2010年03月

アメリカ・バーモント・ヤンキー原発では、トリチウムの漏えいが指摘されたばかりだが、
今度は周辺土壌から放射性物質セシウム137が検出されており、この古い原発は問題視されている。

New York Times の3月30日の記事は次の通り。(追記:リンク切れです)
http://www.nytimes.com/aponline/2010/03/30/business/AP-US-Vermont-Yankee.html?_r=1&scp=1&sq=Cesium&st=cse

(追記(6月11日):上記リンクが無効になっているため、代わりに vermontbiz.com を参照。
http://www.vermontbiz.com/news/april/vermont-yankee-says-cesium-137-not-new-leak

ヤンキー原発を運用する Entegy のサイトでは、なぜかニュースリリースのページが表示できない。
http://www.entergy.com/

ドイツ語報道は、例えば SPIEGEL ONLINE を参照。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/technik/0,1518,686621,00.html

日本語報道は、残念ながらまだないので、いつものように、しばらく待つことになる。

セシウム137は核分裂生成物であり、その生成は人為的なもので、自然界で発生することはほとんどない。
原発周辺土壌から検出されたのだから、その原発が発生源と疑われるのは当然である。
しかし原発側は、「大気圏内核実験とチェルノブイリ原発事故に由来するものだ」と説明していた。

それに対してバーモント州政府機関は、核実験と原発事故に由来する量の3倍から12倍を検出したと発表。
そのため、バーモント・ヤンキー原発が関係しているとみている。

バーモント・ヤンキー原発では、破損した燃料棒が一時行方不明になっていたので、
これが今回のセシウム137検出に関連していると推測されている。

2012年以降も使用できるように、ライセンスを20年更新する予定だったが、再考すべきだろう。

(最終チェック・修正日 2010年06月11日)

ドイツ・ケルンにあるデジタルラジオ局 DRadio Wissen が、毎週金曜日にラテン語ニュースを放送するそうだ。

このラジオ局のHPは次の通りで、スタートページの左下にある 「LATEIN-NACHLICHTEN」 を見てほしい。
http://wissen.dradio.de/startseite.1.de.html

報道は例えば次の、Frankfurter Rundschau を参照。
http://www.fr-online.de/in_und_ausland/wissen_und_bildung/aktuell/2481485_Radioangebot-fuer-Schueler-Nachrichten-auf-Latein.html

この放送局はインターネットラジオということで、ライブで聴く他にも、ファイルをダウンロードできる。

ラテン語を学ぶ学生の勉強になると思われるが、最新の時事用語では翻訳に苦労しているそうだ。

ヨーロッパのエリートは、今でもラテン語で会話をすることがあるから、需要はあるかもしれない。

過去記事で、ドイツの捕鯨に関するテレビ番組を紹介したが、
昨日28日にはキールの博物館で、ドイツの捕鯨について講演が行われたそうだ。
http://mediaquell.com/2010/03/24/sonntag-der-wale-in-kiel-839/

歴史研究者の Ole Peters(オーレ・ペータース)が、「Walfang im Eismeer(氷の海での捕鯨)」の展示で、
シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の400年に及ぶ捕鯨の歴史を振り返る。

アメリカ化学会(ACS)の第239回会合で、原始地球でのアミノ酸生成の新仮説が発表された。
彗星の衝突により高温高圧の反応場が形成され、そこで種々のアミノ酸が生成したという。

ACSでの発表要旨は次の通り。
http://abstracts.acs.org/chem/239nm/program/view.php?obj_id=2046&terms=

【Production of pre-biotic molecules from extraterrestrial sources

Nir Goldman, Dr. Evan J. Reed, Dr. Laurence E. Fried, Dr. I-Feng William Kuo, Dr. . Physical and Life Sciences Directorate Lawrence Livermore National Laboratory Livermore CA United States

It has been proposed that impacts of extraterrestrial ices on early Earth could have been partially responsible for the creation of amino acids on the planet. We present ab initio molecular dynamics simulations of shock compressed aqueous mixtures representative of astrochemical ices found on dust grains and within other celestial bodies. We discover that high shock velocities drive the synthesis of a number of transient, exotic C--N bonded species at significantly higher pressures and temperatures than previously studied. Upon quenching to
lower pressure conditions we observe a simple mechanism for the formation of the alpha amino acid glycine, an important component of protein synthesis. We find that shock compression of astrophysical ices followed by rapid expansion is a viable pathway for amino acid formation on a primitive planet, that can be verified by future experimentation.】

この発表を伝える Nature News は次の通り。
http://www.nature.com/news/2010/100326/full/news.2010.152.html

これまでは、宇宙空間で生成したアミノ酸がL型に偏っており、その偏った比率のままで
隕石によって原始地球にもたらされたと言われていた。

今回の彗星衝突によるアミノ酸生成モデル計算では、L型に偏る理由を説明できていないが、
原始地球での有機物生成には複数の可能性があることを示唆しており、今後の研究の進展が期待される。

隕石によってもらたされたL型アミノ酸が鋳型となって、原始地球に存在したアミノ酸前駆体などと反応し、
L型選択的に鏡像異性体増幅が起きたり、選択的ペプチド生成などにつながったとも考えられている。

(最終チェック・修正日 2010年04月09日)

捕鯨、マグロ…“外圧”次々に 「国が正当性主張を」の声

【鯨、イルカ、そしてマグロ。日本の食を巡り、海外から制限につながる動きが相次ぎ、論争に拍車が掛かっている。



マグロを巡っても、モナコが地中海・大西洋産のクロマグロ(本マグロ)の国際取引全面禁止を提案。ワシントン条約締約国会議で提案は反対多数で否決されたものの、インターネットの掲示板などで論争が過熱した。

「ザ・コーヴ」の国内配給会社「アンプラグド」(東京・目黒)は事実関係などに関する太地町からの疑義を受け、上映の際「水銀値の調査にはばらつきがある」などと画面にただし書きをつける。有識者の見解を掲載した資料も配布する異例の対応ぶりだ。

元水産官僚で政策研究大学院大学の小松正之教授は「イルカ漁を巡っては太地町を矢面に立たせるのではなく、捕獲高を決めている日本政府が前面に出て漁の正当性について科学的に主張し、冷静な議論を喚起すべきだ」と話している。】

資源管理の強化を訴える小松正之教授が、どうして水産庁を追われたのか、未だに疑問点が多い。

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