5月初旬からドイツでは、腸管出血性大腸菌(EHEC)による食中毒事故が大規模に広がっている。
菌株はO104:H4と同定されたが、遺伝子解析の結果、別の2つの大腸菌株から遺伝子を獲得していたことが判明した。
一つは、アフリカ中央部のHIV感染者によく見られる大腸菌の遺伝子、そしてもう一つは、O157の遺伝子である。
EHECの新株が生じる場所は、主にウシなどの家畜の腸内と言われていたが、今回のアウトブレイクの原因となったO104:H4は、ヒトの腸内で発生したのではないかと考えられている。
感染者の食事から、汚染された食材の履歴をたどっていくと、サラダなどに使われたスプラウトではないかと思われた。
ただしスプラウト農場の製品ではなく、自宅でスプラウトを栽培して感染した患者も発生したため、種子そのものがO104:H4で汚染されていたという仮説も出てきた。
欧州疾病対策センター(ECDC)と欧州食品安全庁(EFSA)が共同で、原因食品の追跡を行い、マメ科のコロハ(fenugreek)の種子が原因ではないかと推測している。
菌株はO104:H4と同定されたが、遺伝子解析の結果、別の2つの大腸菌株から遺伝子を獲得していたことが判明した。
一つは、アフリカ中央部のHIV感染者によく見られる大腸菌の遺伝子、そしてもう一つは、O157の遺伝子である。
EHECの新株が生じる場所は、主にウシなどの家畜の腸内と言われていたが、今回のアウトブレイクの原因となったO104:H4は、ヒトの腸内で発生したのではないかと考えられている。
感染者の食事から、汚染された食材の履歴をたどっていくと、サラダなどに使われたスプラウトではないかと思われた。
ただしスプラウト農場の製品ではなく、自宅でスプラウトを栽培して感染した患者も発生したため、種子そのものがO104:H4で汚染されていたという仮説も出てきた。
欧州疾病対策センター(ECDC)と欧州食品安全庁(EFSA)が共同で、原因食品の追跡を行い、マメ科のコロハ(fenugreek)の種子が原因ではないかと推測している。
ecdc.europa.eu/en/Pages/home.aspx
www.efsa.europa.eu/
www.efsa.europa.eu/en/press/news/110629a.htm
ドイツ国内の報道は、例えば次の通りで、このコロハの種子はエジプトから輸入した可能性が高いと推定している。
www.spiegel.de/wissenschaft/medizin/0,1518,771476,00.html
www.sueddeutsche.de/wissen/gefaehrlicher-darmkeim-ehec-bakterien-stammen-vermutlich-aus-aegypten-1.1114324
www.efsa.europa.eu/
www.efsa.europa.eu/en/press/news/110629a.htm
ドイツ国内の報道は、例えば次の通りで、このコロハの種子はエジプトから輸入した可能性が高いと推定している。
www.spiegel.de/wissenschaft/medizin/0,1518,771476,00.html
www.sueddeutsche.de/wissen/gefaehrlicher-darmkeim-ehec-bakterien-stammen-vermutlich-aus-aegypten-1.1114324
ECDCもEFSAも、そしてドイツなどの政府機関も、エジプトから輸入した種子が原因だとは断言していない。
ただ、過去2年間のEHEC(O157:H7)による食中毒でもスプラウトが原因食品で、種子が汚染されていたと考えられていた。
そのため、今回も原因食品の候補になったのだろう。
取材したメディアの記事中では、「もしかするとエジプトから輸入したコロハの種子が関係している可能性があるかもしれない」 という婉曲表現になっている。
エジプトなどの北アフリカ地域で、O104:H4が検出されたという情報は、まだ出ていないようだ。
ただ、エジプトから種子を輸入した会社がイギリス企業に販売し、その後ドイツやフランスに再輸出された。
そしてその汚染された種子を栽培したことで、EHECがついたままのスプラウトを消費者が食べることになったと思われる。
エジプトから輸入した種子が原因となれば、強毒性に変化したO104:H4の遺伝子の一部が、アフリカ中部のHIV患者の大腸菌由来という事実と、何か関係がありそうだと思わせる。
日本でも食中毒シーズンだから、このEHECについては続報をしばらく確認しておこう。
また、スプラウト用種子の消毒方法について、時間があれば調べてみたい。
外資系企業から翻訳ではない仕事を頼まれて、土日はほとんど潰れてしまうから、納品後に調べることにしよう。
ただ、過去2年間のEHEC(O157:H7)による食中毒でもスプラウトが原因食品で、種子が汚染されていたと考えられていた。
そのため、今回も原因食品の候補になったのだろう。
取材したメディアの記事中では、「もしかするとエジプトから輸入したコロハの種子が関係している可能性があるかもしれない」 という婉曲表現になっている。
エジプトなどの北アフリカ地域で、O104:H4が検出されたという情報は、まだ出ていないようだ。
ただ、エジプトから種子を輸入した会社がイギリス企業に販売し、その後ドイツやフランスに再輸出された。
そしてその汚染された種子を栽培したことで、EHECがついたままのスプラウトを消費者が食べることになったと思われる。
エジプトから輸入した種子が原因となれば、強毒性に変化したO104:H4の遺伝子の一部が、アフリカ中部のHIV患者の大腸菌由来という事実と、何か関係がありそうだと思わせる。
日本でも食中毒シーズンだから、このEHECについては続報をしばらく確認しておこう。
また、スプラウト用種子の消毒方法について、時間があれば調べてみたい。
外資系企業から翻訳ではない仕事を頼まれて、土日はほとんど潰れてしまうから、納品後に調べることにしよう。
追記(7月2日):
エジプトから輸入したスプラウト野菜の種子が原因の可能性が高いことが、公式に発表されている。
EFSAの調査結果について、ドイツのリスク評価研究所(BfR)が次のように文書を出している。
www.bfr.bund.de/cm/343/samen_von_bockshornklee_mit_hoher_wahrscheinlichkeit_fuer_ehec_o104_h4_ausbruch_verantwortlich.pdf
フランスでの過去のEHEC食中毒事故も、このエジプトの種子輸出会社が関係していると推測されている。
そして今年のドイツでのO104:H4アウトブレイクも、同じエジプトの会社が疑われている。
ドイツ・ビーネンビュッテルのスプラウト栽培農場で、実際にその種子が使われていたと、ドイツ国内では報道されている。
www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,771818,00.html
www.sueddeutsche.de/wissen/der-weg-der-ehec-bakterien-von-aegypten-nach-bienenbuettel-1.1115114
依頼された仕事を片付けてから、これらの記事を精読しておこう。
追記(7月6日):
EUはO104:H4アウトブレイクについて、エジプト産のスプラウト野菜用種子が感染源と特定し、市場から撤去するとともに、10月末まで輸入を一時停止と決定した。
www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2011/110705.html
europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do
www.efsa.europa.eu/en/press/news/110705.htm
(最終チェック・修正日 2011年07月05日)
エジプトから輸入したスプラウト野菜の種子が原因の可能性が高いことが、公式に発表されている。
EFSAの調査結果について、ドイツのリスク評価研究所(BfR)が次のように文書を出している。
www.bfr.bund.de/cm/343/samen_von_bockshornklee_mit_hoher_wahrscheinlichkeit_fuer_ehec_o104_h4_ausbruch_verantwortlich.pdf
フランスでの過去のEHEC食中毒事故も、このエジプトの種子輸出会社が関係していると推測されている。
そして今年のドイツでのO104:H4アウトブレイクも、同じエジプトの会社が疑われている。
ドイツ・ビーネンビュッテルのスプラウト栽培農場で、実際にその種子が使われていたと、ドイツ国内では報道されている。
www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,771818,00.html
www.sueddeutsche.de/wissen/der-weg-der-ehec-bakterien-von-aegypten-nach-bienenbuettel-1.1115114
依頼された仕事を片付けてから、これらの記事を精読しておこう。
追記(7月6日):
EUはO104:H4アウトブレイクについて、エジプト産のスプラウト野菜用種子が感染源と特定し、市場から撤去するとともに、10月末まで輸入を一時停止と決定した。
www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2011/110705.html
europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do
www.efsa.europa.eu/en/press/news/110705.htm
(最終チェック・修正日 2011年07月05日)