイワシクジラを捕獲したのは、1988年の調査捕鯨での10頭が最後である。
また、グルメ雑誌記事などには、「ナガスクジラ肉」 とあるが、これも 1989年の68頭が最後だ。
冷凍肉の保存期間は長いとはいっても、20年以上前の鯨肉を提供しているとは思えない。

ということで、「アイスランドが 2006年に捕獲したナガスクジラ」 の可能性が高いだろう。
鯨肉を積んだ飛行機は、アイスランド発ノルウェー経由だったそうで、そのため勘違いしているようだ。

また、種類がイワシクジラで正しいのであれば、日本の調査捕鯨副産物の可能性も高い。
イワシクジラの捕獲は、2004年以降は毎年約100頭と、安定供給されていると考えてもよいし。

ただ、グルメ記事では 「ニタリクジラ」 という記載もあるので、ここでも混乱してしまう。
調査捕鯨副産物であっても、時期によって入荷する鯨肉の種類が変わるということだろうか。

こういった新たな疑問点を読売新聞に伝えて、再度調査するように要望した。
「取材した記者から直接電話で説明させます」 と回答があったが、未だに電話はない。
(上記追記のように、2月4日までに連絡があった。)


そのうちにようやく西玉水から、「ノルウェーから独自に鯨肉を取り寄せ」 に関する回答があった。

以下に回答の要旨を示すが、店側が勘違いしていることは確実で、読売新聞も気づかなかったようだ。

アイスランドはIWCを脱退しており、鯨肉を直接輸入できない。
ノルウェー市場を一度通すことで、正式に輸入可能となる。


2002年にアイスランドはIWCに再加盟しているから、この認識からして間違いである。
日本も含めて捕鯨国は、ワシントン条約付属書の一部を留保しているので、相互に輸出入は原則可能だし。

加えてグルメ記事によると、アイスランドとノルウェーからの輸入再開前であっても、
「ノルウェー産ニタリクジラ」 などという説明をしていたようで、原産地不正表示と言われそうだ。

西玉水には問い合わせフォームで、この認識の間違いを指摘したうえで、
はりはり鍋に使っている鯨肉の種類とその由来について、納品業者に確認するように要望した。

外食の原産地表示ガイドライン」 があるが、これは義務ではなく、自主的取り組みを求めるものだ。
http://www.maff.go.jp/j/soushoku/gaisyoku/gensanti_guide/index.html

ただ、消費者側のアクションとして、原産地について積極的に質問することも推奨されている。
様々なグルメ記事などで、間違った原産地が流布されているので、ここで改善してほしい。


また西玉水では、通販で 「鯨ハリハリセット」 を提供しており、こちらは不正表示にならないだろうか。
http://www.nisitamamizu.com/cgi-bin/nisitamamizu/siteup.cgi?category=1&page=1

生鮮食料品や加工食品では、原産地を表示する義務があり、違反すると処分される。
ただし 「食肉(鯨肉を除く)」 と 「水産動物(ほ乳類を除く)」 とあり、対象外かもしれない。
表示義務対象の解釈については、確認するために、農林水産省に問い合わせ中である。

(追記(2月8日):農林水産省から、鯨肉も原産地などの表示義務があるとの回答があった。
【鯨は生鮮食品品質表示基準の「水産物の海産哺乳動物類」となり名称と原産地の表示義務があります。】)


ということで、農林水産省の「消費者の部屋」に質問すると、消費者庁が担当、との回答だった。
そして消費者庁のHPを見たが、担当部署がわからないので、公益通報の窓口に相談した。
http://www.caa.go.jp/info/koueki/index.html

すると、「公益通報にはあたらない。今後の参考にしたい。」 という回答のみ。
消費者庁で扱う公益通報とは、西玉水の従業員や鯨肉納入業者が、内部告発をする場合を指すそうだ。

一般消費者はまず初めに、国民生活センターや消費生活センターに相談することになっているようだ。
ただし私は、西玉水を利用しておらず、原産地不正表示の被害者ではないので、相談する根拠がない。

行政のたらい回しに遭ったが、この原産地不正表示について、農林水産省に再度問い合わせている。
今回は 「食品表示110番」 に回したのかもしれないが、1週間経っても何も回答がない。
http://www.maff.go.jp/j/jas/kansi/110ban.html

つまり、都合の悪い質問は無視するということか。
捕鯨関係などの情報は新聞記者には伝えているが、一般国民は相手にしないという方針なのだ。

「鯨肉食は日本の伝統食文化」 と声高に叫ぶ人たちは、このような原産地表示をどう考えているのか。
真実を知らないまま、知ろうともしないまま、うやむやにするのが日本の伝統文化ということか。

反捕鯨団体に対する抗議活動には熱心だが、実際に食べている日本人のことは気にしないのだろうか。
「海の幸に感謝する会」 や、各地に設立された 「クジラ食文化を守る会」 などに聞いてみたいものだ。



追記(2月2日):
農林水産省の問い合わせフォームから再質問したところ、すぐに回答が来た。
再質問では通販商品の原産地表示について強調したためか、消費・安全局の担当部署からの回答だった。
関係する都道府県や他省庁と共に調査する可能性があるそうだ。

しばらく時間はかかるかもしれないが、やがて正しい原産地を表示するようになるだろう。
日本の伝統食文化を守っているはずの老舗なのだから、正しい情報を消費者に伝えてほしいものだ。
最近も、西玉水ではりはり鍋を食べたというブログ記事も出ているのだから。

追記(2月12日):
ようやく西玉水から、電話で直接説明があった。
納品業者とは100年近い古い付き合いだそうで、鯨肉の原産地を詳細に尋ねることはないとのことだ。
このように老舗料亭は、原産地表示を求める現代の消費者の動きを理解していないのだ。
やはり、うやむやにすることが、日本の伝統文化なのだろう。

ナガスクジラがアイスランド産だとは知らなかったので、輸入鯨肉はノルウェー産だと思い込んでいた。
その納品業者に対して、JAS法違反であることを連絡するように、西玉水には依頼した。

鯨肉の原産地は不明確であったが、それでも、ミンククジラ肉を使っていないことは確かなそうだ。

ということで、調査捕鯨でナガスクジラ・イワシクジラ・ニタリクジラを捕獲対象にするのは、
尾の身を使ったはりはり鍋などを食べたい人がいるからで、決して科学的調査が目的ではないのだ。

(最終チェック・修正日 2010年02月12日)

hervor|gehen* ging hervor / hervorgegangen
自 (s)
3 (…から)読みとれる,推定される,判明する,わかる

Aus internen E-Mails der erzkonservativen Piusbruderschaft geht nach SPIEGEL-Informationen
hervor, dass Williamson "die sechs Millionen Vergasten" nach wie vor für "eine Riesenlüge" hält.
シュピーゲル誌の情報によると、超保守派ピウス兄弟会の内部電子メールからは、ウィリアムソンが依然として「600万人の毒ガス殺被害者」を「大ウソ」とみなしていることが判明している。
("Piusbruderschaft: Williamson leugnet weiter den Holocaust", SPIEGEL ONLINE, 30.01.2010,
http://www.spiegel.de/panorama/0,1518,674964,00.html

1月22日の Financial Times Deutschland(FTD)の記事は、勇み足だったのかもしれない。
http://www.ftd.de/wissen/technik/:biobaumwolle-die-kunden-getaeuscht/50063961.html

インドのオーガニックコットン用の農場で、遺伝子組換え綿花が栽培されているという指摘があったが、
認証機関がインドの業者の不正に気付かず、そして発覚後にもみ消したと、FTDは報じている。

認証機関の一つである Control Union(CU)は、1月25日にステートメントを発表している。
http://cogent.controlunion.com/cusi_production_files/SISI_files/FL_012510011850_20100125_Statement_Indian_organic_cotton.pdf

CUは1月20日に、FTD記者から11項目の質問を受け、詳細な回答の準備をしていた。
回答期限は示されていなかったものの、22日に突然、FTDがスクープ記事を発表した。
その後、25日現在で、その記者には電話で連絡が取れないという。

その記者は、ドイツで販売されているオーガニックコットンの30%が遺伝子組換え綿花由来、としたが、
その根拠となる資料を一切明かしていないという(ある環境保護団体から得た情報かもしれない)。

それでも、認証システムが不完全であることはCUも認めており、
不正を見逃さないシステム作りに、今後も取り組んでいくとのことだ。

また、認証NGOの Organic Exchange のステートメントは次の通り。
http://www.organicexchange.org/contamination_news.php


そして報道では、表示詐欺の被害に遭った企業として、H&Mが例示されていたのだが、
私の質問へのH&M広報(日本)の回答では、「遺伝子組換え綿花は混入していない」 と確認したそうだ。

ただ、H&Mのサイトに掲載された1月23日付けステートメントは間違った情報を含むもので、
1月26日付けで修正したステートメントに入れ替えたことが告げられた。

ということで、修正後のステートメントを引用しておこう。
http://www.hm.com/jp/csr
(修正前のステートメントは、過去記事を参照。)
(追記(1月30日):H&M日本では現在、日本語訳を掲載している。)

Regarding media reports about contaminated organic cotton

Media reports in the past few days have claimed that organic cotton from India has been
contaminated with genetically modified (GM) cotton. Using GM cotton seeds is prohibited
according to organic standards. The certification bodies Control Union and Ecocert have been
named in the articles.

There is no reason to believe that the organic cotton used for H&M’s garments was grown
using genetically modified seeds.
However, H&M was aware that last year the Indian authority
APEDA criticized Control Union for insufficient checks of farmers’ control systems for seeds
and sowing. As a consequence of the criticism, Control Union conducted unannounced audits of
all organic cotton farms that they certify in India. None of the farms were found to use GM
seeds, and all farms took the appropriate steps to ensure that GM seeds were not used.
Control Union have since further strengthened their routines and continue to be accredited by APEDA.

Promoting organic cotton is part of H&M’s environmental strategy – we encourage cotton
farmers to switch to organic cultivation. We also want to make it possible for our customers
to make a greener choice, which is another reason we offer garments with certified organic cotton.

All advocates of organic cotton – consumers, retailers like H&M and cotton farmers to name
a few – depend on organic cotton being grown, handled and labelled in accordance with all
applicable standards.

To read Control Union’s response to the criticism click here.

For more information regarding certification of organic cotton, please go to
www.certification.controlunion.com or www.ecocert.com.

For more information regarding organic cotton cultivation, please go to
www.organicexchange.org. 】

ドイツのH&Mでは取材に対して、「混入している可能性を否定できない」 と話していたが、
混入していないことを最初から確認できていれば、Tchibo のように即座に否定できたはずだ。

それに、最初のステートメントに間違った情報があったというのは、少々印象が悪い。
加えて、「遺伝子組換え綿花が混入しても健康被害はない」 と書いていたのも、これも印象が悪い。


ところで、FTDの記者に情報提供したのは、遺伝子組換え農産物に反対する団体だろうか。
もしかすると、ベルリン・ファッション・ウィークにぶつけたのかもしれない。
それにH&Mはちょうど、新作衣料の発表をしていたので、ターゲットに好都合だったのかもしれない。

やはり、環境問題とは科学ではなく政治なのだ。

(最終チェック・修正日 2010年01月31日)

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