年明け納品の翻訳作業中で忙しいが、休憩時間に見たAFP記事が気になったので、簡単にメモしておこう。
数年前、新規開店した有名書店に行ったところ、「化学」 の書籍の棚に、「科学」 という札がかかっていた。
理学部で博士を取得した私は 「自然科学者」 ではあるが、専門は 「有機化学」 なので、がっかりしたことがある。
どちらも発音は 「カガク」 なので、話すときは 「のぎへんのカガク」 や 「バケ学」 と言ってみたり、
「サイエンス」 や 「ケミストリー」 と言うこともある(「ケミストリー」 を 「毛虫取り」 と聞き間違える人もいるが)。
手書きのときは気付くのかもしれないが、最近はPCソフトでの漢字変換に頼るためか、
「科学」 と 「化学」 の区別ができていない文章もあり、今回引用したAFP記事もその一つだろう。
見出しの 「シャンパンを化学する」 からして間違いではないか。
そして本文の冒頭は次の通りだが、他にも間違いがあるので、以下のリンクのAFP英語記事と比較してほしい。
http://news.yahoo.com/s/afp/20101227/lf_afp/ussocietychemistrywinechampagnefrance_20101227172722
日本語:【2010年も残りわずか。内外で多くの人びとが、大みそかや新年を、シャンパンで祝うことだろう。こうした絶妙のタイミングで、フランスの研究チームが、美味しくシャンパンを味わう秘訣を化学的に解明し、米国化学会誌(American Chemical Society)の学術誌に掲載した。】
英語:【Days before New Year's Eve, French researchers have found scientific evidence for what many champagne tipplers have long known -- that the bubbles are the key to a good bubbly.
数年前、新規開店した有名書店に行ったところ、「化学」 の書籍の棚に、「科学」 という札がかかっていた。
理学部で博士を取得した私は 「自然科学者」 ではあるが、専門は 「有機化学」 なので、がっかりしたことがある。
どちらも発音は 「カガク」 なので、話すときは 「のぎへんのカガク」 や 「バケ学」 と言ってみたり、
「サイエンス」 や 「ケミストリー」 と言うこともある(「ケミストリー」 を 「毛虫取り」 と聞き間違える人もいるが)。
手書きのときは気付くのかもしれないが、最近はPCソフトでの漢字変換に頼るためか、
「科学」 と 「化学」 の区別ができていない文章もあり、今回引用したAFP記事もその一つだろう。
見出しの 「シャンパンを化学する」 からして間違いではないか。
そして本文の冒頭は次の通りだが、他にも間違いがあるので、以下のリンクのAFP英語記事と比較してほしい。
http://news.yahoo.com/s/afp/20101227/lf_afp/ussocietychemistrywinechampagnefrance_20101227172722
日本語:【2010年も残りわずか。内外で多くの人びとが、大みそかや新年を、シャンパンで祝うことだろう。こうした絶妙のタイミングで、フランスの研究チームが、美味しくシャンパンを味わう秘訣を化学的に解明し、米国化学会誌(American Chemical Society)の学術誌に掲載した。】
英語:【Days before New Year's Eve, French researchers have found scientific evidence for what many champagne tipplers have long known -- that the bubbles are the key to a good bubbly.
The scientists found that the tiny bubbles "are the essence of fine champagnes and sparkling wines" and play a central role in the transfer of taste, aroma and texture, according to an article published in the American Chemical Society Journal.】
英語では 「scientific evidence」 であり、「chemical evidence」 ではない。
以前から感じているが、和訳記事に疑問点があるときは、元の英語記事を探して読まなければならない。
翻訳の勉強にもなるので、こういった手間は気にしないが、今は自分の翻訳作業中なので時間がもったいない。
AFPに対しては、記載の訂正の他、元記事へのリンクを付記することを要望した。
青字で示した2つ目の間違いとは、American Chemical Society は 「米国化学会/アメリカ化学会」 であり、
「米国化学会誌」 ではない(米国化学会の会員誌は 「Chemical & Engineering News」)。
「米国化学会の学術誌に掲載した」 ならばわかるが、このような間違いは校正段階で修正してほしいものだ。
ちなみにこの論文が掲載された学術誌とは次の通りで、あるサイトで論文がダウンロードできた。
グラスの角度の違いを比較したり、グラスの外側へと広がる炭酸ガスの様子も図示されている。
J. Agric. Food Chem. 2010, 58, 8768–8775.
ついでだが、日本語記事中には 【気泡の蒸発を最小限にとどめられる】 とあるが、
英語では、【minimize the bubbles lost】 なので、「蒸発」 ではなく 「消失」 の方がまだよいだろう。
これから自分の翻訳作業に戻るが、誤訳しないように集中しようと、改めて思った。
追記(12月29日):
私が指摘したからなのか、29日午後に確認したところ、記事が修正されていた(見出しは「化学」のままだが)。
【…フランスの研究チームが、美味しくシャンパンを味わう秘訣を科学的に解明し、米国化学会(American Chemical Society)の学術誌に掲載した。
…シャンパンの栓を抜いたあとも、気泡の消失を最小限にとどめられるという。】
(最終チェック・修正日 2010年12月29日)
追記(12月29日):
私が指摘したからなのか、29日午後に確認したところ、記事が修正されていた(見出しは「化学」のままだが)。
【…フランスの研究チームが、美味しくシャンパンを味わう秘訣を科学的に解明し、米国化学会(American Chemical Society)の学術誌に掲載した。
…シャンパンの栓を抜いたあとも、気泡の消失を最小限にとどめられるという。】
(最終チェック・修正日 2010年12月29日)