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トラックバックした記事にあるように、今後の取引を希望しない翻訳会社Kから、私の銀行口座に翻訳料金が振り込まれた。
その金額を見ると、どうやら源泉徴収税額を間違えているように思えた。
はっきりと断定できないのは、以下に説明するように、金額が記載された発注書が存在しないためである。

和訳の仕上がり文字数で翻訳料金が決まって、その金額のみ連絡が来たが、その計算自体が間違っていた。
その計算ミスについてメールで連絡したが、何も回答がなかったので、確定申告用の支払調書をもらうまでは、実際の振込額を見て判断するしかない。

それに加えて、振込手数料は翻訳者が負担するということだったので、内訳を記載した発注書の発行を依頼したが、これに関しても何も返事がなかった。

個人情報保護に関する同意書を送ってほしいと依頼しても何も返事がないし、今後は取引をするつもりがないので、しつこく請求する気はない。

ただし、月末締めごとに青色申告の帳簿を記載しなければならないため、振込手数料や源泉所得税などを推測してみた。
すると、復興特別所得税の分が源泉徴収されていない疑いが浮上した。

初めに、国税庁のタックスアンサーから、源泉所得税に関するページのリンクを紹介しておこう。
www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm (No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき)

私の翻訳料金の場合、金額が100万円以下なので、所得税と復興特別所得税の合計額は、課税すべき支払金額の10.21%である。

上述のように、翻訳会社の計算ミスが修正されたのかどうか不明のため、支払金額は、正しい金額と計算ミスの金額の2種類を選択した。
次に、源泉徴収税額として10.21%分を引き、そして振込手数料を一番少ない108円と仮定して計算した。
すると、どちらの金額も振込金額と異なってしまった。

そのため、あり得ないと思ったが、所得税の10%のみにして、振込手数料を108円とすると、金額が合致した。
つまり、数十円であるが、その翻訳会社Kは、特別復興所得税の申告漏れになってしまう。

私の所轄の税務署に電話で問い合わせたところ、所得税と復興特別所得税を源泉徴収して納付する義務は翻訳会社Kにあり、私は確定申告時に、実際の源泉徴収税額を記載して計算するだけでよいとのことだった。

復興特別所得税が導入されて5年になるのに、知らないということはないだろう。
株式会社なのに税理士などにチェックを依頼していないのだろうか。
復興特別所得税を忘れたのは、今回の私の翻訳料金のみなのだろうか。
あるいは、翻訳者が確定申告すればかまわないとでも思っているのだろうか。

翻訳会社Kの所轄税務署に電話をして、今回の源泉徴収漏れの疑いについて説明した。
指導が行われるのかどうかは税務署の判断に任せよう。

1回受注してみてから、どのような翻訳会社なのか判断しようと思ったのだが、このような面倒なことになったので、最初から断ればよかった。

9年前に登録した翻訳会社Kから突然連絡があり、4ページくらいのドイツ語論文の和訳を依頼された。

過去記事にも書いたが、この翻訳会社Kからのメールの文面や対応が失礼だということで、取引をしなかった翻訳者もいるそうだ。
確かに、私に届いたメールを見ても、民間企業の研修ならば講師からダメだしをくらうことだろう。

まあそれでも、納期は約1か月後でのんびりしていたし、この翻訳会社Kがどのような会社なのか、試す意味でも受注した。

結論から言えば、この案件の翻訳料金を受け取った後は、一切の取引をしないことを決意した。

7月末にメール添付でファイルを納品したが、受領の連絡がなかったので、お盆を過ぎてから8月25日に問い合わせメールを送った。

そのメールには以下の3点を書いた。
1) クライアントの検品が終了したかどうか。
2) 翻訳料金計算のための仕上がり字数は決定したかどうか。
3) 現住所と銀行口座を登録する前に、個人情報保護の同意書を送ってほしいこと。

しかし、9月になっても連絡がないため、9月12日に同じ文面で再送した。
すると、本日14日昼頃に、返答が届いた。

連絡が遅くなったことについては一言もなく、いきなり、仕上がり字数・単価・翻訳料金が記されていて、「振り込み先銀行をお知らせください。」とあるのみ。

個人情報保護の同意書については、何も記載がないし、加えて、翻訳料金の計算が間違っている。


計算すると …19.5円となり、小数点以下切り捨てで …19円となるのだが、なぜか下2桁が …95円となっていて、76円多い。

そこで、次の3点を記したメールを送った。
1) 翻訳料金の計算が間違っていること。
2) 源泉徴収などの内訳を記した発注書を発行してほしいこと(または私が請求書を発行するのかどうか)。
3) 銀行口座と現住所を記した後に、確定申告用の支払調書を上記住所宛に郵送してほしいこと。

これに対してその日のうちに返信が届いたが、翻訳料金の間違いについては一言も触れていなかった

内訳については、源泉徴収10%と振込手数料を差し引いた金額を振り込むとあるだけで、具体的な金額も振込予定金額もなく、発注書を発行するのかどうかも書いていない。
細かいことを言えば、源泉徴収は10.21%のはずだ。

支払調書については、確定申告の時期に請求してほしいとのことだ。
翻訳者から請求がなくても、2月上旬までに郵送するのが、普通の翻訳会社の業務ではないだろうか。

私の質問に答えない理由がわからないが、今後は取引をすることはないので、個人情報保護の同意書を求めるなど、相手にする時間がもったいない。

まだ翻訳料金を払ってくれるだけましかもしれないが、このような対応をされたのは初めてなので、記録の意味で記事とした。

私はドイツ語特許の和訳を中心に実績を作りたいのだが、現状では英語特許の和訳が約9割となっている。
自動車や工作機械分野などのドイツ企業は、今でもドイツ語で特許出願しているのだが、今はどうしても英語で出願された特許の方が多い。
そのためフリーランスの場合は、英語で収入を確保して、ドイツ語などの第二外国語でプラスアルファを狙うのが現実的な選択だろう。

ドイツ語特許の和訳を発注するクライアント側に、ドイツ語を理解する人材がいないということも経験した。
そのような事情も影響しているのか、オリジナルがドイツ語の特許でも、英訳ができるのを待ってから、和訳を依頼されることもある。

翻訳関係の雑誌記事で読んだのだが、英語の方がワード単価が安いから、という理由もあるかもしれないが、実際には、納品後の検品ができる英語から和訳をしてほしいのかもしれない。

以前も指摘したが、英訳特許には、誤訳が含まれていることに注意しなければならない。

名詞の格や前置詞の意味を誤認したと思われる英訳を見たことがある。
そのため翻訳者には、英訳特許の和訳であっても、オリジナルのドイツ語特許の内容を理解して、誤訳を指摘できる能力が求められる。

誤訳というよりも、誤記のレベルのこともあるが、このときにいつも悩むのが、誤記もこのまま和訳しなければならないことだ。
ドイツ語オリジナルから和訳すれば正しいのに、間違った英訳から和訳すると、その間違いを引きずってしまう。
とりあえず、ドイツ語では正しいというコメントを付けて、その後の判断はクライアントに任せようと思う。

それで、私が専門の化学系の特許で、特に化合物名で、どのような間違いが発生しているのか、いくつか紹介しておこう。

化合物名での誤記と思われるものは次のようなものがあり、ドイツ語オリジナル -> 英語の誤記 の順に示す。
Ether -> either
Menthyl -> methyl
Carbonsäurenitril -> carboxylic acid nitrile

また、複数形を理解せずに、英語では存在しない化合物名になっている例は次の通り。
Gemisch aus Butanolen, .. -> mixture of butanolene, .. 

炭素数4のブタノールには、構造が異なる4種類の異性体がある。
そのため、
「ブタノール類」と種類を表すとき、ドイツ語の Butanol は複数形 Butanole にでき、しかも前置詞 aus の後なので複数3格の Butanolen になっている。

英語では butanols になるわけだが、Butanolen という化合物があると誤認した化学を知らない翻訳者によって、butanolene という英訳になってしまった。

先ほど、Google 翻訳に入れたら、正確に英訳していた。
このようなことを指摘しながら、化学者が翻訳することのメリットも示していきたい。

【最終チェック・修正日 2018年09月12日】

先月、9年前に登録した翻訳会社から初めてドイツ語論文の和訳案件を受注した。
既に納品したのだが、受領の連絡がないまま、26日が経過してしまった。
当初は、クライアントの検品が遅れているのかと思っていたが、お盆休みを過ぎても何も連絡がないのはおかしい。

ある翻訳者のブログでは、この翻訳会社の会社名だけではなく、メール本文も公開して、対応が失礼であったため、取引をしなかったことが書かれている。

私に対する問い合わせメールの文面を見ても、ビジネスマナーにうるさい人ならば、取引しないという決断をすると思われる。
ただ、政府機関や地方自治体の事業の落札情報に掲載されているため、この会社の様子を知るためにも、1回だけならば試しに受注してもよいかなと思った。

翻訳を開始してから、定訳のない専門用語の扱いについて問い合わせたときは、2日後に返信があったので、それほど不安にはならなかった。
そのため、受領の連絡がないとは予想外であった。

来月まで放置しようかと思ったが、念のため今日、クライアントの検品が終了したのかどうかをメールで問い合わせた。

今後の対応については、他の翻訳者の参考になるかもしれないので、内容をぼかしながら追記するか、新記事として投稿する予定だ。

他の翻訳会社でも、担当者が多忙なためか、受領の連絡が来ない場合もあるが、その代わりに数日後に、決定した翻訳料金を記載した最終的な発注書が送られてくる。

今回の翻訳会社の場合、和訳の文字数で料金が決定するため、翻訳開始時にどれだけの報酬になるのかは不明であった。
納品時の文字数で概算すると、1万円を少し超えるくらいだが、検品後に確定した文字数で再計算しなければならない。
受領の連絡がないということは、翻訳会社が文字数をカウントして、料金を計算してくれるのだと、現時点では思っている。

月末締めということなので、納品した7月末では検品が終わっていないから、8月末締めで計算すると推測している。
それならば、9月第1週には翻訳料金に関する連絡が来ると思うが、9月20日を過ぎても何もなければ、対応を考えよう。

また、この翻訳会社に登録した情報は9年前のものなので、住所などを更新してもらわないといけないし、銀行口座を登録したかどうかは覚えていない。

その間に法律も変わったので、個人情報保護に関する同意書に署名してから、現住所や銀行口座の情報を提供することにしたい。

細かいことを事前に取り決める時間がなかったこともあるが、私のように試しに受注するのみで、その後取引するつもりがほとんどない場合を除いて、仕事を始める前に疑問点がないようにすべきだろう。

追記(9月1日):
検品が終了したかどうかを問い合わせたメールを8月25日に送って、今日で1週間が過ぎたが、その翻訳会社からは何も連絡がない。
他案件で忙しいとしても、一行メールも来ないとは困ったものだ。
一般競争入札の落札業者に掲載されているので、その案件を担当している翻訳者もいるはずだが、このような会社と取引していて、不安にならないのだろうか。
あと2週間待ってみて、何もなければ、再度メールを送ってみよう。

追記2(9月12日):
問い合わせメールを送ってから18日経過したが、まだ何も連絡がない。
ということで、同じ文面で、タイトルの最初に【再送】と付けて、再度メールを送信してみた。
25日までに返答がなければ、次はFAXにしてみよう。

翻訳という仕事には、様々な人が関わっているので、当然ながら、お互いに適切なコミュニケーションが求められる。
緊急時を除いて、電話連絡ということはほとんどなく、平日日中に電子メールを常時受信できるようにしておけばよい。

私は主に Gmail を使用しているが、その前に使っていた Yahooメールに送ってくる翻訳会社があるため、メールタイトルや内容に 「翻訳」 というキーワードが含まれている場合、スマートフォンに通知するように設定している。

長期休暇を取得しているときは、メールの自動返信機能を使えばいいし、ある翻訳会社では、登録フリーランス翻訳者が休暇を記入するためのカレンダーを、オンラインで提供しているところもある。

翻訳者は仕事が欲しいので、いつでも連絡できるようにして、メールを受信したら、すぐに返事をするように心がけているものだ。
ただし、翻訳者にもビジネスマナーを知らない人がいるという話も聞く。

それは翻訳会社も同じかもしれない。

6月下旬に、9年前に登録した翻訳会社から突然連絡があり、材料系業界専門誌のドイツ語論文を和訳する仕事を受注した。
ある翻訳者のブログでは、この翻訳会社からの問い合わせメールの文面が失礼だったので、その仕事を断ったとあった。
確かに、9年間も連絡がなかったのに、突然仕事の依頼をするには、少々問題のある文面だった。
それでも、まあ1回くらい仕事をしてみてから、合わない会社なのかどうかを考えようと思った。

そして先月末、和訳が終わって、ワードファイルの他に、専門用語の独英日リストを添付して納品した。
納品から今日で8日目だが、何も連絡がない。
クライアントの検品が終わるまでは、連絡がないのだろうか。

この仕事では、日本語仕上がりの字数で料金が決まる。
これは事前に確認しておけば良かったのだが、字数の決定方法がわからない。

納品時に字数を数えるのか、それとも翻訳会社のチェック後に決まるのか、あるいはクライアントの検品後に修正対応などをしてから、字数が最終的に確定するのか。

また、私が翻訳料金を計算して請求書を発行するのか、それとも翻訳会社が発注書を発行するのか、それも未確認だ。
加えて、提示された料金が消費税込みなのか、それとも外税方式なのかも不明だ。

2016年開催の第26回JTF翻訳祭では、「翻訳会社に聞きたいこと、翻訳者に聞きたいこと」というものがあった。
事前に集めた質問について、当日は時間の関係で回答できなかったものも含めて、保存版PDFにまとめられている。
journal.jtf.jp/files/user/JTFhonyakusai2016_3-4_report.pdf

3ページ左、翻訳会社に対する質問で、「連絡・コミュニケーション」の4番目に、「受領確認メール送付のルールはあるか(連絡がない、遅いのはなぜか)」がある。

回答した翻訳会社の担当者は、特別な事情がない限り、原則としてすぐに連絡するようにしているそうだ。
これが普通の取引慣行だと思う。

来週になっても連絡がなければ、お盆明けの20日に私から連絡してみよう。

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