2010年04月

Ansinnen n. -s/-
むりな<不当な>要求

動詞 an|sinnen (不定詞)の中性名詞化(文法的語尾を保持したままの統語的転換)。

an|sinnen* sann an/angesonnen 他 (h) ((雅)) (zumuten) ((jm. et.4)) (…にむりな・不当な)要求をする

Watson ist Gründer der Organisation Sea Shepherd, die den Walfang bekämpft. Der 59-Jährige
vertrat die Ansicht, die internationale Polizeibehörde Interpol werde dem
Ansinnen3
der japanischen Regierung nicht Folge leisten.
ワトソンは、捕鯨を撲滅しようとする団体シーシェパードの設立者である。ワトソン(59歳)によると、国際刑事警察機構インターポールが、日本政府の不当な要求に応じることはないだろう、という見解であった。
("Walfang: Japan will Haft für Tierschützer", Frankfurter Rundschau, 30. April 2010,
www.fr-online.de/in_und_ausland/panorama/2597875_Walfang-Japan-will-Haft-fuer-Tierschuetzer.html

et.3 Folge leisten …に従う,…に応じる


Ansicht f. -/-en 1 見方,意見,見解
ドイツ語類語辞典(三修社) p. 539:あることについて確信していだいている個人的な見方,見解であるが,他人がそれを納得するかどうかは別である。

knochentrocken
形 ((話)) 干からびた

DUDEN: <Adj.> (ugs.): sehr trocken.
engl.: bone-dry
, as dry as a bone, very dry

Jetzt – gut 150 Jahre später – haben Forscher auf 24 Themis Eis entdeckt. Es ist das erste Mal,
dass auf einem Asteroiden gefrorenes Wasser nachgewiesen wurde. Eine kleine Sensation, denn bisher
hielt man die Himmelskörper im Asteroiden-Gürtel für
knochentrocken.
今日、ほぼ150年後に、研究者は24番テミス上に氷を発見した。小惑星上に凍った水が検出されたのは、これが初めてである。これはちょっとした大事件だ。なぜならこれまでは、小惑星帯の天体はカラカラに乾き切っていると見なされていたからである。
("Astronomie: Erstmals finden Forscher Eis auf einem Asteroiden", ZEIT ONLINE, 29.04.2010,
www.zeit.de/wissen/2010-04/eis-asteroid-astronomie

翻訳作業をしていると、翻訳会社と大容量ファイルのやりとりをすることがあり、ADSLでも遅いと感じることがある。
また、政府報告書などの参考資料をダウンロードするときも、速度が気になることが多い。
さらに今月から、日本経済新聞の電子版を契約しており、特に朝刊紙面のダウンロードは瞬時に終わってほしい。

ということで、現在契約中のKDDI/auのADSLoneから、auひかり・マンションミニに切り替えることにした。
ついでに、ANAマイルがもらえるキャンペーンを利用した。

賃貸アパートなので、まずは管理会社に電話して、KDDIとの交渉窓口になってもらった。
そしてKDDIと大家さんとの交渉は、約1か月半かかったものの、光ファイバー用設備の導入が決まった。

共用部分の工事が終了してから、屋内配線の工事となるが、空きがないとのことで約10日待つことになった。
工事は1時間ほどで完了して、やっと光ファイバー回線の利用を始めることができた。

この契約では、最大速度は1Gbpsであるが、実際にはこの速度が得られると期待してはいけない。
回線速度を調べるサイトで試したところ、今日の午前11時頃では、約64Mbpsと表示された。
ADSLのときは2-3Mbpsだったので、かなり改善されている。

国内サイトと接続している分には、その速度を実感できるのだが、
国外サイトでは元々回線が混んでいるためか、劇的な改善とは言えないようだ。

映画DVDを輸入するよりも、アメリカのサイトからダウンロードすれば、安くて早いのだが、
2GBのデータのダウンロードには約2時間かかっていて、ADSLのときとほとんど変わらない。

日米間の回線は一番混んでいるだろうし、ヨーロッパへの回線もアメリカ経由なので、余計に混むのだろう。

映画のダウンロードは年に数回だから、このくらいならば気にしない。
ダウンロードしている間に買い物に行けばいいのだから。

後は、携帯電話をauに変えるかどうか、テレビの契約を追加するかどうかを検討しよう。

ディスカバリーチャンネルとナショナルジオグラフィックチャンネルに、以前から興味があったのだが、
衛星放送では受信状態が悪いことが判明したので、光回線で視聴を検討している。

追記(5月12日):
テレビの契約をしたが、コメント欄に記載したように、ディスカバリーチャンネルで不具合が発生している。
10分に1回くらい、1秒ほど画像や音声が停止したり、画像の一部が乱れたりする。
auに問い合わせたところ、画像信号の変換時に劣化している可能性があるとのことだった。
しかし、原因の特定は技術的に困難とのことで、不具合を承知の上で視聴するしかないという。

それにしても、私の問い合わせが初めてとのことで、指摘するまでこの不具合のことをauは知らなかったそうだ。
私が希望して、大家さんにマンションミニの契約をしてもらったのに、いまさら解約することもできない。
まあ、それほどこだわりもないので、このまま我慢して視聴することにしよう。

追記(5月13日):
不具合についての追加情報が、電話で説明された。
ディスカバリーチャンネルが提供する映像はビデオ・フィルムベースであり、これをauがデジタル信号に変換する。
この信号変換時、フィルムに付着したゴミなどもデータとして読み込んでしまうと、エラーが発生するという。
この不具合について、ユーザーに告知することなど、いろいろと要望している。
技術的に困難な課題ではあるが、不具合解消の努力をしてほしいものだ。

(最終チェック・修正日 2010年05月13日)

自然科学分野の国際会議では、使用する公式言語は英語となっている。
専門誌もほとんど英語ばかりとなり、ドイツ語などで投稿できる雑誌は、ごくわずかとなった。
スイスの Helvetica Chimica Acta は、今でも英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語が可能だが、ここ3年は英語のみ。

ドイツの Angewandte Chemie は、ドイツ語版と英語版(International Edition)を発行しているが、これは稀な例だ。
ドイツ留学中は当然ながら、図書館にはドイツ国内向けのドイツ語版しか置いていなかった。

私の研究分野では、過去の論文を読もうとすると、約半分がドイツ語論文だったし、
有機合成やNMRの専門書を探したら、ドイツ語しかなかったということも経験している。

そのため私は、「科学者ならドイツ語を理解してほしい」 と思うのだが、皆がドイツ語を必ず勉強しているわけでもないし、
私が 「ロシアの雑誌に英語版があってよかった」 と感じるように、「ドイツ語でなく英語でよかった」 と思う人も多いだろう。

ドイツ人のプライドというのか、哲学や科学の分野では、ドイツ語は英語よりも論理的に表現できると言い張っている。
まあ確かに、格変化や接続法など、英語にない特徴を生かして、あいまいさが残らない文章を書けることはある。
ただしそのことと、世界中の研究者に論文を読んでもらえるかどうかは別の話だ。

研究室の学生の中にも、「英語だけでも大変なのに、ドイツ語論文なんか読む暇はない」 と言っていた者がいた。
同様にアメリカ人の中にも、英語以外の言語を知らない人も多いので、読んでもらえないリスクがある。

ただし、アインシュタインはドイツ語圏で生まれているが、重要な研究論文のほとんどは英語で書いた。
まあアインシュタインは、状況に応じて国籍も変えているから、特にドイツ語へのこだわりはなかっただろう。
それでも、できるだけ多くの研究者に読んでもらうには、残念ながら英語で論文を書くのが無難ということになる。

そうは言ってもドイツには、科学言語としてのドイツ語を守ろうという研究グループが存在している。
http://www.adawis.de/

その研究グループ長が ZEIT ONLINE に意見を寄せている。
http://www.zeit.de/wissen/2010-04/deutsch-forschungssprache?page=all

国際的に英語が主流となっていることから、ドイツ国内の研究現場や学会でも、英語のみを使うことが増えてきた。
しかし、オランダ・スウェーデン・ノルウェーでの研究では、母国語ではなく英語を使うと、
意思疎通に問題が生じるだけではなく、深い思考や理解を妨げるとのことだ。

そこでドイツ国内では、ドイツ語も科学言語として使うべきだと主張している。
そのためにはまた、英語の専門用語などをドイツ語に翻訳することも必要だとしている。
(詳細は省略。連休中にゆっくり読もう。)


それに対して、英語でもかまわないという大学教授の反論も掲載されている。
ドイツ語に翻訳が困難な用語はそのまま使えばいいし、科学技術分野では既に英語が共通語になっているから問題ない。
科学の新しい概念は英語でのみ発表されるし、他国の研究者との交流でも、英語のみが使われるのが現状だ。
(詳細は省略。これも連休中にゆっくり読もう。)

(編集中)

天体の衝突で形成された原始地球は高温だったが、やがて冷えて、水をたたえるようになったという。
その水と、生命の誕生に必要な有機化合物は、地球に落下した彗星や隕石に由来するという仮説が提出されていた。
彗星については、これまでの観測から、水の他に低分子有機化合物が検出されている。
引用したAFP記事のように、小惑星についても、赤外吸収スペクトルの観測から、水(氷)と有機化合物の存在が検出された。

いつもは Nature の論文を会社でダウンロードして読んでいるが、11連休となったので5月10日に確認しよう。
http://www.nature.com/nature/journal/v464/n7293/

代わりに、Nature News の記事を引用しておこう。
http://www.nature.com/news/2010/100428/full/news.2010.207.html

24番テミスが選ばれたのは、小惑星帯で発見された彗星様天体の母天体と考えられているからだ。
そして赤外線での吸収スペクトル観測で、水と炭素-水素結合に由来する吸収が検出された。
水は氷の状態で存在しているが、これまでは氷として存在するには太陽に近すぎると言われていた。
蒸発せずに表面に残っているのは、小惑星内部にある水が徐々に表面に供給されているからと考えられている。

有機化合物は、炭素-水素結合に由来する吸収スペクトルの検出というだけで、その種類は不明だが、
別の研究で、マーチソン隕石から多数の有機化合物が検出されたことから、同様の組成かどうか気になる。

日本がイトカワで試みたように、小惑星探査機による直接サンプル収集を今後も実施してほしいものだ。


ところで、翻訳記事ではいつものことだが、科学用語の選択について疑問点が見つかった。
それは以下に抜粋したように、「炭素分子」 という部分である。

【火星と木星の軌道の間で太陽の周りを公転している小惑星に氷と炭素分子があることが初めて確認された。

長い間、約40億年前にすい星や小惑星が地球に衝突し、生命体にとって必要不可欠な水や炭素分子がもたらされた…】

対応する英語記事では、次のようになっている。
日本語記事では省略された部分もあるので、ついでに確認してほしい。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jrgiQQBge-1f2yjO0TOldfBhe_aA

【Astronomers have for the first time detected ice and organic compounds on an asteroid, …

The discovery bolsters the theory that comets and asteroids crashing into Earth nearly four billion years ago seeded the planet with water and carbon-based molecules, both essential ingredients for life.】

誤解を避けるために、「有機物・有機化合物・炭素系分子」 とした方が良いと思い、問い合わせ中である。
「炭素分子」 となると、フラーレンで有名なC60のように、炭素原子のみで構成された分子を考えてしまう。
確かに宇宙空間にも 「炭素分子」 と呼ばれる物資はあるが、C2やC5など、一般式Cnで示される分子だ。
http://fphy.hep.okayama-u.ac.jp/center-qu/majolennon/kouenn/081020.pdf

研究者は、「炭素-水素結合に由来する赤外吸収スペクトル」 を検出したので、
やはり 「炭素分子」 ではなく、「有機化合物」 としてほしい。

他にも、「24テミス」 よりは、「24番テミス」 としてほしいものだ。


追記:
このブログ記事を投稿している間に、AFP記事は訂正された。
他の通信社と比較してAFPは、指摘に対してすばやく対応している。

【(一部訂正)火星と木星の軌道の間で太陽の周りを公転している小惑星に氷と有機化合物があることが初めて確認された。

長い間、約40億年前にすい星や小惑星が地球に衝突し、生命体にとって必要不可欠な水や炭素系分子がもたらされた…】

追記(4月30日):
4月27日、ドイツ・ウンターフランケン地方の Hettstadt に、約20kgの氷塊が落下した。
上空を飛ぶ飛行機の機体に結氷したものが、はがれて落下したという可能性が高いが、由来は未だ不明である。
一説では、「氷隕石(微小彗星)」 とも言われている。
http://www.br-online.de/studio-franken/aktuelles-aus-franken/eisbrocken-hettstadt-2010-kw17-ID1272432564158.xml

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