科学誌 Nature と姉妹紙の大半は、会社がオンラインアクセス権を有しているので、
個人購読契約をしなくても、最新論文を読むことができて便利だ。
今日も Nature の最新号(2月18日号)を読んでいたら、最初の Editorials に気になる記事を見つけた。
850ページの Nature's choices というタイトルの記事である。
どうやら Nature の論文審査に関して3つの噂があるとのことで、それは根拠がないという反論をしている。
http://www.nature.com/nature/journal/v463/n7283/full/463850a.html
1つ目の噂は、「Nature はインパクト・ファクターを上げるために、引用されやすい論文を通している」。
掲載前に被引用数を予測することは困難であり、この噂には根拠がない。
また、論文の重要度を被引用数で評価することに信頼性がないことは、合成化学の論文2報で例示している。
http://www.nature.com/nature/journal/v441/n7095/full/nature04820.html
http://www.nature.com/nature/journal/v441/n7094/full/nature04842.html
Enders らの論文は、2009年末までの被引用数が182件(2月18日時点で258件、Scopus にて)。
それに対して Tani らの論文は、同時期の被引用数が13件(2月18日時点で21件)である。
Tani らが報告した、ねじれたアミド化合物(2-quinuclidone)の合成は、真に基礎的研究で重要な成果だ。
その証拠に、アメリカ化学会の会報 Chemical & Engineering News で取り上げられていた。
http://pubs.acs.org/cen/news/84/i24/8424notw4.html
Nature の記事では触れていないが、Angew. Chem. Int. Ed. でも紹介されている。
http://www3.interscience.wiley.com/journal/113384983/abstract
Enders らの論文は、研究者数が多い立体選択合成の分野なので、被引用数が増えるのは当然だ。
Tani らの論文は、アミドの反応性の議論には役立つのだが、関連する研究者がたまたま少なかっただけだ。
論文によって被引用数の差が大きいが、幅広い分野の論文を掲載していることに誇りを感じているそうだ。
2つ目の噂は、「論文を却下を決定するために、否定的なレフェリーを一人入れている」。
これも根拠がなく、特に競争の激しい分野では、研究テーマが競合しないレフェリーを選んでいる。
逆に、全てのレフェリーががっかりした論文でも、掲載を決定したことがあるそうだ。
レフェリーの意見を参考にしているが、最終的には Nature 編集部が採否を決定している。
加えて、論文の採否決定に、著者の国籍や所属は無関係とのことだ。
レフェリーに関してのもう一つの噂は、「少数の特権的レフェリーに頼っている」 というものだ。
これも根拠がなく、昨年は約 5,400人のレフェリーに審査を依頼したそうで、今後も増やすそうだ。
論文審査に関しては、私も含めて悔しい思いをした研究者は多いから、根拠のない噂が広まるのだろう。
論文を採用してもらうためにレフェリーの要求をのんで、実験を追加したり、表現を変えたこともある。
本筋とは違う難癖をつけられて、ボツになった論文もある。
生物の研究者に聞いた話だが、日本特有の生物を研究材料にして論文を書いたところ、
ヨーロッパのレフェリーから、「そんな生物がいるわけがない」 と、完全否定されたそうだ。
そういえば、日本鯨類研究所の関係者が、「反捕鯨国が邪魔をして論文が出ない」 と言っていた。
2005年には、次のような論文まで出している(別刷り請求中)。
Fukui, Y., Ishikawa, H. and Ohsumi, S. "Difficulties in publishing research results from
scientific whaling", Marine Mammal Science 21: 781-783.
今回の Nature の記事で、学術的に重要性があれば掲載するという方針が確認できたので、
日本鯨類研究所の豊富な資料を用いて、クジラの生態に関するすばらしい論文を投稿してほしいものだ。
個人購読契約をしなくても、最新論文を読むことができて便利だ。
今日も Nature の最新号(2月18日号)を読んでいたら、最初の Editorials に気になる記事を見つけた。
850ページの Nature's choices というタイトルの記事である。
どうやら Nature の論文審査に関して3つの噂があるとのことで、それは根拠がないという反論をしている。
http://www.nature.com/nature/journal/v463/n7283/full/463850a.html
1つ目の噂は、「Nature はインパクト・ファクターを上げるために、引用されやすい論文を通している」。
掲載前に被引用数を予測することは困難であり、この噂には根拠がない。
また、論文の重要度を被引用数で評価することに信頼性がないことは、合成化学の論文2報で例示している。
http://www.nature.com/nature/journal/v441/n7095/full/nature04820.html
http://www.nature.com/nature/journal/v441/n7094/full/nature04842.html
Enders らの論文は、2009年末までの被引用数が182件(2月18日時点で258件、Scopus にて)。
それに対して Tani らの論文は、同時期の被引用数が13件(2月18日時点で21件)である。
Tani らが報告した、ねじれたアミド化合物(2-quinuclidone)の合成は、真に基礎的研究で重要な成果だ。
その証拠に、アメリカ化学会の会報 Chemical & Engineering News で取り上げられていた。
http://pubs.acs.org/cen/news/84/i24/8424notw4.html
Nature の記事では触れていないが、Angew. Chem. Int. Ed. でも紹介されている。
http://www3.interscience.wiley.com/journal/113384983/abstract
Enders らの論文は、研究者数が多い立体選択合成の分野なので、被引用数が増えるのは当然だ。
Tani らの論文は、アミドの反応性の議論には役立つのだが、関連する研究者がたまたま少なかっただけだ。
論文によって被引用数の差が大きいが、幅広い分野の論文を掲載していることに誇りを感じているそうだ。
2つ目の噂は、「論文を却下を決定するために、否定的なレフェリーを一人入れている」。
これも根拠がなく、特に競争の激しい分野では、研究テーマが競合しないレフェリーを選んでいる。
逆に、全てのレフェリーががっかりした論文でも、掲載を決定したことがあるそうだ。
レフェリーの意見を参考にしているが、最終的には Nature 編集部が採否を決定している。
加えて、論文の採否決定に、著者の国籍や所属は無関係とのことだ。
レフェリーに関してのもう一つの噂は、「少数の特権的レフェリーに頼っている」 というものだ。
これも根拠がなく、昨年は約 5,400人のレフェリーに審査を依頼したそうで、今後も増やすそうだ。
論文審査に関しては、私も含めて悔しい思いをした研究者は多いから、根拠のない噂が広まるのだろう。
論文を採用してもらうためにレフェリーの要求をのんで、実験を追加したり、表現を変えたこともある。
本筋とは違う難癖をつけられて、ボツになった論文もある。
生物の研究者に聞いた話だが、日本特有の生物を研究材料にして論文を書いたところ、
ヨーロッパのレフェリーから、「そんな生物がいるわけがない」 と、完全否定されたそうだ。
そういえば、日本鯨類研究所の関係者が、「反捕鯨国が邪魔をして論文が出ない」 と言っていた。
2005年には、次のような論文まで出している(別刷り請求中)。
Fukui, Y., Ishikawa, H. and Ohsumi, S. "Difficulties in publishing research results from
scientific whaling", Marine Mammal Science 21: 781-783.
今回の Nature の記事で、学術的に重要性があれば掲載するという方針が確認できたので、
日本鯨類研究所の豊富な資料を用いて、クジラの生態に関するすばらしい論文を投稿してほしいものだ。