特許翻訳のセミナーで、前置詞をどのように和訳すると自然な日本語となるのか、という話があった。
例えば、化学実験操作で出てきそうな、ドイツ語の前置詞 mit を含む mit Hexan waschen で考えてみよう。
mit の後の Hexan が waschen という行為の手段を表し、「ヘキサンで洗う」または「ヘキサンを用いて洗う」になる。
mit Hexan füllen だと、「ヘキサンで満たす」の他に、「ヘキサンを満たす」と書いてもよいだろう。
ein mit Hexan gefüllter Kolben になると、「ヘキサンで満たしたフラスコ」、「ヘキサンを満たしたフラスコ」、「ヘキサンが満たされたフラスコ」と書いてもよいだろう。
また、前置詞に限らないが、単語には、その基本的意味から派生した複数の意味があるのが普通だ。
前置詞 mit でも、上に書いた行為の手段の他に、主体に付随するものや一緒にあるもの、行為の結果、共同する相手など、いろいろな意味がある。
それで、そのセミナーでは、ある参加者から、「私が使っている辞書では1番目の意味が〇〇である。この意味で和訳することは不可能なのか」という質問があった。
このときは、明細書のその部分に書かれた技術内容の説明から判断して、質問者の提案した意味にはならないことが確認された。
その質問者は、特許の技術内容が理解できなかったと言っていた。
そのため、文脈に応じた意味を選択できず、辞書に書かれている複数の意味を適用して、いくつかの和訳候補を作り、そのうちどれが適切なのかを確認したかったのだ。
フリーランス翻訳者として、新たに特許翻訳に取り組む意欲はあっても、語学知識だけではなく、特許に書かれている技術内容を理解することも重要だ。
例えば、化学実験操作で出てきそうな、ドイツ語の前置詞 mit を含む mit Hexan waschen で考えてみよう。
mit の後の Hexan が waschen という行為の手段を表し、「ヘキサンで洗う」または「ヘキサンを用いて洗う」になる。
mit Hexan füllen だと、「ヘキサンで満たす」の他に、「ヘキサンを満たす」と書いてもよいだろう。
ein mit Hexan gefüllter Kolben になると、「ヘキサンで満たしたフラスコ」、「ヘキサンを満たしたフラスコ」、「ヘキサンが満たされたフラスコ」と書いてもよいだろう。
また、前置詞に限らないが、単語には、その基本的意味から派生した複数の意味があるのが普通だ。
前置詞 mit でも、上に書いた行為の手段の他に、主体に付随するものや一緒にあるもの、行為の結果、共同する相手など、いろいろな意味がある。
それで、そのセミナーでは、ある参加者から、「私が使っている辞書では1番目の意味が〇〇である。この意味で和訳することは不可能なのか」という質問があった。
このときは、明細書のその部分に書かれた技術内容の説明から判断して、質問者の提案した意味にはならないことが確認された。
その質問者は、特許の技術内容が理解できなかったと言っていた。
そのため、文脈に応じた意味を選択できず、辞書に書かれている複数の意味を適用して、いくつかの和訳候補を作り、そのうちどれが適切なのかを確認したかったのだ。
フリーランス翻訳者として、新たに特許翻訳に取り組む意欲はあっても、語学知識だけではなく、特許に書かれている技術内容を理解することも重要だ。
特許翻訳も含めて、産業翻訳で安定した収入が得られることが宣伝されているためなのか、翻訳教室などでは、「理系知識ゼロからでも可能」などと勧めているところもあるようだ。
しかし、高校以降に理科・自然科学を学ばない人もいるわけで、大卒後に勉強を始めて間に合う人はどれだけの割合なのだろうか。
このような現状では、機械翻訳のポストエディットができる人材も集まらないかもしれない。
高校で文系・理系に分けることはせず、幅広い教養と知識を持つ者だけが大学で専門教育を受けるようにした方が、人材不足に陥らないのではないだろうか。
しかし、高校以降に理科・自然科学を学ばない人もいるわけで、大卒後に勉強を始めて間に合う人はどれだけの割合なのだろうか。
このような現状では、機械翻訳のポストエディットができる人材も集まらないかもしれない。
高校で文系・理系に分けることはせず、幅広い教養と知識を持つ者だけが大学で専門教育を受けるようにした方が、人材不足に陥らないのではないだろうか。
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