2016年05月

子会社の解散による退職後、4月から化学メーカーで派遣研究員として勤務している。
4月分の給与が5月13日に振り込まれたので、この金額を基準にして、6月以降の住民税の推定額を考慮した予算を再計算した。

まず、派遣社員(博士・研究職)の給与について記載しておこう。

現在の契約は時給2,150円で、7時間45分勤務なので、日額16,662.5円で計算する(交通費補助なし)。
4月の勤務日数は19日だったので、日額を19倍して端数処理をすると、316,588円が税込支給額となる。
社会保険料と所得税の控除合計が55,432円なので、差引支給額は261,156円。

これを参考にして、住民税が毎月約25,000円と推定すると、差引支給額は毎月の勤務日数によって変動して、約22万円から約28万円の範囲になる。

とりあえず12月までの翻訳料金が月平均30,000円とし、定期預金満期解約や配当などを含めると、今年の残り8か月の収入は約300万円となる。
個人年金掛け金なども含めた支出は、少し多めに見積もっても約290万円なので、年内は黒字の予定だ。

ただし、翻訳料金が予想を下回れば、赤字に陥る可能性もある。
しかも、定期預金を解約して個人年金掛け金を支払っているので、時給が上がらない場合は、来年は赤字になる可能性が高い。

副業翻訳を増やせばよいと言われそうだが、日曜日は教会での奉仕があるので、翻訳のためにまとまった時間がとれるのは土曜日しかない。
本業に影響しない範囲ということで、木曜日夜に始めて月曜日朝に納品する条件で、2,000ワードの案件を月3件受注し、ワード単価12円とすると72,000円となる。
所得税10.21%を引くと64,649円となり、今年の月当たり予算の倍だから、個人年金掛け金は確保できる。

年収は10年前とほぼ同じなので、私一人の生活は可能だし、派遣先で時給が2,400円になればもっと楽になるが、それでも老後の準備も含めていろいろと考えると、年収を上げる転職、または65歳以降も働ける職種を考えている。

公的年金では足りないという試算を既にしているので、最低でも65歳までは働いて、確定拠出年金個人型と民間保険会社の個人年金の掛け金を払い続ける予定だ。
加えて、姉が障害者のため、実家をグループホームにする計画を福祉団体に提案しているので、リフォーム資金の自己負担分を調達するには正社員として働く方がよいだろう。
できれば70歳まで働いて、その後も非常勤などで働き続けたいものだ。

今年50歳になる有機化学研究者が、これまでも正社員への転職ができなかったのだから、どこにも採用されないと思われるかもしれない。
それでも私は基本的に、呼ばれたところで働くという方針なので、能力や経験を活かせる場所があるならば、研究職に限定せずに探し続けるつもりだ。

教会では80歳を超えても、英語能力を活かして貿易事務や翻訳の仕事を続けている方がいる。
教会では私はドイツ語担当となっているようで、ドイツ旅行会話のレッスンや、学生のドイツ留学のアドバイス、それに神学生の要望に応えて聖書や神学関係のドイツ語資料を解説する勉強会などを、無償ボランティアで行っている。
この程度の経験で、いきなり語学教師にはなれないので、ここはやはり翻訳の仕事を一生続けることが一番合っているのかもしれない。

まずは専業翻訳者について考えてみよう。
フリーランスだと社会保険料も自己負担なので、月に45万円の売り上げが目標となる。
ワード単価12円の独日翻訳のみ受注したとして、月37,500ワードを処理することになる。
土日を予備日にして、平日の20日間だけで作業すると、1,875ワード/日となり、不可能な数字ではない。
ただし毎日仕事があるわけではないので、ワード単価が10年前の15円になっても、これは現実的な選択ではない。

すると、社会保険の強制加入となる条件で、どこかの非常勤職員として勤務して、残りの日をフリーランス翻訳者として働くこともあるだろう。
留学関係の非常勤職員の募集を見つけたものの、週2日勤務で交通費支給だが社会保険は未記載だったので、この場合は翻訳でより稼がないといけない。

やはり翻訳で安定的に収入を得るには、社内翻訳者となる方がよいのだろうか。
私は英日と独日で翻訳とチェックの両方ができるし、日英と独英のチェック経験もあるので、少しは有利かもしれない。
また、出版も手掛ける会社であれば、科学や神学のドイツ語に関する小冊子を発行できるかもしれない。

明日の日曜日は聖書の勉強会の最後に、ルター聖書2017年改訂版の話題を提供することになっている。
マタイによる福音書8章24節で訳語の変更があったことを取り上げる。
ギリシャ語のσεισμος (seismos) の訳語を、1984年版の「Sturm(嵐)」から「Beben(地震)」に変更した。
翻訳を受注していないときは、ドイツメディアのチェックだけではなく、聖書に関するドイツ語についてあれこれ考え続けている。

こんな語学の趣味というのか、自然科学と神学の両方に興味を持つ不思議な人材を求める会社はあるのか、探してみたい。

ドイツの新聞・雑誌の記事を読んでいると、キリスト教の基礎知識が必要となる場合がある。
今回は、Süddeutsche Zeitungから、「ヨーロッパの分裂」についての記事を取り上げよう。
聖霊降臨(ペンテコステ)の知識が必要な内容である。
www.sueddeutsche.de/politik/europa-anti-pfingsten-1.2992611

記事タイトルにもある Anti-Pfingsten は、通常は「反ペンテコステ派」などとされるが、ここでは「民族・人々・国家間の対立・分裂・分断」を意味していると考えられる。

5月15日はキリスト教会の誕生日とも言われる聖霊降臨(ペンテコステ)の主日であった。
クリスマスやイースターと並んで、キリスト教にとって重要な大事件が起きたことが聖書に記されている。

新約聖書、使徒言行録第2章から抜粋して記しておこう(新共同訳聖書)。

1五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、
2突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。
3そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。
4すると、一同は聖霊に満たされ、゛霊〟が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。
5さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいたが、
6この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。

38すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。…
41ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。

44信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、
45財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。

47… こうして、主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである。

ここで強調したいことは、聖霊によって外国語を話せるようになったことよりも、バベルの塔崩壊以来バラバラとなっていた人々が、言葉や文化の壁を越えて一つにされたことである。

神でもある「聖霊(der Heilige Geist)」が与えられることによって人々が一つになったわけだが、いわゆる「ヨーロッパ精神(der europäische Geist)」でヨーロッパの各国も一つになろうと努力してきたことが知られている。

しかし最近のヨーロッパでは、統合に向かうよりも、対立・分裂・分断が目立っている。
「我々ヨーロッパ人は」という意識よりも、「我々フランス人は」や「我々ポーランド人は」などの「様々な我々」という意識が強まっている。

すべてのヨーロッパ人がキリスト教徒ではないが、それぞれの文化や言葉などが異なるままでも、一つにまとまって助け合って平和な世界を作ろうと、このペンテコステの時期に考えてもよいのではないだろうか。

erspähen
他 (h)
(あたりをうかがって・探し求めて)発見する

Mit starken Teleskopen erspähen Astronomen längst nicht mehr nur Sterne im Kosmos.
In letzter Zeit vermelden sie vermehrt die Entdeckung ferner Planeten.
高性能の望遠鏡を用いて天文学者は宇宙の恒星だけを見つけているわけではない。最近天文学者は遠方の惑星の検出を報告している。
("Premiere: Astronomen finden Spuren von Kometen bei fremdem Stern", SPIEGEL Online, 20.05.2016,
www.spiegel.de/wissenschaft/weltall/spuren-von-kometen-bei-fremdem-stern-entdeckt-a-1093106.html




Unterzuckerung f. -/-en
低血糖〔症〕

DUDEN:
zu niedriger Blutzuckerspiegel (血糖値が非常に低いこと)

Die US-Gesundheitsbehörde FDA warnt Hundebesitzer eindringlich davor, ihre Vierbeiner
Lebensmittel fressen zu lassen, die den Süßstoff Xylitol enthalten. Harmlos für Menschen
führt dieser bei Hunden zu einer rapiden, oft tödlichen Unterzuckerung, weil er eine starke
Ausschüttung von Insulin auslöst - der Körper des Hundes missversteht den Süßstoff als Zucker.
アメリカ食品医薬品局FDAはイヌの飼い主に対して、甘味料のキシリトールを含む食品をイヌに食べさせないようにと警告している。キシリトールはヒトには無害だが、イヌでは急性で、多くの場合致死的な低血糖をもたらす。なぜならキシリトールはインスリンの大量分泌を引き起す、すなわちイヌの体はこの甘味料をブドウ糖と誤認してしまうからだ。
("Falsche Ernährung: Diese Lebensmittel sind für Hunde tödlich", SPIEGEL Online, 15.05.2016,
www.spiegel.de/wissenschaft/natur/hunde-diese-lebensmittel-sind-fuer-hunde-toedlich-a-1092491.html

ab|legen 
他 (h)

大修館書店マイスター独和辞典3版
1. b. (しかるべき所に)置く

DUDEN
2. an einen Ort legen (ある所に置く): den Hörer ablegen (受話器を置く)

Vor dem Wahlkreisbüro von Bundeskanzlerin Angela Merkel (CDU) in Stralsund haben
Unbekannte in der Nacht zum Samstag einen Schweinekopf mit beleidigender Aufschrift abgelegt.
シュトラールズントにあるアンゲラ・メルケル連邦首相(CDU)の選挙区事務所前に何者かが土曜未明に、侮辱する言葉を書き付けたブタの頭部を置いた。
("Stralsund: Schweinekopf vor Merkels Wahlkreisbüro gefunden", Süddeutsche Zeitung, 14. Mai 2016,
www.sueddeutsche.de/politik/stralsund-schweinekopf-vor-merkels-wahlkreisbuero-gefunden-1.2994402

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