2020年02月

中性名詞 Herz(心、心臓)は、特殊な格変化をする。
左側に示した一般的な弱変化の他に、「心臓」の意味の場合、医学では右側に示した強変化となる。

     弱変化    「心臓」(医学)
1格 das Herz    das Herz
2格 des Herzens   des Herzes
3格 
dem Herzen   dem Herz
4格 
das Herz    das Herz

今回は2格の弱変化 Herzens の例を引用する。

マタイによる福音書第5章8節(心)
Luther (2017):
8 Selig sind, die reinen Herzens sind; denn sie werden Gott schauen.

新共同訳、聖書協会共同訳:
8 心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。

知恵の書第2章2節(心臓)
Luther (2017): 
2 .. Denn der Atem in unsrer Nase ist nur Rauch und unser Denken nur ein Funke, der aus dem Pochen unsres Herzens entsthet.

新共同訳:
2 .. 鼻から出る息は煙にすぎず、 人の考えは心臓の鼓動から出る火花にすぎない。

聖書協会共同訳:
2 .. 我々の鼻の息は煙にすぎず 思考は我々の心臓の鼓動から出る 火花にすぎない。

「例のあやしい翻訳講座」の話題は、連日ツイッターで投稿されている。
私が専門のドイツ語特許翻訳には、現時点では無関係だが、翻訳業界が信用されなくなると困るので、今回も記事にしたい。

浅野正憲という自称1000万円翻訳者が、テレビ番組の取材を受けたことを、先週2月10日に「在宅翻訳起業」のサイトで報告していた。

電車広告の次はテレビ番組出演で、これで世間から認められたと宣伝したいのだろう。
出演タレントとの写真も、無知な人たちをだますために悪用することだろう。

昨年から副業が注目されているので、その1つとして翻訳が取り上げられてもおかしくはない。
ただ、どうしてこの人物が優先して取材対象になるのか不思議だった。

どのテレビ局なのかと、いろいろな予測が出回ったが、本日2月19日に記事が更新されていた。
その内容から、関東地区の3チャンネルで放送される番組らしいことが判明した。
その番組に関する情報は、以下のツイッターにあるリンクを参照してほしい。

この番組では主に、女性向けのファッションやコスメなどで、話題の商品を紹介しているようだ。
「上昇志向の女性」をターゲットにしているらしいので、「英語を使って仕事をする翻訳」というのは、興味を持ってもらえる話題ということなのだろう。

この番組を制作している、広告代理店の株式会社AZEAL-BRANDINGのサイトを見ると、次のように紹介している。

【GirlsHappyStyleは貴社のブランドに新たな価値をプラスするブランデットエンターテイメントです。】

ということなので、浅野正憲側から「例のあやしい翻訳講座」の宣伝を依頼して、番組で紹介してもらう契約をしたのだろう。

番組サイトの「ショッピング」を見ると、類似の怪しい商品がいくつか掲載されている。
例えば、脳波を自在にコントロールしてストレスを解消する方法は、DVD教材と実技研修で30万円(税抜)もする。

まともな商品もあるが、効果がはっきりしない健康食品や、上記のような怪しい教材も紹介しているので、浅野正憲の翻訳講座の内容を精査せずに、番組で取り上げても不思議ではない。

憲法では、表現の自由が保障されているが、単なる広告宣伝番組を作って、内容を吟味せずにそのまま垂れ流すことは、放送の倫理規定に違反しないのだろうか。

もしかすると、番組のどこかで、紹介する商品について責任を負わないことを明示しているのかもしれない。
それでも、これまでも問題になったダイエット法の番組と同様に、不正確な情報で被害者が発生するおそれがある。
既に何人かの方が要望を出しているように、放送の中止を検討してほしいものだ。

もし放送されてしまった場合には、被害者が出ないように、啓蒙活動を続けることになる。
また、番組に対する苦情は、放送倫理・番組向上機構(BPO)に相談してもよいだろう。
www.bpo.gr.jp/

今日は短いドイツ語和訳案件を処理した。
ワード数は200未満で、翻訳料金は、1件の最低単価として設定されている3000円(税抜)であった。
ワード単価は16円を超えるので、これだけ見ると10年以上前の単価に思える。

ただ、内容が金融関係という専門外だったので、受注をためらってしまった。
専門が化学なのに、私に回って来るということは、ドイツ語翻訳はそれほど人材不足なのかもしれない。

ファイルを開いて確認すると、経済用語の独和辞典でなくても、手元にある独和法律用語辞典で対応できそうだった。
ということで、辞典で8割くらい調べて、残りはネット検索で経済用語を確認した。

今回の翻訳料金は、消費税10%が加算されて、源泉所得税が引かれると、2994円の受取額になる。
この副収入は書籍代になりそうだが、少し足して5000円を寄付金としてもよいかなと思った。

それで、国連UNHCR協会の情報を見たところ、明治ミルクチョコレートを購入すると、売上の一部が難民支援に寄付されることを知った。

国連UNHCR協会と株式会社明治のサイトは、それぞれ以下のリンク。
www.japanforunhcr.org/archives/meiji
www.meiji.co.jp/learned/cheer/unhcr/

また、国連UNHCR協会のツイッターも引用しておこう。
スーパーのチラシを見ると、今日はライフで明治ミルクチョコレートが税抜88円と安売りをしていた。
しかも、5%割引のクーポンが使える日なので、18個も購入した。

5000円をそのまま寄付した方がよいかもしれないが、日常の買い物が支援につながるということを実感するのもよいだろう。

明日は教会で、知り合いにも宣伝しておこう。

個人型の確定拠出年金を始めたのは、派遣社員のときだった。
厚生年金には加入していたが、退職金はないので、自分で用意することにした。

その後、ある試薬メーカーに正社員として転職したとき、厚生年金基金があるということで、確定拠出年金からは脱退した。
しかし、上司のパワハラなどもあって3か月で退職してしまった。

再び派遣社員となり、2006年10月に医薬メーカー子会社の契約社員に採用されて、個人型確定拠出年金に再加入した。
子会社採用で、しかも契約社員なので、退職金がないからだ。

2016年3月に、その子会社が解散した後も、拠出額を減額して継続した。
そして翻訳会社に入社してからは、月2万3千円に戻して継続している。

今月で加入から13年3か月となった。
拠出額ベースで比較すると、今月初めて損益がプラス100万円になった。
先週も1回到達したが、株価の急落もあってプラス90万円台に低下した。
株価が上昇した今週は、木曜日と金曜日に、再びプラス100万円台となっている。

予想の10年よりは長くかかったが、このまま順調に推移してほしいものだ。
今後の経済状況は予測できないので、50万円分を売却して定期預金として元本確保にしてもよいが、それは1年かけて考えてみよう。

一度正社員になったための空白期間がなければ、もっとプラスになっていたかもしれないが、まあそれも人生だ。

リーマンショック後など、なかなかプラスにならなくて心配になったこともあるが、そのときに積み立てた分が、今のプラスに貢献している。

拠出期間が65歳まで延長になれば、より年金資産を準備できるし、その間は所得控除が受けられるので有利だ。
退職金扱いで一度に受け取るとして、その時点で民間の年金保険に加入するかどうか、検討することになるだろう。
別に積み立てている民間年金保険も65歳で満期になるので、小規模企業共済と併せて、老後資金を確保したい。

ところで、フリーランス翻訳者のライフプランはどうなっているだろうか。
国民年金のみで、一生翻訳して収入を得ることになるのだろうか。

iDeCoに加入すると月6万8千円まで、小規模企業共済ならば月7万円まで拠出できるが、社員として厚生年金があれば会社が半分負担するし、公的年金は一生もらえるので、その差は大きいかもしれない。

翻訳者になって年収〇〇万稼ごうなどと言う人もいるが、年金も含めた現実の話をしてほしいものだ。

(最終チェック・修正日 2020年02月04日)

春節も終わり、海外の翻訳会社の中国支社も営業を再開している。

ということで、今日もドイツ語和訳のチェック依頼のメールが届いた。
2000ワード程度のチェックならば、平日の夜でもできるので、受注することにした。

ファイルサイズが大きいため、メール添付できないとのことで、ウェブ上のファイル転送サービスを使っていた。
アクセスすると、Trados のパッケージではなく、Trados で自動作成されたフォルダだった。
中には翻訳済みのファイルが入っているものの、数が多いので、返却パッケージを作成してもらい、再度送ってもらった。

そして夕食後にチェックを始めたのだが、和訳の品質はひどかった。
そのため、途中でチェックをやめて、翻訳者に戻すように、翻訳会社に依頼した。

まだ返答はないが、元々の翻訳の締め切りが明日4日なので、1日見直しに使ってもらってもかまわないはずだ。
そして品質が改善された後ならば、チェックの負担も減るだろう。

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【追記(2月4日):
 回答によると、誤訳や訳抜けを含むセグメントは、翻訳メモリに登録されていた、過去訳であった。
 今回の翻訳者が担当したファイルは、私がまだ見ていなかった後半部分のみだった。

 100% マッチと表示されているので、今回の翻訳者は、修正が多いセグメントに手を付けなかった。
 100%マッチだと、ワード単価が $0.02 前後まで下がってしまうが、ゼロではない。
 ということで、2~5ワードの短いセグメントのみ修正していて、損をしそうな長いセグメントはそのまま残していた。

 翻訳メモリの誤訳を指摘したら、1件当たり手数料がもらえるなど、新しい契約が必要かもしれない。
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まず、訳抜けが何か所もあった。
あるセグメントでは、原文が6行もあるのに、和訳は2行のみで、半分も和訳していない。

誤訳も多かった。
今回の和訳は、過去の文書の追加改訂版なので、大部分のセグメントがロックされている。

新規で翻訳するセグメントでも、単語を検索すれば、既存の和訳で簡単に見つけることができる。

例えば、Loginname を検索すると、「ログイン名」であることが判明するが、なぜか「ユーザー名」にしてあった。


Funktionsprofil を検索すると、人事評価の文書なので、「役職プロフィール」であることが簡単にわかる。
しかし、この翻訳者は、「関数プロファイル」と和訳していた。

もしかすると、人事評価の点数を計算するために、何か数式を使うと思っていたのかもしれない。
それでも、大量に存在する既存訳を検索するくらいは考えてほしかった。

ドイツ語人材は足りないので、文意を把握できない翻訳者も実際に働いているわけだ。
だからチェッカーの取り分を増やしてほしいという意見が多いのだろう。

追記(2月4日):
翻訳者の返事が届いた。
100% マッチのセグメントは自分の翻訳ではない、とのことだ。

翻訳メモリの既存訳が自動入力されると、マッチ率に応じて料金が割引になってしまうので、触りたくなかったのだろう。
私の契約の場合、100% マッチでもゼロではない。
まあ、確かにわずかな金額ではあるが、修正なしでもいくらかもらえるのだから、数か所直してもよいのではないか。
100% マッチなのに修正が多いならば、追加料金を交渉すればよいのだ。

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