2015年12月

先日は「新語・流行語大賞」の発表があったが、私が全く聞いたことがない「流行語」が入賞していてびっくりした。
来年には死語となる運命の新語もあるだろうが、今年何が注目されたのかを振り返るきっかけにはなる。

ドイツ語でも、ニュースをチェックしていると新語に出会うし、昔からある言葉でも、使用頻度が急に高まったものもある。
Gesellschaft für deutsche Sprache (ドイツ言語協会)が、2015年の言葉のランキング、1位から10位を発表した。
第1位は「Flüchtlinge(難民)」で、現状では当然の選択だろう。
gfds.de/aktionen/wort-des-jahres/
gfds.de/wort-des-jahres-2015/

選考理由を読んでみると、今年のテーマとなった言葉というだけではなく、言語学上の興味があるとのことだ。

選ばれた名詞 Flüchtling は、動詞 flüchten (逃げる, 避難する) と、接尾語 .. ling から作られ、「危険から逃れてきた人 = 難民」の意味である。
ただし、この接尾語 .. ling を用いる造語では、言葉に敏感な人たちは、軽蔑の意味が込められていると感じるそうだ。
念のため、独和辞典で接尾語 ..ling について確認してみよう。

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((動詞・形容詞・名詞・数詞などにつけて男性名詞 (-s/-e)をつくる))
1 ((動詞につけて「…される・された人」を意味する))
Prüfling 受験者、 Lehrling 見習い, 研修生、Findling 捨て子, 拾い子、Sträfling 受刑者、
Schützling 被保護者、Liebling お気に入り

2 ((動詞・形容詞・名詞・数詞などにつけて「人」を意味する. 軽蔑的なニュアンスを持つことが多い))
Eindringling 侵入者、Emporkömmling 成り上がり者、Schreiberling 三文文士, へぼジャーナリスト
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Flüchtling(難民)という語を聞いたとき、人それぞれイメージすることが異なるだろうから、軽蔑的ニュアンスと解釈する人もいるだろう。

ということで選考委員会では、代替表現として、Geflüchteten を提案している。

他にも難民関連で durchwinken という分離動詞が第6位に入っている。
これは国境に押し寄せた難民たちを手続きなしで、「そのまま行くように合図して通す」ことだ。

日本の大賞は「爆買い」と「トリプルスリー」だったから、国が違うといっても、あまりにも違いすぎることが印象的だ。

他の語も時間のあるときに確認しておこう。

事業見直しにより勤務先が閉鎖されるので、最後になるであろう、冬のボーナスが支給された
出向社員とは異なり、退職金がない契約社員なので、転職に伴う転居費用のためにも、定期預金で残しておこう。

医薬メーカー子会社の契約社員として9年間勤務した結果について、興味を持つ人もいるだろうから、参考までに金額を示しておこう。

月額賃金は 337,600円で始まり、毎年ベースアップがあって、今年度の月額賃金は 387,100円に達した。
社会保険料と生命保険料を除いて、手取りは約28万円。
生活するのに困らない金額ではあるものの、正社員に比べたら少ない。

月額賃金を基準として、ボーナスは「2か月+業績評価変動」となる。
正社員は「3か月+業績評価変動+利益変動分」だから、ここでも年収に差が生まれる。

ということで、私のボーナス基本額は2か月分の 774,200円。
業績評価で約10%増となり、賞与額は 852,000円。

この金額から、所得税 75,807円、厚生年金保険料 75,947円、雇用保険料 4,260円、健康保険料 25,560円、介護保険料 3,748円が引かれて、支給額は 666,678円。

年収はまだ確定していないが、約620万円となる予測だ。

化学メーカー正社員の中途採用を見ても、年収500万円台もあるので、収入だけを見れば恵まれていた方なのかもしれない。

転職先はまだ決まっていないが、派遣社員に戻る可能性が高い。
年収は再び400万円台に落ち込むので、副業翻訳を増やす必要があるだろう。
日曜日は教会の仕事があるので、翻訳作業時間が足りないのが悩みだ。

erfreuen
I 他 (h)
2 ((雅)) sich4 et.2 erfreuen …を享受する | sich4 beser Gesundheit erfreuen きわめて健康である | 
sich4 großer Beliebtheit erfreuen 非常に人気がある

Die japanische Raumsonde Akatsuki hat die Venus erreicht. Der Forschungssatellit erfreue sich4 
guter Gesundheit2, meldete die japanische Raumfahrtbehörde Jaxa am Mittwoch.
日本の宇宙探査機あかつきが金星に到達した。この科学衛星は良好な状態であると、日本の宇宙航空当局のJAXAが水曜日に発表した。
("Akatsuki-Mission: Japans Sonde erreicht die Venus", Süddeutsche Zeitung, 9. Dezember 2015,
www.sueddeutsche.de/wissen/akatsuki-mission-japans-sonde-erreicht-die-venus-1.2774730

今週も、スマートフォンに届く転職情報のメールを気にしながら、現勤務先での有機合成実験をしていた。
研究所の閉鎖が決まってから、上司も含めて全員が転職先を探し始め、モチベーションの維持が課題となっているが、余計なことを考えずに、最後の仕事をきちんと終えることに集中しようと努力している。

転職情報メールに埋もれてしまいそうだったが、翻訳会社2社からチェックの依頼が来ていることに気付いた。
日英と独日のチェックで、スケジュールがちょうどずれていたので、どちらも受注することにした。

日英翻訳チェックを、なぜ日本人の私が行うのか、それは以前も書いたように、ネイティブ英訳であっても原文日本語の解釈が正しいかどうかを確認する必要があるから。

この案件は、2人の翻訳者が同じ日本語原稿を英訳するトライアル課題であり、クライアントの評価が高い方の翻訳者が、大量の翻訳を担当することになるそうだ。

ということで当然ながら、同じ日本語から英訳しているのに、全く異なる表現になっている。

いくつか気になった点があるが、今回は 「中南米」 の英訳について考えたい。

翻訳者Aは "Central and South America" と、翻訳者Bは "Latin America" としていた。
私が選んだのは、翻訳者Bと同じ "Latin America" である。

翻訳対象の会社案内では、メキシコ支社を含む中南米での事業について説明しており、「メキシコが中米に含まれるかどうか」が判断基準となった。
中米の範囲とは一般的に、メキシコの南に接するグアテマラとベリーズからパナマまでを指す。
地理学上は、メキシコのテワンテペク地峡から中米が始まるとするようだが、国単位で考えると、メキシコは北米の扱いとなる。
だから、英語で "Central and South America" と書くと、メキシコは含まれない。

ただし日本語で 「中南米」 というと、「(広義の)ラテンアメリカ」 のことを指して、「メキシコ以南の国々」 という意識で使っている。
ということで、メキシコを含むことを意識して、"Latin America" を選択した。

その会社のHPでは、グローバル事業の説明で、日本語で 「中南米地域」 の見出しが、英語版では
 "Latin America" になっている。

また、外務省中南米局の英語名称は、"Latin American and Caribbean Affairs Bureau" になっている。
そして 「中米課」 の英語名称は、"Mexico, Central America and Caribbean Division" であり、メキシコが中米ではないことは明らかだ。
www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/sosiki/chunan.html

ということは、これまで 「中南米」 と書いていたが、厳密には 「メキシコおよび中南米ならびにカリブ海」 としなければならないのか。

翻訳の仕事をしていると、いろいろと調査することになり、雑学というのか、新しい知識が得られるので楽しい。

正社員での転職は、3社から不採用通知が届いたため、化学メーカーの研究職派遣か、外資系メーカーでの社内文書翻訳をする派遣社員、そして私立大学薬品管理担当の派遣社員に期待しよう。
そして本当に失業したら、独日特許翻訳で食いつなごう。

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