2019年12月

今朝、株価チェックのために YAHOO! ファイナンスにアクセスしたところ、先週20日の株価のままだった。
ブラウザの更新をしても変化なし。

よく見ると、下に示したように、不具合発生のようだ。
そして、原因としては、「日本の証券市場はお休みです。-天皇誕生日」と出ているように、設定ミスのようだ。

Yahooファイナンス更新停止天皇誕生日 

株価を知りたければ、証券会社などのサイトから検索できるので、特に困ることはない。

システム担当者は、新元号への対応ばかり考えていて、祝日の変更のチェックを忘れていたのだろうか。

午後に参加した翻訳関係の会合で、休憩時間にこの不具合について話題にした。
すると、ある翻訳会社の方から、「祝日と勘違いして会社に来なかった社員がいた」という話を伺った。
有給休暇を取得していた人はまだよいが、本当に祝日だと思い込んでいた社員もいたという。
かわいそうなので、欠勤ではなくて、有給休暇の事後承認にしてあげたいものだ。

2020年からは2月23日が天皇誕生日だ。
2月は日数が一番少ない月なのに、祝日が1日増えるので、いろいろと影響がありそうだ。

2020年2月23日は日曜日なので、翌24日が振替休日となり、完全週休二日制ならば3連休だ。
旅行などで消費が増えると期待するのかもしれないが、翻訳会社の営業日は1日減るので、3月の仕事が増えるかもしれない。
まあ、来年はうるう年で1日多いので、プラスマイナスゼロでいつもと変わりないかもしれないが。

岩波書店の新刊案内2020年1月版を確認した。
www.iwanami.co.jp/files/annai/202001.pdf

いつもは新書とブックレットを中心に購入予定を立てている。
1月版ということで、来年の新企画についても掲載されていた。

その中で興味を持ったのは、「世界ことわざ比較辞典」だ。
PDFから切り取った説明を下に貼り付けておいた。

日本の代表的なことわざを見出しとして、世界の対応することわざについて、20言語で並べて比較できるという。
特許翻訳では使わないが、新聞記事などを読むときには使えるかもしれない。
まだ値段は不明だが、経費で購入することにしよう。

ところで、編集は日本ことわざ文化学会とあり、初耳である。

www.kotowaza-bunka.org/

来年3月28日に辞典の刊行を記念した「世界ことわざフォーラム」が開催される。
時間があれば参加してみよう。


岩波世界ことわざ比較辞典
 

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者で安倍晋三首相と近い関係にあると言われている山口敬之氏から、望まない性行為による精神的苦痛を受けたとして、民事訴訟により損害賠償が認められた。

この判決については、ドイツも含めて各国メディアが取り上げている。

報道内容についてのSNS投稿などで目立つのは、海外メディアでは山口氏を紹介するときに、「安倍晋三首相と近い関係にあると言われている」という表現を用いているが、日本の大手メディアでは触れていないということだ。

断定せずに、「~と言われている」とか、「~と噂されている」と書けばいいのに。
それとも、山口氏が安倍首相と親しいことは、日本国内では有名なので、書かなくてもよかったと判断したのか。

このような訴訟の記事では、論文や特許ばかり読んでいては出会わない表現を学ぶことになる。
「安倍晋三首相と近い関係にある」のドイツ語表現について、Spiegel と Die ZEIT の記事から引用しよう。

Spiegel では動詞 nachsagen を使っている。

Der Beschuldigte ist der prominente Fernsehjournalist Noriyuki Yamaguchi, ein mächtiger Gegner. Ihm3 werden enge Beziehungen4 zu Premier Shinzo Abe nachgesagt.
被告は有名なテレビ局記者の山口敬之氏で、手強い相手である。山口氏は安倍晋三首相と近い関係にあると噂されている

www.spiegel.de/politik/ausland/japan-shiori-ito-gewinnt-schadensersatzprozess-in-vergewaltigungsfall-a-1302083.html

nach|sagen 他 2 (nach|reden) ((jm. et.4)) (…について陰口めいたことを)言いふらす,悪口を言う: Ihm wird Geiz nachgesagt. 彼はけちだとうわさされている

Die ZEIT では動詞を接続法I式にして、伊藤氏の発言として引用している。

Laut Ito wurde ein Strafverfahren kurz vor der geplanten Festnahme des Journalisten gestoppt. Ito führt dies darauf zurück, dass er enge Beziehungen zum japanischen Regierungschef Shinzo Abe habe.
伊藤氏によれば、その記者の逮捕が予定されていた直前に刑事訴訟手続きが停止された。伊藤氏は、彼(山口氏)が
日本の首相の安倍晋三氏と近い関係にあることがその理由だとしている。
www.zeit.de/gesellschaft/zeitgeschehen/2019-12/japan-shiori-ito-me-too-vergewaltigung-entschaedigung

「人間関係」を意味する Beziehung は、ふつう複数形の Beziehungen で使い、関係する相手を zu <mit> jm. (3格)で表す。

今週はアドヴェント第3週で、来週はクリスマスだ。
世間はいろいろと騒がしいが、この世の闇を照らす光として来られたイエス・キリストの御降誕を静かに祝いたい。

イエス・キリストの呼び名として、「神の独り子」というものもある。

ドイツ語では、der eingeborene Sohn Gottes(最後の Gottes は省略されることが多い)。

形容詞 eingeboren は、原典のギリシャ語からの翻訳借用である。
ドイツ語の Wikipedia を参照してほしい。
de.wikipedia.org/wiki/Eingeborener_Sohn

クリスマスに読みたい聖句として、例えば、ヨハネによる福音書第3章16節を引用しておこう。

Luther 2017: 
16 Denn also hat Gott die Welt geliebt, dass er seinen eingeborenen Sohn gab, auf dass alle, die an ihn glauben, nicht verloren werden, sondern das ewige Leben haben.

聖書協会共同訳2018:
16 神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。御子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。

日曜日の今日は、いつものように教会に行った。
朝礼拝と夕礼拝の2回出席した。
2回も礼拝に出席したのは、説教者が異なるからであった。

朝礼拝の後に聖歌隊練習をして、昼食をとり、クリスマスの準備も少ししたところ、14時頃になった。
夕礼拝が始まる18時半まで時間があるので、紀伊国屋書店に届いた書籍を受け取り、そして岩波ホールに行って映画を観ることにした。

12月7日から上映されているのは、「リンドグレーン」。
岩波ホールの紹介は次のリンクから。
www.iwanami-hall.com/movie/

映画「リンドグレーン」の公式ホームページは次のリンクから。
lindgren-movie.com/

児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの作品は、実は1つも読んだことがない。
興味を持った理由の1つは、スウェーデン語とデンマーク語の映画だから。
ノルウェー語(ブークモール)をかじっているので、似ている単語や発音について確認したかった。

もう1つの理由は、キリスト教メディアのクリスチャンプレスで紹介していたからである。
その紹介記事は次のリンクから。
www.christianpress.jp/lindgren-movie/

公式ホームページにもある「暗闇から明るみへと」という言葉が、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスシーズンにふさわしい映画を感じさせる。

クリスチャンプレスの紹介記事の中から、教会や信仰について書かれた部分を引用しよう。
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思春期を迎えたリンドグレーンは、より広い世界に目が向き始め、教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりや男女の扱いの違いに息苦しさを覚え始める。生活の中心となっている教会は、閉鎖された社会の象徴のよう。父親ほど年の離れたブロベイルと道ならぬ恋をして妊娠した時も、母ハンナは教会に集う人間の目を恐れ、「教会には絶対に知られてはいけない」と、膨らんだお腹が目立たない服を着るよう指示する。ブロベイルが「リンドグレーンを離さない」と両親に宣言しても、信仰を盾にして受け入れられない。その後、リンドグレーンはデンマークに行き、秘密裏に男の子を出産し、里親に託すのだった。

生まれてすぐに愛する子を手放し、2年半後、ようやく引き取って一緒に暮らせるようになった時には、母として見てもらえず、また苦悩の日々が始まる。経済的にも精神的にも最も苦しい時期だったが、リンドグレーンは現実から目を背けず、真正面から戦い続ける。

リンドグレーンも両親も、もし信仰を持っていなかったらどうなっていただろう。キリストの愛と赦しがなければ、子どもたちに生きる喜びを伝える作家にはなれなかったのではないだろうか。苦しみの先に希望があること、それを勇気を持って追い求めることを、リンドグレーンは教えてくれる。教会は閉鎖された場所ではなく、互いが赦し合える和解の場所、自由を得られる場になれることを。
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この映画の中で、教会の場面は短いものの、非常に印象的であり、聖書の世界を知っていると理解が深まるだろう。

最初の礼拝の場面は、ソドムとゴモラについての説教だ。
この罪にまみれた街の話、つまりドロドロした人間の罪の話が、アストリッドの人生と重なって見えてくる。

家族の仲が壊れてしまった暗闇の時期を乗り越えて、最後は子どもを連れて両親に会いに戻る。
頑なだった両親も孫を受け入れ、そして翌日は日曜日だから教会に一緒に行こうと誘い、アストリッドは笑顔で答える。

家族全員で礼拝堂に入っていつもの席に座ると、幼なじみが笑顔で迎え、そして不倫相手だったブロベイルも笑顔になり、苦難を乗り越えて互いに赦し合うことの大切さ、信仰の力を感じさせる。

教会でも紹介しようと思う。

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