2010年06月

hartnäckig 形
1 頑固な,強情な;粘り強い,執拗な

Fette Raubfische und Zuchtfische können giftiges Quecksilber enthalten. Forscher haben jetzt
herausgefunden, warum Meerestiere mehr mit dem Schadstoff belastet sind als Süßwasserfische.
Schuld ist offenbar eine besonders
hartnäckige Verbindung mit dem Meersalz.
脂の乗った肉食魚や養殖魚は、毒性の水銀を含んでいる可能性がある。研究者らは最近、海産動物の方が淡水魚よりもこの有害物質で汚染されているのはなぜなのかを明らかにした。原因は明らかに、海塩との特に強固な化合物であるらしい。
("Schadstoffe in Fischen: Salz aus Meerwasser verhindert Quecksilber-Abbau", SPIEGEL ONLINE, 28.06.2010,
www.spiegel.de/wissenschaft/natur/0,1518,703180,00.html

魚類体内中の水銀・メチル水銀に関する論文。
まだ本文を読んでいないので、アブストラクトをメモとして残しておこう。

Photolytic degradation of methylmercury enhanced by binding to natural organic ligands
Nature Geoscience
Published online: 27 June 2010 | doi:10.1038/ngeo892

Tong Zhang & Heileen Hsu-Kim
Duke University, Department of Civil & Environmental Engineering, 121 Hudson Hall, Durham, North Carolina 27708, USA

Methylmercury is a neurotoxin that accumulates in food webs and poses a significant risk to human health1. In natural water bodies, methylmercury concentrations remain low due to the degradation of methylmercury into inorganic mercury by sunlight, a process known as photodecomposition. Rates of photodecomposition are relatively rapid in freshwater lakes2, 3, 4, and slow in marine waters5, but the cause of this difference is not clear. Here, we carry out incubation experiments with artificial freshwater and seawater samples to examine the mechanisms regulating methylmercury photodecomposition. We show that singlet oxygen―a highly reactive form of dissolved oxygen generated by sunlight falling on dissolved organic matter―drives photodecomposition. However, in our experiments the rate of methylmercury degradation depends on the type of methylmercury-binding ligand present in the water. Relatively fast degradation rates (similar to observations in freshwater lakes) were detected when methylmercury species were bound to sulphur-containing ligands such as glutathione and mercaptoacetate. In contrast, methylmercury–chloride complexes, which are the dominant form of methylmercury in marine systems, did not degrade as easily. Our results could help to explain why methylmercury photodecomposition rates are relatively rapid in freshwater lakes and slow in marine waters.

私は仕事の関係で、ドイツ-イングランド戦をライブで見ることはできなかった。
本日の朝のニュースで、ドイツの大勝を知って安心し、今日の仕事は快調に進むことだろう。

ただ、イングランドのゴールが認められないという、今大会最大の大誤審があったのは、後味が悪いものだ。

AFP日本語記事では、その部分は簡単に触れているのみ。
【イングランドは同38分にフランク・ランパード(Frank Lampard)の放ったシュートがクロスバーに当たってゴールラインを割っていたが、認められなかった。】

ただ、44年前にも誤審によるイングランドのゴール認定という、「ドイツにとっては屈辱的な許せない誤審」 があり、
今回の大誤審は、その44年前の復讐というものなのだろうか。
そのシーンは、私がドイツ留学中にもサッカー番組の中で、何度も紹介されていたものだ。

この44年前の事件は、朝日新聞の記事から引用しておこう。
http://www.asahi.com/worldcup/world/TKY201006270416.html
【決勝トーナメント1回戦のドイツ―イングランドで、W杯史上に残りそうな「疑惑のノーゴール」が生まれた。
イングランドは0―2から前半37分に1点を返した直後、MFランパードがシュートを放った。これがバーに当たって落ち、跳ね返って再びバーに当たった後にドイツのGKノイアーが捕球した。
 判定はノーゴール。ガッツポーズをしていたカペロ監督は、「信じられない」とばかりに絶叫。ビデオの映像では1度目にバーに当たってグラウンドで跳ねた時、完全にゴールラインを越えていた。
 試合は4―1でドイツが快勝。イングランドと西ドイツが戦った1966年大会決勝の延長前半、同じようにバーに当たって跳ねたシュートはゴールと判定され、イングランドが優勝したが、今なお物議を醸している。44年の時を経て、逆のケースが生まれた格好だ。

ドイツの新聞は、ドイツの勝利の他に、この誤審について、44年前のことも含めて大量の記事を出している。
例えば次を参考にしてほしい。
http://www.sueddeutsche.de/sport/wm-deutschland-wembley-heisst-jetzt-bloemfontein-1.966254
http://www.sueddeutsche.de/sport/fussball-wm-deutschland-england-nur-der-schiedsrichter-sieht-es-nicht-1.966259  (レフェリーだけが見ていなかった)

イングランドの英語記事は、帰宅後に追記しておこう。



とにかくドイツが勝ったことで、次はアルゼンチン戦である。
楽しみは続く。

Klein-Klein n. -s/-
[スポーツ] 非常に短いパスを出す,非常に狭い場所でパスを出す
((比)) (engl.: pussyfoot) 日和見主義;日和見的態度

DUDEN: das; -s (Sport Jargon): zu kurzes Zuspiel; Zuspiel auf zu engem Raum.

Das diplomatische Klein-Klein ist symptomatisch für die Arbeit der IWC. In der Kommission
sitzen zurzeit 88 Länder, von denen 46 gegen und 42 für den Walfang sind. Es ist kein Geheimnis,
dass Japan zum Scheckbuch greift, um seinen Einfluss in der Kommission zu vergrößern.
この用心深い日和見的態度が、IWCの活動の典型的徴候である。この委員会には現時点で88カ国が加盟していて、そのうち46カ国が捕鯨反対、そして42カ国が捕鯨賛成である。日本が委員会内で自国の影響力を拡大するために、小切手帳の力に頼っていることは、秘密ではない。
("IWC-Konferenz: Das Schlachten geht weiter", ZEIT ONLINE, 25.06.2010,
www.zeit.de/wissen/umwelt/2010-06/walfang-kommission-marokko

サッカーワールドカップの話題に隠れたのか、国際捕鯨委員会(IWC)年次会合は、いつの間にか終わってしまった。
大方の予想通り、商業捕鯨の一部容認を含む妥協案は決議できず、交渉を続けることだけが決まった。

本当に交渉していたのか?
サッカーワールドカップが気になって、何も決める気がしなかった代表団もいるはずだろう。

ただしそんな中でも、グリーンランドの先住民生存捕鯨では、ザトウクジラ捕獲枠の新規割り当てが実現した。
サッカーでは1次予選リーグで敗退したデンマークだが、IWCの場では勝利したと言ってもよいだろう。

水産庁の概要発表は数字がないので、日本語報道から、中日新聞と毎日新聞を引用しておこう。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010062501000826.html
【モロッコ南西部アガディールでの国際捕鯨委員会(IWC)年次総会は最終日の25日、デンマーク自治領グリーンランド西岸沖で、先住民が2010~12年にザトウクジラ年9頭を捕獲する新規の枠などを全会一致で承認した。
 新たな捕鯨枠が設定されるのは07年以来3年ぶり。今回の総会での具体的な合意は初めて。】

http://mainichi.jp/life/today/news/20100626ddm008020014000c.html
【25日の討議では、デンマークの自治領グリーンランドの先住民捕鯨枠について、ミンククジラを年200頭から178頭、ナガスクジラを19頭(実績は12頭)から10頭に削減する代わりにザトウクジラ9頭を全会一致で承認した。
 捕獲枠の新設は07年にグリーンランドにホッキョククジラ2頭の枠を認めて以来3年ぶり。
 難色を示していた欧州連合(EU)が、ナガスクジラの捕獲枠削減などを条件に受け入れる考えを表明した。
 中南米諸国は強硬に反対したが、議長役のリバプール副議長が「昨年からのいい雰囲気を持続し、IWCを強化したい」と呼びかけ、関係国が歩み寄った。】

ちなみに、無意味な水産庁の結果概要は次の通り。
メディアを広報係にしたいのだろうが、この程度の発表しかしないことに、貴重な予算を使うなと言いたい。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/enyou/100626.html
【デンマークが、従来から要求していたザトウクジラの新規の捕獲枠を提案しました。…
デンマーク提案は、若干の捕獲数削減を条件にEUが受入を表明しました。豪州、モナコ、ラテンアメリカ諸国は反対したが、最終的に合意を妨げることなく、採択されました。】


当事者であるグリーンランドの新聞でも、年間9頭のザトウクジラ捕獲が、提案開始から4年かけてやっと認められたことを報道している。
http://sermitsiaq.ag/erhverv/article122520.ece (デンマーク語)
【Efter fire ?rs fors?g p? at f? pukkelhvalkvoter i IWC er det lykkedes Gr?nland at f? en pukkelhvalkvote p? ni pr. ?r frem til og med 2012. 】

デンマーク語がわからない人は、日付の右側にある、アメリカとイギリスの国旗を合わせたようなマークを押してほしい。
グーグル翻訳が自動的に動き出し、英語に翻訳してくれる。

これまで何度もグリーンランドはザトウクジラの捕獲を申請していたが、強硬な反対に遭ってきた。
前回も、ミンククジラの捕獲数を減らすという交換条件を出したが、認められなかった。
そして今回は、ナガスクジラも減らし、そしてザトウクジラの捕獲数を10頭から9頭に減らしてやっと合意できた。

しかしクジラ保護団体は、この決定について即座に反対声明を発表している。
WDCSの英語リリースは次の通り。
http://www.wdcs.org/news.php?select=738
【We fully expect humpback meat to make it into the same commercial distribution chains as the other species, perhaps even at a premium price because its flavour is apparently preferable in Greenland. 】


そしていつものことだが、科学などどうでもよく、政治的な駆け引きで決まるというわけだ。
だから日本も、「科学的調査を続けて貴重なデータを提供している」などと建前を言っても無意味だ。
まあ、日本の捕鯨サークル自体が、科学などどうでもよく、鯨肉と予算さえ取れればいいという政治屋の集まりだし。

だから科学者の私は、IWCには何も期待していない。

まあ、IWCの記事を参考にすれば、外国語の勉強にはなるので、英語とドイツ語の他にも、
ノルウェー語、アイスランド語、デンマーク語、スウェーデン語、オランダ語の勉強を続けていこう。

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