2016年11月

フリーランス翻訳者として、仕事を継続的に受注することが一番重要だが、老後の準備も考えなければならない。
一般的な会社員と異なるのは、退職金がなく、厚生年金もないため、老後の生活費をほぼ自助努力で備えなければならない。

私は派遣社員と契約社員の経験ばかりなので、元々退職金はない契約だったため、確定拠出年金個人型と民間の年金保険で準備してきた。
ただ、独立開業直後は、どの程度収入が確保できるのか不明だったため、確定拠出年金の掛け金を、月額23,000円から15,000円に減額した。
このままだと、60歳になったときに、拠出額の合計は600万円に到達しないため、最低でも月額25,000円が望ましい。
この4か月の翻訳料金収入が、当初の予算を上回っているし、学会の退会などでいくらか節約できているので、来年から月額3万円に増額しようと計画している。

すぐにでも増額の手続きをしたいところだが、確定拠出年金の掛け金変更は、年度中に1回のみ可能である。
私は今年度、すでに1回変更しているので、来年4月1日以降にならないと手続きをしてもらえない。
しかも、4月1日に書類を提出できたとしても、実際に掛け金が変更となるのは、最低でも2か月先となる。
つまり、老後資金を増やしたいと思いながらも、半年以上も何もできずに待つしかないのだ。

ということで、別の手段として、中小企業基盤整備機構の小規模企業共済に加入することにした。
www.smrj.go.jp/skyosai/index.html

今日は雪が降っていて真冬並みの寒さで、外出には向かない日だったが、善は急げということで、最寄り駅前の都市銀行支店で手続きした。
予想通り人出は少なく、窓口での手続きはスムーズに進んだ。

個人事業主としての確定申告はまだなので、開業届の控えを見せて、加入資格の確認となった。
掛け金月額は、とりあえず1万円として、加入審査や口座振替手続きが完了するまでの2か月分2万円を預けた。

半年くらいは月1万円のまま様子を見て、確定拠出年金の増額を優先するかどうかを検討しよう。
確定拠出年金は、運用実績によって年金額が変化するため、どこまでリスクを許容するのかを決めなければならない。

確定拠出年金への拠出は、60歳になる直前で終わってしまうので、その後は小規模企業共済を増額して継続しよう。
また、3年後には奨学金の返還が終わるので、2019年1月からは、月1万円程度の増額も可能となる。
民間の個人年金保険の年額約34万円を回せばよいと思われるが、予定利率が今よりも高いときの契約であり、解約すると非常に損をしてしまう。

老後の心配はこれくらいにして、翻訳案件を安定して受注できるように努力しよう。

毎年10月になると、学会年会費の通知が届く。
大学4年のときから、3つの学会に加入していて、それぞれの年会費は次のとおり。
日本化学会     9,600円
日本薬学会     9,500円
有機合成化学協会 11,000円

合計で30,100円という金額は、支払が困難というわけでもないが、今は研究者ではないので、再検討してみた。
その結果、3つの学会を全て退会し、ついでに、化学系2誌の定期購読もやめて、約4万7千円の節約をした。

学会会員であることで、最新技術の動向などの情報が入ることもあるので、日本薬学会だけでも継続しようかと思っていた。
例えば、日本薬学会の会員誌ファルマシア11月号の特集は、「DDSの最前線」で、医薬・バイオ系特許の案件で役立つかもしれないし。

また、化学系の2誌として、高校3年のときから購読していた、「化学」と「現代化学」の中止も決めた。
どちらも化学の広範囲の話題を取り上げているし、特に「現代化学」は化学英語の連載もあるので、継続してもよかった。

最新の話題を月刊誌という形式で継続的に得てもよいのだが、年間4万7千円使うならば、専門の単行本の他、日経サイエンスや岩波書店の科学などを、その時に知りたい話題に応じて購入することにしたい。

また、翻訳の案件に対応する資料や、辞書の購入費用に充てたいということでもある。

学会から退会して雑誌の定期購読もやめるが、情報収集をネット検索に頼るということではない。
例えば、共立出版の「化学の要点シリーズ」など、参考文献として引用できる紙ベースの資料を手元に揃えておきたい。
www.kyoritsu-pub.co.jp/series/82/

年末年始は、最新技術や業界動向を把握するために、ふさわしい雑誌も探してみよう。

先週初めはかぜをひいて発熱(38.2℃)もあったのに、ワード数の多い案件を作業していて疲れてしまった。
経験上、2日もあれば復活するのだが、翻訳専業で運動不足となって体力低下のためか、1週間経ってもまだ鼻水が出たり、咳をしている。

そんな大変な週であったが、うれしいこともあった。
それは、東日本大震災後と原発事故の影響で閉鎖されていた、福島県の東邦銀行の支店が、12月に営業を再開するとの通知だ。

今から16年前、私はポスドクを続けることを断念して、派遣研究員に登録し、福島県浜通りにある化学メーカー研究所で勤務した。
短い期間であったが、自然の多い田舎に住んだことで、帰国後の大学で起きた事件の傷が、少しは癒されたかもしれない。

地方で働くと、家賃の振込などが便利になるように、地元の地銀に口座を開設することが多い。
ということで、その町にあった東邦銀行の支店で口座開設した。

その後、首都圏の医薬メーカーで派遣就業するために転居したが、東京支店もあるということで、口座は解約していなかった。
首都圏では利用することもないので、数年後に解約を考えたが、手数料と郵送費が必要ということで、そのまま休眠状態で残した。

そして2011年に東日本大震災が起き、続く原発事故の影響で、2000年に勤務していた化学メーカーは閉鎖された。
その町も全員が避難することになり、東邦銀行のその支店も臨時休業となった。

残高もない支店の口座なので、そのまま放置してもよかったが、震災復興に尽力する地銀を微力ながら応援しようと思い、インターネット支店に口座を開設し、少額だが投資信託を購入した。

今月の翻訳料金は、予算よりも大幅に上回っているため、12月に東邦銀行で投資信託の買い増し、又は当面使わない資金を定期預金にしようかと考えていた。
インターネット支店の定期預金は、初回上乗せ金利が+0.10%で有利なので、来年12月に支払う奨学金返済分を1年定期で預けてもよいだろう。

そのように考えていた時、支店の営業再開の案内が来た。
インターネットバンキングの取引口座として登録済みのため、口座に入金すれば、定期預金の作成も可能である。
金利は低いものの、被災地の地銀を応援するという意思表示のために、5万円を1年定期預金として、死ぬまでそのままにしようかと思う。

いつかは決めていないが、その町を訪ねて、支店窓口で定期預金の申し込みをしようと思う。

(最終チェック・修正日 2016年11月18日)

翻訳専業となって、毎月変動はあるものの、8月以降は連続して予算の40万円を超える受注を続けている。
そのおかげで、派遣社員になったときに諦めかけた、年間約35万円払っている個人年金保険を継続できている。

今月は繁忙期なのか、来週納品する案件までで、約70万円の売上となっている(最初は計算ミスかと思った)。
来月12月は、クリスマスがあって教会は忙しいので、翻訳の受注は少し減ると思われるため、この金額が続くことはないだろう。
それでも、12月は、個人年金保険16万円、クリスマス献金2~3万円、奨学金の返済12万円、そして1月には住民税約8万円の支払いがあるので、予算を超える受注を目指そう。

これまでの予算を超過した収入もあるので、今月は Trados Studio 2015 のアップグレードをした。
7月に始めたときは、1万円の Startar を購入したが、機能に制限もあるので、6万5千円で Freelance 版を購入した。
当初は、年明けに購入して、来年の経費にする予定だったが、割引価格だし、特典もあったので決めた。

そして、今年貯めた利益で、来年は翻訳専用のデスクトップPCを新規購入する予定にしている。
翻訳専業となったため、仕事で使うものは、なるべく私物と区別した方が、経費の計算なども楽になるし。

また、現在使っているノートPCは、6年前に購入したもので、スペックも少々物足りなくなったので、メモリが8GBで検討しよう。
PC更新後は、ノートPCは、バックアップ用及びプライベート用にしようと思う。

PC購入予算として、とりあえず20万円を計上しているが、その前に「きょうだいリスク」も考えることになった。
今日も母と電話で、弟の国民年金と国民健康保険の保険料、
合計で約23万円を、来年から私が負担するかどうかを相談した。

実家の隣にあるアパートの家賃収入が年間120万円ほどあるが、年金生活の母が負担を続けるのも大変だ。

ただし現状では、私は弟と生計が別であり、弟の保険料を所得控除に使えない。

保険料を負担するとなると、月当たり約2万円であっても、PC購入予算だけではなく、私のライフプランにも影響が出るのは確実だ。
確定拠出年金の拠出金を月3~4万円に増額する予定だったが、2万円に抑えるかもしれない。

弟が扶養家族にされることを望んでいるかどうかは不明だが、生活費の不足分を仕送りすると、扶養控除と社会保険料控除を使っても、支出増となる。
起こり得るリスクを直視するならば、今後5年以内に、弟のために月8万円は支出するつもりで、予算を考えなければならない。

まずは、来年の確定申告(青色申告)で、どのくらい税金が戻るのかを確認してから、PC購入も含めて予算を決定しよう。

ここでは引用しないが、私は以前、家族の問題について雑誌の取材を受けたことがある。
そしてその内容は、加筆されて新書として発売された。

実家の母とダウン症の姉は、福祉団体の支援もあるので、私が戻らなくても大丈夫だ。
実家は古くなったものの、グループホームを対象とした補助金でリノベーションすればいいし。

一番心配なのは、就職氷河期に新卒採用されなかった弟で、ワーキングプアの代表みたいなものだ。

いくら長く働いても、資格が得られるわけでもなく、昇進するわけでもない。
合格率の低い国家資格の勉強を続けているが、10年以上経っても合格していないので、今後も何も進展しないと思う。

必死に勉強して合格を目指すのか、別の仕事を考えるのか、これは本人に決めてもらうしかない。
弟を扶養する義務は、厳密にはないので、生活保護の申請になってもかまわないが、母が生きているうちは、保険料くらいは負担した方が安心してもらえてよいのかもしれない。

別居の扶養家族にする場合、弟の収入証明も必要なので、これも本人がきちんと対応してくれるのかどうか不明瞭である。

このように、法律で強制されてもいないのに、「きょうだいだから」ということで助けなければならず、自分のライフプランにまで影響が出てしまうことがある。
これが、「きょうだいリスク」だ。

何歳まで続くのかわからないが、とにかく翻訳受注が継続するように努力して、80歳まで働くことにしよう。

7月に英語とドイツ語の翻訳者として独立開業、個人事業主となってから、ほぼ毎日、特許明細書の和訳をしている。
副業翻訳のときから継続している翻訳会社2社のうち、1社の特許翻訳案件が95%ほどを占めている。

もう1社は、契約書や商品パンフレット、業界専門誌などの和訳が多く、特許以外の経験も積める。
しかし、見積もり段階でのスケジュール問い合わせ後、失注することが多く、月に1件、それもチェック(英日・独日)があればいい方だ。
安い料金で早く納品する会社に、見積もり段階で負けているのだろう。

今のところは、特許翻訳だけで、仕事が途切れることがなく、今月の売上予定は初めて60万円を超えた。
予算を20万以上超えているので、PCの更新など、事業用資金の確保が可能となっている。
教会のクリスマス献金も、これで少し多めに出せるかもしれない。

今月も、クライアントの都合を優先するために、少々きつい納期の案件があるのだが、個人的なスケジュールを調整して対応しよう。

私はプロテスタントなので、日曜日は朝から都内の教会に出かけて、礼拝以外にもいろいろと奉仕(仕事)がある。
聖歌隊の練習が一番多く、次いで、行事関係の委員として、様々な会合や祝会、バザーなどの準備から片付けまで担当する。

そのため、原則として、安息日の日曜日には翻訳をしない、というスケジュールで受注して、両立できるようにしている。
例えば、月曜納期の案件の問い合わせがあったとき、その直前の土日に教会のバザーを手伝う必要があったため、火曜納期に変更してもらったこともある。

それでも、時間が足りなければ、日曜日の夜に翻訳をしてしまうこともあるが、
翻訳をしない日を予め設定することで、サイクリングなどの運動に加えて、教会活動が気分転換の1つになっている。

これからクリスマスに向けて、いろいろと準備をすることになるので、日曜日は一日中空けておく必要がある。
そのため、月曜から土曜まで、翻訳作業の他に、買い物や家事、休憩時間の取り方も含めて、より効率的に進める必要がある。
教会活動も日曜日に限らず、平日に行われることがあるからだ。

その1つは、葬儀であり、これは事前に予想することもできない。
先週、事故で教会員が亡くなったため、月曜日の午後に葬儀が行われた。
この日は英日特許翻訳の納期であったが、
葬儀に参列後、19時から作業を再開して、23時になる前に納品できた。
間に合ったからよいが、何もないときでも、のんびりしないで、可能な限り作業を進めておいて、突発的なことに備えるべきだろう。

他にも聖書研究会や祈祷会などもあるが、これに参加すると翻訳時間が足りなくなって、日曜日に影響するため、なるべく断っている。
ただし、明日水曜日の夜は、年2回、他教会と合同で行う特別な行事があり、牧師からも依頼されているので、参加しなくてはならない。

ということで、今日は、1200ワード程度の短い独日翻訳を急いで作業して納品した。
明日は、もう1件の独日翻訳をできるところまで進めてから、教会に行くことにしよう。

今月は他に英日翻訳2件があるが、2件目の納期の直前に、教会と関係が深い障害児教育の学校見学会がある。
翻訳の進捗によっては、キャンセルする可能性もあるが、どうしても見ておきたい学校なので、他の用事を入れないようにしよう。
また、納期前日の日曜日から、クリスマスの準備が始まるのだが、1か月以上前なので、特に重要でなければ、欠席してもかまわないか、交渉してみよう。

納期が均等に分散していると楽なのだが、これはクライアントの都合もあるし、先日のように、他の翻訳者の代わりに担当する緊急案件もあるので、柔軟な考え方で対応していこう。

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