2018年07月

2016年8月に個人事業主(翻訳業)として開業届を税務署に出してから、10月から中小企業基板整備機構の小規模企業共済に加入した。
確定拠出年金個人型(iDeCo)もあるが、廃業するまで積立できるし、毎月の掛け金は最大7万円で、全額所得控除に使えるので有利だ。

最初は月1万円で開始し、その後1万2千円まで増やしたが、弟への仕送りをすることになり、現在は月1千円まで減額している。
今年12月に奨学金の返済が完了するので、2019年からは、月1万円に増額しようと思う。

月1万円ならば、つみたてNISAという選択肢もあるが、所得控除が使える小規模企業共済を優先するかもしれない。
60歳まではiDeCoと小規模企業共済にして、61歳からiDeCoの代わりにつみたてNISAにすればよいだろう。

小規模企業共済では、廃業するまで積み立てるわけだが、PC更新や事務所を借りるなど、事業用資金が必要になった場合には、指定された限度額内で借入できる。
www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/loan/01.html

加入からもうすぐ2年となるため、「借入資格取得通知書」 と、「借入窓口の登録申出書」 が届いた。
10月から利用可能で、貸付限度額は10万円、貸付利率は年1.50%である。

今年はPCを更新しないし、Trados 2019 へのアップグレードもしないので、事業用資金は不要である。
また、海外の翻訳会社との取引が予想よりも多くなり、辞書などの購入費も足りているので、借りることはないだろう。

ただし、私はデビットカードを使っていて、クレジットカードを持っていないため、例えば、PCが突然クラッシュして使えなくなったら、購入資金に困るかもしれない。

優先順位としては定期預金の解約が先だが、何かの保険の意味で、この一般貸付制度の登録をしようと思った。

そして金融機関の説明を見ると、借入窓口は商工組合中央金庫となっているのだが、他の金融機関を希望する場合は、借入窓口の登録申出書を提出する必要がある。

今日届いたのに、8月10日が投函期限となっている。
その期限を過ぎると、登録されるのは来年4月以降だ。

翻訳料金の受け取りに使っている三菱UFJ銀行の口座を登録してみよう。

自民党議員の不適切発言は、以前から数多く知られているが、特に今週は、「新潮45」という雑誌の朝日新聞批判特集に掲載された、杉田水脈議員の極端な意見が注目されている。

その記事は、買い物途中に書店に寄って立ち読みしたが、雑な書き方をしているので、購入する気は起きなかった。
多文化共生社会だとか、ダイバーシティという概念は、杉田議員が望む日本社会を破壊すると信じているようだ。
岩波の「世界」などで今後引用されて、そのときに再度読む必要があれば、近くの図書館に行って、コピーすればよいだろう。

この杉田議員の LGBT 批判の雑誌記事について、CNNでは7月26日に英語記事になっている。
edition.cnn.com/2018/07/25/asia/japanese-politician-criticism-intl/index.html

この記事を読んで、victim-blame (被害者を批判する、被害者たたきをする)という動詞を初めて知った。

元々は、victim-blaming 被害者たたき(被害者にも過失があると批判すること)という名詞があり、これから逆に動詞が作られた。
三人称現在単数形は、victim-blames、現在分詞は、victim-blaming、過去形・過去分詞は、
victim-blamed

杉田議員を紹介している部分を引用しておこう(太字・色付けは私が行った)。

Sugita, who belongs to Japanese Prime Minister Shinzo Abe's ruling Liberal 
Democratic Party (LDP), is no stranger to controversial statements.

She has previously denied the existence of comfort women, victim-blamed 
the leader of Japan's MeToo movement, and garners more than her fair share 
of media attention for a junior lawmaker, according to Temple University 
professor Jeff Kingston.

杉田議員が、どういった被害者たたきをしているのか、それはBBCでも放送されたということで、知っている人も多いだろう。
この記事では、被害者の個人名を出すことなく、the leader of Japan's MeToo movement という表現で代替し、しかも、日本でも MeToo 運動が起きていることも伝えている。

科学論文や特許明細書では、絶対に出会わないと思われる単語であったが、杉田議員のおかげで知ることができた。
仕事とは無関係に、英語もドイツ語も、そして勉強を中断しているノルウェー語でも、雑学レベルでもよいから、コツコツと知識を仕入れていこう。

追記:
引用したCNNの英語記事の和訳を Twitter で公開している人がいた。
深夜に翻訳したそうで、そのためか誤訳が含まれており、ここではリンクを示さないことにした。
検索しても見つからなかった場合のため、誤訳の例を示しておこう。

1) .. in a magazine article published last Wednesday 
 昨年水曜日に出版された雑誌の記事で → 先週水曜日に

2) Sugita, who belongs to Japanese Prime Minister Shinzo Abe's ruling Liberal Democratic Party 
 安倍内閣に就任している杉田議員 → 日本の安倍晋三首相が率いている自由民主党に所属している

この人は翻訳者として仕事をしているわけではないが、「なんとなく翻訳」をしている大学生が、これからも社会に出てくるのだ。
私も、誤訳をしないように、ストレスを溜めずにリラックスした環境が翻訳作業をしようと思った。

生命保険に加入していると、年に最低1回は、契約内容の確認が行われる。
最近は、オンラインで確認することもできるが、生命保険会社から書類が届いたり、担当者から電話連絡が来ることもある。

今年は5月下旬に、ある生命保険会社の2つの支店から確認の電話があった。
担当者というのは、基本的に1人なので、2つの支店から連絡が来ることはおかしい。

そのうち1人は、担当者と同じ支店Aの者だと名乗っていたが、本来の担当者が不在なのか、育児休暇などで休職中なのか、その人が本当に代理なのか、私は事前に知らされていない。

本来の担当者が不在時であっても、誰でも問い合わせに対応できるようにしてある、という説明があったと記憶しているが、「担当の〇〇の代理の××です」 などと言わずに、話を先に進めようとする。

加えて、この人は、私が話している途中で、質問内容などを勝手に解釈して、話し始めてしまう人だった。
この態度が一番気に入らなかった。
面会を希望していたのだが、忙しいので、オンラインで契約確認をして終わりにした。

すると、数日後、別の支店Bから電話があった。
私が2年前に既に退職した製薬メーカーの法人担当だと名乗り、1年以上コンタクトしていない契約者に順番に連絡しているそうだ。
ただし、私が退職した時点での担当支店は、まったく違う支店Cだ。

退職後も、当時の法人担当者が継続して担当することもあるが、私は退職後4か月目に、支店Cから支店Aに担当を変更していた。
その変更は、オンラインで確認可能であったにもかかわらず、支店Bの社員は、古い情報で連絡してきたのだ。

私の退職後、その会社の契約者情報は、退職者も含めて支店Cから支店Bに引き継がれたようだ。
しかし、情報が更新されていないため、退職2年後に担当ではない支店Bの法人担当者から連絡が来たわけだ。
大規模リストラをした会社なのだから、そこを担当するならば、念のため確認ぐらいするものだろう。

こんなことがあったため、オンラインの問い合わせフォームを使って、支店Aおよび支店Bのどちらも、私の担当にしないでほしいという要望を出した。
住所地を担当する営業所で、仮の担当者を決めてほしいとも依頼したが、2か月経っても何も返事がない。

保険契約を見直すこともないし、保険金の請求もしないので、担当者がいなくても困らないが、9月には所得補償保険の更新があるので、8月中になんとか担当者を決めてほしいものだ。

大手保険会社とはいっても、希望するサービスを受けられないこともある。

10年近く前に登録して忘れかけていた翻訳会社から、鉄鋼関連のドイツ語論文の和訳案件を受注した。
メインの仕事の特許翻訳でも、今後は金属材料関係の特許もあるだろうから、そのときに受注できるように、勉強のつもりで取り組んでいる。

学生の時からドイツ語の化学論文を読み、ドイツメディアで科学分野の記事を読み、そして翻訳でも様々な分野に取り組んできたが、専門用語の適切な和訳がわからないことがある。

運よくオンライン独英辞書で見つかれば、英語での名称を手かがりにして、日本の学会誌も含めて検索すれば、和訳が見つかることもある。
それでもわからない場合は、Wikipedia などでドイツ語や英語で説明を読んで、日本語訳を作ることもある。

今回の鉄鋼関係の論文でも、2016年出版の「科学技術独和英大辞典」で調べても、全くわからない用語が複数あった。

それで、鉄鋼関連の辞書を検索したところ、ドイツの出版社 Stahleisen の独英辞典が見つかった。
Verlag Stahleisen Wörterbuch. Deutsch-Englisch/ Englisch-Deutsch.
www.stahleisenshop.de/buecher/fachbuecher-stahleisen/nachschlagewerke/verlag-stahleisen-woerterbuch-deutsch-englisch-englisch-deutsch/a-20822/

2015年に発売されていたが、この分野の翻訳を受注したことがなかったので、探してもいなかった。
紀伊国屋書店で注文しても、アマゾンで注文しても、ヨーロッパから発送するとのことで、納期に間に合わないことが判明した。

そこで、翻訳会社に相談したところ、その辞書を持っていないとのことで、クライアントに和訳を問い合わせるとのことだった。

もう少し調査してから問い合わせた方がよいと思ったので、国立国会図書館で蔵書検索すると、その Stahleisen 社が発行した古い独英辞典が見つかった。
1987年発行ということで、30年も前の情報だが、何もないよりはましだ。

今日は、朝から15時まで都内で用事があり、終わってすぐに地下鉄で永田町駅に移動し、急いで国立国会図書館に向かった。
手続きしてから約20分後の16時10分頃に貸出可能となった。
土曜日の閉館時間は17時なので、調査時間が足りないと心配したが、30分以内に終えることができた。

不明の用語が残ってしまったものの、あいまいだった用語のいくつかの英訳が判明した。
これでクライアントに質問するとしても、例えば、「〇〇と××の2つの可能性があります」という提示ができることになった。

国会図書館の閉館時間が迫っていたので、これ以上の調査をせずに、帰宅途中で紀伊国屋書店に寄って、金属加工関連の専門書を探した。

秀和システムの図解入門 最新 金属の基本がわかる事典を購入して、論文で紹介されている技術について確認することにした。
www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/4431.html

読んでみると、この書籍で使っている用語をそのまま採用してもよいと思える場合もあった。

アマゾンで注文した独英辞典は、運がよければ納期前日に届くかもしれないが、あまり期待せずに、和訳を考え出そうと思う。

前回も書いたが、今月は翻訳料金を返金するという初めての事態を経験して、少々落ち込んでいた。
その逸脱行為をした翻訳者がいなくなった影響とは思えないが、その海外の翻訳会社からは、返金分を上回る仕事をもらうことができた。

16日の祝日は、教会で子どもたちの行事があったのだが、今回は遠足ではなく室内で行うということで、私は手伝う必要がなくなった。
そんなことを翻訳会社は知らないわけだが、ドイツのある地域を紹介するパンフレットの和訳の依頼が来た。

このパンフレットは、ドイツ南西部のある地域の商工会議所が作成したものだ。
内容の8割ほどは観光案内であるが、その地域の人口や出生数、購買力などのデータも含まれている。

この地域には留学中に3日ほど滞在したことがあり、観光案内で紹介されている山の上の城などが懐かしい。

ドイツということで、キリスト教の教会や修道院も観光スポットとして紹介されているため、同学社の 「キリスト教用語独和小辞典」 を利用した。
この辞典は、キリスト教関係の新聞記事などを読むために購入したわけだが、翻訳の仕事で使うのは初めてだった。

ドイツ語のパンフレットを日本人がそのまま読むことは想定していないので、口語・俗語・方言が出てくることもある。
今回出てきた表現の1つを紹介しよう。

それは、「無料で」を表す für lau である。

小学館の独和大辞典第二版では、3番目の語義で「方言」として採録されている。

三修社の新現代独和辞典では、auf lau も含めて、「俗語」となっていて、まれにしか使われないともある。

学習用独和辞典には載っていないものの、商工会議所が作成したパンフレットなのだから、俗語ではなく、方言の扱いの方がよいのではないだろうか。

英語一辺倒の日本では、ドイツ語翻訳者が足りないため、特許以外も翻訳できるように、コツコツと実績を作っていこう。

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