IWC年次会合も終わって、クジラのニュースはほとんど聞かなくなった。
日本鯨類研究所も、妨害行為がないときは、プレスリリースをほとんど出していない。
すると鯨ポータル・サイトの、「鯨論・闘論」に、新しい投稿が掲載された。
60番目の質問・意見は、高校・現代社会担当の非常勤講師からのものである。
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c60 (以下に抜粋)
【温暖化はじめ環境問題を抱えている現代,自然と人間の付き合い方を考えるのは非常に重要な事だと
思います。中でも捕鯨問題は,ワイズユースとノンユースの非常に良い教材になるとも思います。
ただ,残念ながら教科書の捕鯨問題の記述は非常にサラッとしていて,捕鯨賛成派と反対派の対立も
「対立がある」程度の記述にとどめ,具体的な日本の主張については何も触れていません。
ちなみに,現在使用している教科書で,捕鯨問題については,わずかに記述は 5 行です
(反対派からの強烈なクレームを恐れての事かもしれません)。
この教科書レベルの授業を行った結果,捕鯨問題に無知な国民が大量生産されて行くのかもしれません。
そこで質問なのですが,水産庁としては教科書のベースとなる学習指導要領に対して,
どの程度コミットされているのでしょうか?】
環境問題に関連して、捕鯨の話題が2009年度センター試験で出たため、この教師は気にしているのかも。
ある教科書会社が、そのセンター試験の問題に対応した自社の教科書を宣伝している文書は次の通り。
この捕鯨問題の説明文は5行なので、質問した教師が使っている教科書ではないかと思われる。
http://www.daiichi-g.co.jp/shuppan/mihon/50/GS_026_center.pdf
また、大学入試センターが事後に発表した、出題の意図と解析は次の通り。
http://www.dnc.ac.jp/old_data/exam_repo/21/pdf/21hyouka17.pdf
【自然保護・生物多様性に関する基礎的知識を問うことを意図した。
捕鯨の賛否については、一世代前であれば極めて常識的であったが、残念ながら今の世代には
そうではないようで、正答率は予想どおり高くはなく、妥当な範囲であった。大学入試センター試験
では取り扱いにくい意見対立のある事象を取り上げたかいはあったと思っている。】
去年からNHKのトップニュースでも取り上げていたので、捕鯨問題を知っていてほしかったのだろう。
しかし、正答率が高くないことを予想しており、続く記述でも何が目的だったのか、ほとんど理解できない。
まあ、取り上げたいならば、学習指導要領や教科書に頼らず、教師や生徒が自主的に資料を集めればいい。
興味あることを深く掘り下げて学ぶことも、高校教育の目標になっているのだから。
そして水産庁・森下参事官の回答は次の通り(抜粋)
【捕鯨問題を担当しているものとしては,この問題を教科書にしっかり取り上げていただきたいと思います。
過去には,文部科学省の教科書担当者に捕鯨問題に熱心な方がおられて,話を聞いていただいたことも
あります。農林水産省が教科書出版会社を集めて農林水産問題をより詳しく取り上げてもらおうとした
説明会でも,捕鯨問題を説明しています。お使いの教科書で 5行とはいえ捕鯨問題を取り上げて
いただいたのは,このような努力の成果と思いたいところです。
最も効果的な方法は,総合学習や授業の補助として使っていただける副読本の製作ではないかと思います。
小中学生レベルのものは財団法人 日本鯨類研究所が作成したものがありますが,高校生の議論に
対応したものはありません。一般向けの捕鯨問題のパンフレットや出版物はいろいろあります。
また,これも小中学生対象ですが,日本鯨類研究所の職員が出張授業を行うプログラムがあり,
好評をいただいています。学校新聞への捕鯨問題掲載も行いました。
捕鯨問題関係者も,次世代を担う若者にこの問題を理解していただくことの重要さを良く認識しています。
ご依頼を頂けば,喜んで既存の出版物の紹介,パンフレットの提供を行います。学校訪問も可能だと
思います。ぜひ,ご連絡ください。また,理解促進のためのアイディア,ご提案もお願いいたします。】
文部省の教科書担当者の個人的意見で、教科書の記述を変更できるということを、水産庁は認めたわけだ。
この証言は、特に歴史教科書問題で有効活用できそうだ。
この教科書会社への働きかけや、小中学生への宣伝(洗脳)活動を見ると、原発推進派と同じ仕組みだ。
環境問題と関連するかのようなレトリックを使い、何も知らない子どもたちをだますわけだ。
森下参事官は最近、「クジラ食害論を日本側が提示したことはない」 という趣旨の発言をしたが、
日本鯨類研究所だけでなく、他の捕鯨推進派団体も、子どもたちに 「クジラ食害論」 を教えてきた。
それにもかかわらず、「既存の出版物の紹介、パンフレットの提供を行」うのはおかしい。
代わりに、レジームシフトによる魚種交代でイワシが減ったことを説明するパンフレットを作成し、
主要魚種の不漁について、クジラは何も関係がないことをはっきり提示することが先ではないか。
まずは日本鯨類研究所のパンフレットを全て回収・破棄し、そして捕鯨推進派を改心させた後、
水産庁が主張する科学的議論を、真に海洋水産資源の問題を考えている科学者を交えて実施すればいい。
新学習指導要領の現代社会の項には、次のような注意事項もあるが、水産庁・捕鯨推進派は守れるだろうか。
【的確な資料に基づいて,社会的事象に対する客観的かつ公正なものの見方や考え方を育成するとともに,
学び方の習得を図ること。その際,統計などの資料の見方やその意味,情報の検索や処理の仕方,
簡単な社会調査の方法などについて指導するよう留意すること。】
漁業資源の危機の原因をクジラに求めると、取り返しのつかない事態になってしまう。
真の原因を突き止め、資源回復のための方策を速やかに実施することが、水産庁には求められている。
(最終チェック・修正日 2009年07月26日)
日本鯨類研究所も、妨害行為がないときは、プレスリリースをほとんど出していない。
すると鯨ポータル・サイトの、「鯨論・闘論」に、新しい投稿が掲載された。
60番目の質問・意見は、高校・現代社会担当の非常勤講師からのものである。
http://www.e-kujira.or.jp/geiron/morishita/1/#c60 (以下に抜粋)
【温暖化はじめ環境問題を抱えている現代,自然と人間の付き合い方を考えるのは非常に重要な事だと
思います。中でも捕鯨問題は,ワイズユースとノンユースの非常に良い教材になるとも思います。
ただ,残念ながら教科書の捕鯨問題の記述は非常にサラッとしていて,捕鯨賛成派と反対派の対立も
「対立がある」程度の記述にとどめ,具体的な日本の主張については何も触れていません。
ちなみに,現在使用している教科書で,捕鯨問題については,わずかに記述は 5 行です
(反対派からの強烈なクレームを恐れての事かもしれません)。
この教科書レベルの授業を行った結果,捕鯨問題に無知な国民が大量生産されて行くのかもしれません。
そこで質問なのですが,水産庁としては教科書のベースとなる学習指導要領に対して,
どの程度コミットされているのでしょうか?】
環境問題に関連して、捕鯨の話題が2009年度センター試験で出たため、この教師は気にしているのかも。
ある教科書会社が、そのセンター試験の問題に対応した自社の教科書を宣伝している文書は次の通り。
この捕鯨問題の説明文は5行なので、質問した教師が使っている教科書ではないかと思われる。
http://www.daiichi-g.co.jp/shuppan/mihon/50/GS_026_center.pdf
また、大学入試センターが事後に発表した、出題の意図と解析は次の通り。
http://www.dnc.ac.jp/old_data/exam_repo/21/pdf/21hyouka17.pdf
【自然保護・生物多様性に関する基礎的知識を問うことを意図した。
捕鯨の賛否については、一世代前であれば極めて常識的であったが、残念ながら今の世代には
そうではないようで、正答率は予想どおり高くはなく、妥当な範囲であった。大学入試センター試験
では取り扱いにくい意見対立のある事象を取り上げたかいはあったと思っている。】
去年からNHKのトップニュースでも取り上げていたので、捕鯨問題を知っていてほしかったのだろう。
しかし、正答率が高くないことを予想しており、続く記述でも何が目的だったのか、ほとんど理解できない。
まあ、取り上げたいならば、学習指導要領や教科書に頼らず、教師や生徒が自主的に資料を集めればいい。
興味あることを深く掘り下げて学ぶことも、高校教育の目標になっているのだから。
そして水産庁・森下参事官の回答は次の通り(抜粋)
【捕鯨問題を担当しているものとしては,この問題を教科書にしっかり取り上げていただきたいと思います。
過去には,文部科学省の教科書担当者に捕鯨問題に熱心な方がおられて,話を聞いていただいたことも
あります。農林水産省が教科書出版会社を集めて農林水産問題をより詳しく取り上げてもらおうとした
説明会でも,捕鯨問題を説明しています。お使いの教科書で 5行とはいえ捕鯨問題を取り上げて
いただいたのは,このような努力の成果と思いたいところです。
最も効果的な方法は,総合学習や授業の補助として使っていただける副読本の製作ではないかと思います。
小中学生レベルのものは財団法人 日本鯨類研究所が作成したものがありますが,高校生の議論に
対応したものはありません。一般向けの捕鯨問題のパンフレットや出版物はいろいろあります。
また,これも小中学生対象ですが,日本鯨類研究所の職員が出張授業を行うプログラムがあり,
好評をいただいています。学校新聞への捕鯨問題掲載も行いました。
捕鯨問題関係者も,次世代を担う若者にこの問題を理解していただくことの重要さを良く認識しています。
ご依頼を頂けば,喜んで既存の出版物の紹介,パンフレットの提供を行います。学校訪問も可能だと
思います。ぜひ,ご連絡ください。また,理解促進のためのアイディア,ご提案もお願いいたします。】
文部省の教科書担当者の個人的意見で、教科書の記述を変更できるということを、水産庁は認めたわけだ。
この証言は、特に歴史教科書問題で有効活用できそうだ。
この教科書会社への働きかけや、小中学生への宣伝(洗脳)活動を見ると、原発推進派と同じ仕組みだ。
環境問題と関連するかのようなレトリックを使い、何も知らない子どもたちをだますわけだ。
森下参事官は最近、「クジラ食害論を日本側が提示したことはない」 という趣旨の発言をしたが、
日本鯨類研究所だけでなく、他の捕鯨推進派団体も、子どもたちに 「クジラ食害論」 を教えてきた。
それにもかかわらず、「既存の出版物の紹介、パンフレットの提供を行」うのはおかしい。
代わりに、レジームシフトによる魚種交代でイワシが減ったことを説明するパンフレットを作成し、
主要魚種の不漁について、クジラは何も関係がないことをはっきり提示することが先ではないか。
まずは日本鯨類研究所のパンフレットを全て回収・破棄し、そして捕鯨推進派を改心させた後、
水産庁が主張する科学的議論を、真に海洋水産資源の問題を考えている科学者を交えて実施すればいい。
新学習指導要領の現代社会の項には、次のような注意事項もあるが、水産庁・捕鯨推進派は守れるだろうか。
【的確な資料に基づいて,社会的事象に対する客観的かつ公正なものの見方や考え方を育成するとともに,
学び方の習得を図ること。その際,統計などの資料の見方やその意味,情報の検索や処理の仕方,
簡単な社会調査の方法などについて指導するよう留意すること。】
漁業資源の危機の原因をクジラに求めると、取り返しのつかない事態になってしまう。
真の原因を突き止め、資源回復のための方策を速やかに実施することが、水産庁には求められている。
(最終チェック・修正日 2009年07月26日)