昨日の記事に書いた、母が管理していた町内の花壇だが、
電話して聞いてみたところ、既に花も木も何もないそうだ。


この場所は市の所有地であったが、雑草が生えていて汚かったため、
ボランティアで知られていた母に、花壇に整備する仕事が委託された。

母は自分のお金で花を買ったり、知り合いの花屋で売れ残った鉢植えを譲ってもらい、
そして腐葉土を自分で作りながら、10年かけて、きれいな花壇に整備した。

しかし、その当時から、近くに住む頑固おじさんが、いつも文句を言っていたそうだ。

花壇にイチジクの木があったが、その落ち葉が、おじさんの家の前に飛んでしまった。
おじさんは食堂も経営しているため、ゴミが家の前に飛んできたと怒ったわけだ。

母の腐葉土つくりも含めて、市役所に対しても、おじさんは抗議し続けた。
「公共の場を汚く利用している」 と。


母が汚したわけではなく、強風や大雨で土や落ち葉が流れたわけだし、
しかも夜中に花や土を盗みに来る人がいて、花壇の周囲が汚れていたそうだ。

おじさんは、イチジクの実がなると、母に何も言わずに、勝手にもぎ取って食べていたが、
イチジクの落ち葉に対しては、我慢がならなかったので、執拗に抗議したようだ。


市役所も対応に困ってしまい、母も続けたくないため、花壇は廃止と決定した。

今度は別の人から、花壇廃止に対する抗議が市役所に届くようになった。
地元紙に投書を用意する人まで現れた。

するとおじさんは、「花壇を廃止しろとは言っていない。イチジクだけ切れと言ったんだ。」 と、
態度が少し変わったが、それは、おじさんが困るような別の問題が発生したからだ。

市役所では、廃止した花壇を舗装して、歩道の一部とすることに決定した。

そこは、おじさんの家の下水管が通っているので、舗装されてしまうと、
工事のときには再舗装費用の一部を、おじさんは自己負担しなければならないのだ。


これまで町内でも嫌われていたので、自業自得だと皆に笑われている。


花は鉢に植え替えて、ほしい人に分けてあげた。
特に、チューリップは様々な色や形があり、人気だった。
昔から付き合いのあるスポーツ店では、木の植え替えも手伝ってくれた。
花がなくなった後からも、土だけでもほしいという人が毎日来たそうだ。


市役所では、花壇があった場所には、移動可能なプランターを置く予定だが、
もう母は面倒なことは嫌になったので、手伝わないことにした。

歩道が殺風景になった代わりに、近くの小学校の花壇の世話をすることにした。

近所付き合いのトラブルに巻き込まれた市役所の担当者もかわいそうだが、
高齢者の生きがいを奪うことにならないようにしてほしいものだ。


追記:
イチジクの木は、実をつけたまま移植された。
心配されたが、腕のいい植木屋さんが来てくれたようで、根付きもよく、実は食べ頃だという。
カラスなどがつつきに来たら、実が熟した印だそうだ。

(最終チェック・修正日 2006年06月02日)