2010年10月

entscheiden* entschied/entschieden
I 他 (h) 決定<判定>する
[再帰] sich4 entscheiden 決心する;(選択して)心を決める;(事が)決まる

Die Verbraucher können sich4 nach Einschätzung des WWF an der Fischtheke guten Gewissens
für Hering und Seelachs aus dem Nordatlantik
entscheiden.
消費者はWWFの査定に基づいて、良心的な魚売り場で、北大西洋産のニシンとサケを選ぶことができる。
("Einkaufsratgeber: Seelachs wieder auf den Tisch", Frankfurter Rundschau, 29.10.2010,
www.fr-online.de/wirtschaft/seelachs-wieder-auf-den-tisch/-/1472780/4787862/-/index.html

日本でも iPS 細胞をはじめとして、再生医療の研究が精力的に進められているが、ドイツには幹細胞を使った民間の再生医療病院・研究施設が2007年1月から治療を開始している。

その XCell-Center GmbH  はデュッセルドルフとケルンにあり、治療費は2万ユーロと高額で、しかもリスクが高いにもかかわらず、全世界から脳性まひや、糖尿病、パーキンソン病などの治療のために患者が集まってくる。

患者自身の骨髄を採取して、そこから分離した自己幹細胞を培養して、難病の治療に利用している。

サイトは英語やドイツ語の他、ヨーロッパの主要言語だけではなく、アラビア語版と日本語版まである。
www.xcell-center.com/ (英語版)
www.xcell-center.de/ (ドイツ語版)
www.xcell-center.jp/ (日本語版)

サイトの説明では、2007年1月以降に3500人以上の患者が、安全に治療を受けているとあるが、死亡例が出ていたことが、ドイツやイギリスなどのメディアで取り上げられた。
www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/germany/8082935/Baby-death-scandal-at-stem-cell-clinic-which-treats-hundreds-of-British-patients-a-year.html
www.spiegel.de/wissenschaft/medizin/0,1518,725332,00.html
www.sueddeutsche.de/wissen/duesseldorf-todesfall-nach-stammzell-therapie-1.1015986

今年8月、イタリアに住むルーマニア人夫婦が、18か月になる幼児の治療を希望した。
その子どもから得た自己幹細胞を脳内に注射したところ、急性出血が起きて急死した。

5月(報道によっては4月)にも、アゼルバイジャン人の10歳の子どもで、同じ脳内注射で急性出血が起きていたが、このときはデュッセルドルフ大学病院で緊急処置が行われて、一命をとりとめた。
この子どもの両親は、XCell-Center 社に対して訴訟を起こしている。

ドイツ・デュッセルドルフ検察では、この脳内注射という治療行為を行った女性医師について、捜査を開始したそうだ。

この脳内注射での急性出血2例があったにもかかわらず、会社ではこの治療法を禁止せず、この女性医師を勤務から外した上で、18日前から自粛にとどめている。
(ただ、報道によっては、この女性医師は既に退職しているだとか、治療を中止したなどと、いろいろ変わっている。)

幹細胞を使った治療自体は違法ではないため、今回判明した2例についての法的措置後に対応が決まることだろう。
ただ、治療を受ける前よりも、障害の程度が重くなったという事例があるとのことで、法律や指針の見直しは必要かもしれない。


「副作用のない薬はない、リスクが皆無の治療・手術はない」、ということを再認識したニュースであった。

追記(10月31日):
このドイツの XCell-Center GmbH と提携しているコーディネート会社が、日本にもあった。
http://www.medical-tour.jp/

しかし、XCell-Center 社が死亡例を公表していないことから、コーディネートを一時中止しているとのことだ。

厚生労働省には、こういったメディカルツーリズムに関して現状把握をしているかどうか、質問メールを送った。

追記(11月1日):
このブログ記事を投稿後、時差の関係と思われるが、10月26日中に XCell-Center のリリースがあった。
http://www.xcell-center.com/news/for-our-patients---official-response-to-recent-events.aspx

メディアは中傷目的で記事を書いているだとか、今回の脳内出血は幹細胞とは無関係だとか、
脳内注射という手法には危険性はないことを強調している。

このような納得しにくい対応をする病院でも、幹細胞治療を受けたいならば、そのリスクを知った上で
渡航してほしいものだ。

また、ドイツ連邦議会でも、このスキャンダルが取り上げられていた。
dip21.bundestag.de/dip21/btp/17/17067.pdf

追記(11月2日):
脳性まひの子どもの治療がうまくいっている事例として、アメリカの新聞が引用されていた。
http://xcell-center.blogspot.com/2010/11/metrowest-daily-news-report-stem-cell.html
http://www.metrowestdailynews.com/highlight/x370073537/Stem-cell-treatment-helps-Holliston-girl

参考までに、渡航前の9月の記事は次の通り。
http://www.metrowestdailynews.com/lifestyle/health/x2003707854/Holliston-teen-seeks-stem-cell-treatment-in-Germany

追記(11月3日):
また、死亡例をスキャンダルとして報じた Telegraph は、10月24日の記事で、うまくいった治療例も取り上げた。
ただし、その治療の前に、脳内出血の医療事故が発生していたことの説明はなかったそうだ。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/germany/8082929/Parents-of-disabled-girl-pay-15000-for-stem-cell-treatment-at-German-clinic.html

また、別の記事では、ドイツでの幹細胞治療を 「合法的抜け穴」 と称している。
www.telegraph.co.uk/health/healthnews/8082925/Stem-cell-law-loopholes-allow-XCell-Center-to-operate-in-Germany.html

加えて記事の最後に、2007年に決定したEUの規則では、2012年までに幹細胞治療の有効性と安全性を XCell 社が示す必要があると書いてあり、今回の死亡例を公表しなかったことの動機のようにほのめかしているようだ

追記(11月5日):
厚生労働省から回答があり、本件については把握していないとのことだった。
ということで、この医療ツーリズムに関して、TBSの報道特集宛てにメールを送った。

追記(12月16日):
XCell 社と提携している日本のメディカルツアー社によると、今回の医療ミスについて、
日本人患者向けのコメントをもらう約束をしてもらったそうだが、本日までに何も発表されていない。
http://ameblo.jp/ktjsm1103/day-20101103.html
Xcell社側と何度も話し合いをもちまして、日本の皆様に公式見解を表明してもらうことで同意が得られました。
今週中には当社に送られてくる、ということですので、もう少しお待ちください。
送られ次第、HPとこのブログ上にて公表いたします。

これに関連するのかどうかは不明だが、メディカルツアーのブログでは、XCell 社との提携について、
全国紙の取材を受けたという記事をアップしていた。
当初は、取材記者が所属する新聞社名と部署名が明記されていたが、いつのまにか消えていた。
http://ameblo.jp/ktjsm1103/day-20101213.html
(変更後)【本日朝は、全国紙の医療担当の記者の方から、ドイツXcell社に患者治療を
コーディネートしている件についての取材を受けてました。


取材活動進行中の情報を、ブログに書くのはマナー違反ということで、修正要請があったのだろう。
私はその新聞社の名前を知ってしまったが、ここで再掲載することはしない。
その全国紙で、XCell 社も含めた幹細胞治療について、記事が出るのを待ってから、ブログで引用しよう。

(最終チェック・修正日 2010年12月16日)

スターバックスのステックコーヒーVIAの日本発売を記念して、今度はキハチとコラボレーションすることになった。
スターバックスでは10月1日から都内37店舗で、VIAを使ったティラミスロールが、期間限定で販売されている。
www.starbucks.co.jp/press_release/pr2010_0921.php (プレスリリース)
starbuckscoffeejapan.blog.so-net.ne.jp/2010-10-05 (公式ブログ)

写真では実際の色合いがうまく出ていないが、ムースはもう少し黄色である。


イメージ 1

先日の出張時に、羽田空港内のスターバックスに行けばよかったのだが、急いでいたので逃してしまった。
この週末は、特に都内に行く用事もなかったため、キハチのHPで調べて、伊勢丹浦和店のパティスリー・キハチに買いに行った関東地区限定販売
www.kihachi.jp/shoplist/index.html#pat

伊勢丹の地下に行ったのだから、ついでにRF1で新作サラダを買い、ロック・フィールド株主として売り上げに貢献した。
ということで今日の昼食は、パンとサラダ、りんごジュース、そしてデザートにVIAティラミスロールとなった。

ムースは甘すぎず、VIAのパウダーもほどよい苦味を呈していて、税込460円の価格に見合ったおいしさだ。
これなら1カットではなく、14cmの1本まるごと食べても大丈夫そうだ(実際には、昼と夜で半分ずつにするが)。

ところで、今回購入した伊勢丹浦和店では、レジでの計算方法の都合で税込459円となり、1円得している。

公式ブログでは、フードペアリングとしてラテを推奨しているが、それはスターバックス店舗に行ったときに試そうと思う。

それにしても都内37店舗限定というのは、配送や生産量などの課題があったのかもしれないが、周辺首都圏のスタバファンは悔しい思いをしているのではないだろうか。

ただ、都内の店舗に行かなくても、例えば今回の伊勢丹浦和店でティラミスロールを購入して、浦和駅東口のスターバックス・浦和パルコ店に持ち込んで、ビバレッジを注文すれば、フードペアリングを試すことはできる。

スターバックス店舗にコラボレーション商品を持ち込めることは、店員に質問して確認済みなので、安心して試してほしい。


またキハチ・ソフトクリームでは、プレミアムソフト・VIAイタリアンロースト(税込450円)も、関東地区で限定販売している。
www.kihachi.jp/shoplist/index.html#sc

Haken m. -s/-
4 ひっかかり,故障,難点,きず: einen 〔kleinen〕 Haken haben ((話)) 〔ちょっとした〕難点<障害>がある

Einen Cappuccino, bitte - und dazu Internetzugang, Nachrichten und digitale Bücher.
Die Caf
é-Kette Starbucks umgarnt ihre Kunden mit einem neuen Service. Doch in Deutschland
hat
das Angebot einen Haken.
「カプチーノを一つください。それと追加で、インターネット接続とニュース、そして電子ブックを。」 カフェチェーンのスターバックスは、顧客を新サービスで囲い込んでいる。ただしドイツでは、その提供には難点がある。
("Ein Caf
é als Medienhaus: Das Starbucks-Büro", Süddeutsche Zeitung, 20.10.2010,
www.sueddeutsche.de/wirtschaft/ein-cafe-als-medienhaus-das-starbucks-buero-1.1014227

注:アメリカのスターバックス店舗では、無料でインターネット接続を提供し、原則として時間制限はない。しかしドイツでは、導入店舗がベルリンなどの大都市に限定され、しかも2時間までの時間制限があり、これを「難点」と指摘している(ベルリンならば、すぐに近くの店舗に移動できるので、かまわないそうだが)。

仕事が化学関係なので、様々な測定などで数値を扱うことが日常的である。
そのためもあってか、報道などでの数値の取り扱いには気になることもある。

去年の10月9日、月の南極にあるカベウスクレーターにロケットを衝突させる、LCROSSミッションが行われた。
その衝突によって巻き上げられた塵を分析して、水(氷)が存在するかどうかを検出する計画だった。

10月22日の Science 誌に関係論文が複数掲載され、水以外にも二酸化炭素や銀、水銀などが検出された。
メディアによって取り上げ方は異なり、水のことを中心するものもあれば、水銀が水と同程度あるとするものもある。

ここでは検出された物質の話ではなく、検出された水の重量の数値に関して取り上げたい。

以下に示す論文では、月の表土中の水の量について重量比で 5.6 ± 2.9% としている。
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/sci;330/6003/463

分析値の表示では、上記のように95%信頼区間も明確に示すことが望ましく、測定値のばらつき具合が把握できる。
この場合、2.7% から 8.5% の間に、実際の測定値の 95% が分布することを意味している。

ところが、NHKのBSニュースでは、「5.6% ~ 8.5% の水が存在する」 と話していた

論文を読んでも 「±」 を見落としたのか、どこかの配信記事をそのまま読んだのかは不明だが、
科学関係の番組も充実しているNHKならば、論文を実際に読んでニュース記事にしてほしいものだ。

この件については、NHKに質問メールを送ってある。


ついでに、AFP日本語記事では、「その衝撃で舞い上がった何十億年も太陽光にさらされていなかったちりを回収した。」 と、勘違い翻訳をしている。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2768103/6354868

ノーベル賞のときもそうだったが、理系離れ・理系冷遇社会では、メディアに正確な科学報道は期待できないし、
それに、あまり細かいことを言っても、視聴者は面倒な話だと敬遠するのかもしれない。

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