自称1000万円翻訳者・浅野正憲の怪しい講座について、私も含めて批判を続けている翻訳関係者は一定数いる。
2019年の翻訳祭の後に、私の翻訳会社でも1度話題になったが、今ではもう相手にしていない。
日常の業務が忙しいし、特許翻訳には参入する能力はないようだし、ドイツ語翻訳にも無関係なので、いずれ自然淘汰されるだろうと思っていた。
しかし、語学力が足りないだけではなく、守秘義務などのビジネスマナーすら身につけていない人たちが増産されているため、ドイツ語翻訳には無関係などと言って傍観してはならないと感じた。
最近は中日翻訳にも参入したようなので、ドイツ語翻訳もいずれは標的になるかもしれない。
彼が勧める企業のウェブサイトや製品マニュアルの和訳は、私も年に数件受注しているからだ。
「自分に無関係の人たちが被害に遭っているだけだ」などと傍観しているうちに、いつの間にか自分の身が危うくなっているかもしれない。
そのときに慌てて反対意見を言っても、もう遅いことになる。
仕事が終わってから、または休日の勉強の合間などに、微力ながらこのブログで批判記事を書いてきた。
それは、不正を行う翻訳者は、本人が損をするだけにとどまらず、関係した多数の人々を巻き込んでしまうからだ。
それでも、批判記事について、誹謗中傷ばかりしていると言う人はいるし、翻訳で毎日忙しいはずなのに書く暇がよくあるものだとか、非生産的な行為だとコメントする人もいる。
同業者から言われてしまうこともあるので、自称1000万円翻訳者は、立場を理解してもらえたと誤解することだろう。
私には、怪しい翻訳講座を凌駕するほどの大規模セミナーを開催する能力はないかもしれないが、できる範囲でJTFのセミナーや学会でも発表しているし、機械翻訳に関する雑誌記事にも協力している。
また、ブログを通じて連絡のあった方にドイツ語勉強法を伝えたり、ドイツ旅行に行く方には旅行会話を教え、神学生にはルター聖書などの解説もしたことがある。
私は、自分にふさわしい場所で、適切な方法を用いて、ドイツ語の普及に貢献しようと努力している。
その努力は、あまりにも小さく目立たないものだが、「呼ばれた場所で働く」という基本姿勢で取り組んでいる。
それで、私が一番気にしているのは、語学力の問題よりも、守秘義務や著作権保護などのビジネスマナーの件だ。
インサイダー情報に触れることもある翻訳者は、例えば、多言語による世界同時発表のプレスリリースなどの翻訳で、発表前に機密情報を知ることもある。
その講座の受講生のように、疑問点があるからといって講師に見せて相談したら、とんでもないことになるだろう。
私が一番被害を被ったと感じたのは、字幕翻訳チェック案件での著作権侵害事件だ。
過去に他の劇場で公演されたことがある演目だが、世界的に有名なクライアントの劇場は、完全にオリジナルの字幕を依頼してきた。
しかし、私には時間的余裕もないので、他の翻訳者に依頼してもらい、チェックを担当することになった。
その翻訳者は、ネット上に公開されていた演劇ファンによる台本の和訳をそのまま使った。
私はそれに気づかずにチェックして納品してしまった。
数か月後に翻訳者の違法行為が発覚して、チェック料金の$132を返金することになった。
私はそのとき、「この翻訳会社との取引も終わってしまうのではないか」と、とても不安になってしまった。
不正行為に加担した翻訳者として告発サイトに登録されたら、もう続けられないとまで考えていた。
運よく私へのドイツ語和訳の依頼は続いているものの、翻訳会社は、そのクライアントとの取引が今後一切できなくなったはずだ。
その字幕を使ったクライアントが著作権侵害をしたことになり、もし訴えられていたならば、翻訳業務の違約金だけで済むことはないだろう。
1人の手抜き翻訳者の安易な行為で、クライアント、翻訳会社、チェッカーが巻き込まれ、取引が続いていれば得られたであろう将来の収入までも消えてしまった。
機械翻訳よりもひどい翻訳を納品する人もたまにいて、チェッカーの料金が安すぎると文句を言いたくなることもあるが、違法行為をしていないだけましかもしれない。
ただ、あの怪しい翻訳講座では、講師本人がビジネスマナーを教えていないので、どこかで同様の事件に巻き込まれるのではないかと危惧している。
私のブログや他の SNS 投稿に対して非生産的な批判を繰り返していると言う人も、知らないうちに自分の身に降りかかるリスクを考えた方がよいと思う。
2019年の翻訳祭の後に、私の翻訳会社でも1度話題になったが、今ではもう相手にしていない。
日常の業務が忙しいし、特許翻訳には参入する能力はないようだし、ドイツ語翻訳にも無関係なので、いずれ自然淘汰されるだろうと思っていた。
しかし、語学力が足りないだけではなく、守秘義務などのビジネスマナーすら身につけていない人たちが増産されているため、ドイツ語翻訳には無関係などと言って傍観してはならないと感じた。
最近は中日翻訳にも参入したようなので、ドイツ語翻訳もいずれは標的になるかもしれない。
彼が勧める企業のウェブサイトや製品マニュアルの和訳は、私も年に数件受注しているからだ。
「自分に無関係の人たちが被害に遭っているだけだ」などと傍観しているうちに、いつの間にか自分の身が危うくなっているかもしれない。
そのときに慌てて反対意見を言っても、もう遅いことになる。
仕事が終わってから、または休日の勉強の合間などに、微力ながらこのブログで批判記事を書いてきた。
それは、不正を行う翻訳者は、本人が損をするだけにとどまらず、関係した多数の人々を巻き込んでしまうからだ。
それでも、批判記事について、誹謗中傷ばかりしていると言う人はいるし、翻訳で毎日忙しいはずなのに書く暇がよくあるものだとか、非生産的な行為だとコメントする人もいる。
同業者から言われてしまうこともあるので、自称1000万円翻訳者は、立場を理解してもらえたと誤解することだろう。
私には、怪しい翻訳講座を凌駕するほどの大規模セミナーを開催する能力はないかもしれないが、できる範囲でJTFのセミナーや学会でも発表しているし、機械翻訳に関する雑誌記事にも協力している。
また、ブログを通じて連絡のあった方にドイツ語勉強法を伝えたり、ドイツ旅行に行く方には旅行会話を教え、神学生にはルター聖書などの解説もしたことがある。
私は、自分にふさわしい場所で、適切な方法を用いて、ドイツ語の普及に貢献しようと努力している。
その努力は、あまりにも小さく目立たないものだが、「呼ばれた場所で働く」という基本姿勢で取り組んでいる。
それで、私が一番気にしているのは、語学力の問題よりも、守秘義務や著作権保護などのビジネスマナーの件だ。
インサイダー情報に触れることもある翻訳者は、例えば、多言語による世界同時発表のプレスリリースなどの翻訳で、発表前に機密情報を知ることもある。
その講座の受講生のように、疑問点があるからといって講師に見せて相談したら、とんでもないことになるだろう。
私が一番被害を被ったと感じたのは、字幕翻訳チェック案件での著作権侵害事件だ。
過去に他の劇場で公演されたことがある演目だが、世界的に有名なクライアントの劇場は、完全にオリジナルの字幕を依頼してきた。
しかし、私には時間的余裕もないので、他の翻訳者に依頼してもらい、チェックを担当することになった。
その翻訳者は、ネット上に公開されていた演劇ファンによる台本の和訳をそのまま使った。
私はそれに気づかずにチェックして納品してしまった。
数か月後に翻訳者の違法行為が発覚して、チェック料金の$132を返金することになった。
私はそのとき、「この翻訳会社との取引も終わってしまうのではないか」と、とても不安になってしまった。
不正行為に加担した翻訳者として告発サイトに登録されたら、もう続けられないとまで考えていた。
運よく私へのドイツ語和訳の依頼は続いているものの、翻訳会社は、そのクライアントとの取引が今後一切できなくなったはずだ。
その字幕を使ったクライアントが著作権侵害をしたことになり、もし訴えられていたならば、翻訳業務の違約金だけで済むことはないだろう。
1人の手抜き翻訳者の安易な行為で、クライアント、翻訳会社、チェッカーが巻き込まれ、取引が続いていれば得られたであろう将来の収入までも消えてしまった。
機械翻訳よりもひどい翻訳を納品する人もたまにいて、チェッカーの料金が安すぎると文句を言いたくなることもあるが、違法行為をしていないだけましかもしれない。
ただ、あの怪しい翻訳講座では、講師本人がビジネスマナーを教えていないので、どこかで同様の事件に巻き込まれるのではないかと危惧している。
私のブログや他の SNS 投稿に対して非生産的な批判を繰り返していると言う人も、知らないうちに自分の身に降りかかるリスクを考えた方がよいと思う。