タグ:その他環境問題

20年以上前、石垣島サンゴ礁保護運動をきっかけに、私は環境保護団体WWFジャパンの会員となった。
年会費1万円の他に、ボルネオ島森林保護や大型ネコ類保護など、臨時の寄付を5千円から1万円の範囲で続けてきた。
今年は年収が減る想定だったため、年会費を5千円に減らしているが、翻訳受注が順調であれば、臨時の寄付を増やして貢献したいと思う。

WWFジャパンでは気候変動・地球温暖化にも取り組んでおり、日本政府に対して、パブリックコメントの機会などを含めて要望している。


2015年12月に、地球温暖化対策に関するパリ協定が採択された。
伊勢志摩サミットでも話題になったが、日本政府の対応が遅れているうちに、各国が批准を進めて、今年10月5日に発効が決定し、発効予定日は11月4日である。

日本は伊勢志摩サミットの議長国であったにもかかわらず、パリ協定の早期批准については、国内産業界の反発に配慮して、乗り気ではなかったと言われている。
しかし、主要宣言には以下のように明記されており、議長国としても、批准作業を進める義務があったはずだ。
www.mofa.go.jp/mofaj/files/000160265.pdf

【G7は,引き続き指導的な役割を担い,パリ協定の2016年中の発効という目標に向けて取り組みつつ,同協定の可能な限り早期の締結に必要な措置をとることにコミット。全ての締約国に,同様の対応を求める。】

ということで、WWFジャパンは10月3日に
衆参両院に対して、批准を急ぐように要望書を提出した。
www.wwf.or.jp/activities/2016/10/1338703.html

10月11日にようやく閣議決定後、国会日程の都合なのか、全く進んでいない。
週明け17日からの国会審議が気になる。

11月7日からモロッコで始まるCOP22では、様々なルール作りも検討される予定だが、参加するには、
10月19日までに批准したことを国連機関に報告しなければならない。
もし批准が間に合わなければ、日本は単なるオブザーバー参加となり、日本に不利なルールが提案されたとしても、反論もできない。

日本はG7の一員なのに、政府の見通しの甘さから、批准が間に合わないという不名誉な実績を作ってしまいそうだ。
国内の様々な要望を調整するために時間がかかるのは、どこの国でも同じなので、それを言い訳にするのは情けない。

確かに京都議定書以降の各国の対応から判断すれば、アメリカと中国が早期合意したことも、インドが批准したことも予想外だったかもしれない。
ただ、それを見たEUは、加盟各国の批准を待たずに、EUとして一括批准という迅速な対応をして、乗り遅れないようにした。

拙速な批准を戒める評論もあるが、ルール作りに参加できないのであれば、いくら国内調整や途上国支援の約束をしても意味がない。

アメリカや中国、EUなどが自分たちに有利なルールを提案するのは当たり前で、議論しながら妥協点を見つけていくものだ。
日本の同盟国や経済援助している途上国が配慮してくれるなどと考えてはいけない。

国際社会で名誉ある地位を占めたいのであれば、世界第5位の排出国として、率先して批准し、議論をリードする提案をCOP22の前に提示するくらいの意気込みが必要だ。

このままだと、たぶん批准はできずに、日本に不利なルールばかりできてしまい、自業自得なのに後で文句ばかり言うだけの二流国として扱われるだろう。

日曜日にドイツのニュースをチェックしていたところ、世界的に有名な環境保護団体グリーンピースの本部で、外国為替取引の失敗により、380万ユーロもの資金が消えてしまったという。

このスキャンダルを報じた SPIEGEL Online の6月14日付け記事は次の通り(ドイツ語)。
www.spiegel.de/wirtschaft/soziales/greenpeace-mitarbeiter-verzockt-spender-millionen-a-975215.html

グリーンピース・ドイツでは同日に見解を発表した(ドイツ語)。
www.greenpeace.de/themen/defizit-bei-greenpeace-international

グリーンピース・インターナショナル本部はオランダ・アムステルダムにあるのに、ドイツで先に見解を発表したのは、今回消えた資金の多くが、ドイツからの寄付金だったと報道されたからかもしれない。

ドイツでの発表から1日遅れて
翌15日に、グリーンピース・インターナショナル本部は見解を発表した(英語)。
www.greenpeace.org/international/en/news/features/Statement-on-foreign-currency-exchange-losses/

英語で発表されたからなのか、以下の引用の他にも多数報道されている。
www.cnbc.com/id/101761146
www.theguardian.com/environment/2014/jun/16/greenpeace-loses-3m-pounds-currency-speculation

オランダのメディアも15日に報道していた。
www.nrc.nl/nieuws/2014/06/15/greenpeace-verkwist-38-miljoen-geen-sprake-van-speculatie/

週明けにはグリーンピース・ジャパンで日本語で確認できると期待したが、この記事を書いている時点で何もない。

グリーンピース・インターナショナルの会計監査は、KPMGが行っており、正式な発表は8月の予定である。
監査対象の2013年は、この為替取引の損失380万ユーロを含めて、680万ユーロの赤字になる見込みだという。

グリーンピースは40か国を超える地域で活動をしているため、本部ではユーロを扱っていても、実際の活動には現地通貨が必要となる。
外国為替の変動が大きいと、活動資金の援助にも影響するため、為替予約を利用することが考えられる。
ただし今回はなぜか、ユーロが弱くなるという思惑で取引をしていたそうだ。

理由は不明だが、活動資金を増やそうとしたのだろうか。
資産として安全に運用するには、主に債券を利用するが、それでは足りなかったのだろうか。

続報があればチェックしておこう。

(最終チェック・修正日 2014年05月05日)

商業捕鯨をしているアイスランドでは、ミンククジラ肉は主に国内で消費しているが、ナガスクジラ肉は冷凍して日本へ輸出している。
しかし昨年は、反捕鯨国のオランダとドイツの港でトラブルとなり、アイスランドに戻ることになった。

ということで今年は、カナダを経由して日本に輸出するというルートが開拓された。
カナダ東海岸で一度陸揚げして、鉄道で西海岸に運び、そして再び船に積んで日本に向かうものだ。

この新たなカナダルートが継続するのかと思っていたら、残りの在庫約2,000トンを一度に直接日本に運んでいるようだ。
3月20日に動物保護団体のIFAWが報告している。
www.ifaw.org/united-states/news/iceland%E2%80%99s-lone-whaling-crusader-attempts-ship-around

レイキャビクで冷凍鯨肉を積み込んだと言われている、キプロス船籍 Alma 号の現在位置を検索したところ、世界時3月27日21時には、カナリア諸島の西を航行中であった。
www.marinetraffic.com/en/ais/details/ships/9140968/vessel:ALMA

パナマ運河を通らないとすると、アフリカ南端を通って東進し、マレーシアなどを経由して日本に向かうと思われる。

--------------------
追記(4月12日):4月12日の位置を確認したところ、南アフリカ・イーストロンドン沖を東進しており、目的地が「東京」と表示されるようになっていた。
--------------------

2,000トンという輸出量については、今のところ反捕鯨団体の発表しかないため、正しいのかどうかは不明だ。
6月頃には公的な統計が発表されるだろう。

--------------------
追記(5月5日):
統計を調べると、3月の冷凍鯨肉輸出量は、2,017,358 kgで、約2,000トンという報道は正しい。
価格は 1,495,334,619 ISK で、日本円で約13億5千万円だから、キロ当たり約670円。
この価格は、ノルウェーのミンククジラ肉買い取り価格よりも約1割増に相当。
--------------------
 
この2,000トンという数字は、アイスランドのメディアにも出てくるので、たぶん正しいのだろう。
www.visir.is/hvalkjot-ekki-lengur-eftirsott-i-japan/article/2014703289931

【… Þrátt fyrir þetta stefna Japanar á að veiða um 1.300 hrefnur á ári hverju, auk þess sem Íslendingar gera sér vonir um að þeir taki við allt að
2.000 tonnum af kjöti sem verið er að flytja þangað þessa dagana. …】

このアイスランド語の記事では、日本の鯨肉マーケットは限定的なものであり、鯨肉在庫は増え続けていて、2012年は4,600トンも余っていると紹介している。
そのためか、2,000トンも増えても消費できるのか疑問のようだ。
ミンククジラ肉よりも、ナガスクジラ肉の方が望まれているようなので、何年もかければ消費されるとは思うが。

日本に到着したら、反捕鯨団体のレポートが出ると思うので、続報を待つことにしよう。

(最終チェック・修正日 2014年04月12日)

アイスランドでは商業捕鯨が行われており、ミンククジラとナガスクジラを獲っている。
ミンククジラはアイスランド国内向けだが、ナガスクジラは日本に輸出するために獲っている。

アイスランドの輸出統計を3月6日に確認したところ、昨年12月までの鯨肉輸出量が公開されていた。
4月、6月、7月に、約130トンずつ輸出されているが、8月から12月まではゼロである。
グリーンピースなどの環境保護団体や、反捕鯨団体が抗議運動をしていて、鯨肉コンテナを積んだ船がEU諸国の港から追い返されているためか、輸出量がゼロになったと思われる。

昨年は6月と7月に連続して、それぞれオランダとドイツの税関が、冷凍鯨肉コンテナを積んだ貨物船の寄港を拒否したから、日本への輸出はもう無理なのかと思っていたら、なんとカナダの陸路を経由して運ぼうとしているとのことだ。

太平洋側のバンクーバーの新聞、The Vancouver Sunが2月13日に報じていた。
www.vancouversun.com/news/Shock+over+meat+endangered+whales+shipped+through+Canada/9501269/story.html

環境保護団体グリーンピース・カナダでは、報道よりも2週間ほど前に、この情報を入手していたという。
www.greenpeace.org/canada/en/Blog/6000-kilometers-of-shame-feds-allow-endangere/blog/48221/

カナダやアイスランドの報道(英語)がいくつか続いているものの、日本ではニュースになっていないようだ。
www.cbc.ca/news/canada/nova-scotia/endangered-whale-meat-shipped-via-halifax-en-route-to-japan-1.2541968
www.ctvnews.ca/canada/critics-call-for-tougher-trade-laws-after-endangered-whale-meat-shipped-through-canada-1.1690352
grapevine.is/News/ReadArticle/Iceland-Using-Canada-As-Whaling-Stop
www.icenews.is/2014/03/01/icelandic-whalers-take-canadian-route-to-japan/

3月2日付け The Vancouver Sun の続報では、カナダの鉄道で鯨肉を運んでいることに対して、署名活動などの反対運動が起きているとあった。
グリーンピース・カナダでは、オンライン署名活動を行っており、5万人分を集める目標だ(3月8日朝の時点で約1万2千人)。
www.vancouversun.com/news/Ottawa+pressured+stop+trans+shipments+whale+meat/9570277/story.html
www.thepetitionsite.com/takeaction/301/446/322/

カナダの東海岸ハリファックスの港に到着してから1か月経過しているため、鉄道で運ばれた冷凍鯨肉コンテナは、既にバンクーバーの港から日本行きの貨物船に載せられたことだろう。
バンクーバーから日本までの標準日数は10日なので、もう日本に到着していると思われる。

EU諸国では、鯨肉コンテナを積んだアイスランドの貨物船の寄港を阻止する方針にしている。
鯨肉の輸出先は日本であってEU諸国ではないが、コンテナの積み替え作業で一時的に港の敷地に置くことすら拒否したいようだ。

それに対してカナダ税関は、書類に不備がなかったため、国内通過を認めるしかなかったと言っている。
いわゆるワシントン条約では、付属書Iに記載された種の取引を禁止しているが、クジラ類について捕鯨国のアイスランド・ノルウェー・日本は留保を宣言している。
留保の主張は国際的に認められた権利であり、留保しているアイスランドと日本との間で、今回のようにナガスクジラ肉の輸出入取引を行っても、合法行為となってしまう。

EU諸国や環境保護団体は、留保すること自体が問題だと主張しているので、今後ももめることだろう。

追記(4月12日):
アイスランドの輸出統計で冷凍鯨関連製品を検索すると、1月は約42トン、2月は約212トンを輸出していた。
カナダの陸路経由の輸出は、そのうち1月の約42トンと思われる。

(最終チェック・修正日 2014年03月02日)

約20年前、沖縄・石垣島の白保サンゴ礁保護運動をきっかけに、私は環境保護団体WWF(世界自然保護基金)の会員となった。
年会費1万円に加えて、熱帯雨林保護や野生生物調査の援助など、特定の目的の寄付も年間2万円ほど続けている。
www.wwf.or.jp/

日常生活でも全ての商品ではないが、環境に配慮したエコ製品をできるだけ使っている。
例えばプリンタ用紙ならば、再生紙やFSC認証の製品を選んでいる。

いわゆるエコラベルは食品でも採用されていて、水産物ではMSC認証が世界的に有名である。
www.msc.org/jp

天然水産物を認証するMSCに続いて、養殖水産物のエコラベルとしてASC認証が生まれた。

資源の持続可能な利用を訴えているWWFは、このASC認証にも関わっている。
www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1136/asc/


そして今日3月1日から全国のイオンで、ASC認証のノルウェー産養殖アトランティックサーモンが販売開始となった。
WWFとイオンの発表は以下の通り。
www.wwf.or.jp/activities/2014/02/1188928.html
www.wwf.or.jp/activities/2014/02/1188728.html
【ASCは、環境に大きな負担をかけず、生産現場の人権などにも配慮して生産される「責任ある養殖水産物」を普及させるために、WWFとIDH(オランダの持続可能な貿易を推進する団体)が支援して設立された、独立した非営利組織です。
ASCによる認証制度は、ASCが認定した第三者機関による「責任ある養殖場」の認証と、そこで生産された水産物に他の水産物が混ざらないようにするCoC(加工流通過程の管理)認証から成っています。】

www.aeon.info/news/2013_2/140228R_1.html
【イオンは3月1日(土)より、全国の総合スーパー「イオン」425店舗において、“責任ある養殖により生産された水産物”ASCの認証を取得した「トップバリュ 生アトランティックサーモン」3品目を発売します。】

切身の価格は 100 g 当たり 298円と、かなり割高ではあるが、WWFの会員としては一度試してみようと思った。
ということで今日の昼過ぎに、最寄りのイオンに電話で直接問い合わせた。

その店舗では、刺身用だけを販売しているそうで、切身は置いていないとの説明だった。
トップパリュのコールセンターに問い合わせても、実際の販売品目は各店舗に直接聞いてほしいとの回答だった。

しかたなく2番目に近いイオンに電話したところ、主に刺身用として販売する方針だが、店員に希望を伝えれば、切身として加工販売できるそうだ。
ただし、入荷した状態の半身では、既に皮がないとのこと。

皮の有無は気にしないので、150 g 前後の切身を用意してほしいと伝えた。
すると、希望の時間帯に最寄りのイオンで受け取れるように手配するとの提案があった。
一度電話を切って20分ほど待つと、確認の電話があった。
ということで、他の買い物のついでに、明日夕方に受け取りに行くことにした。

月に1回くらい、RF1のサラダの代わりに、ASC認証サーモンを食べようかと思う。
環境に配慮したサーモンということはわかったので、追加情報として汚染物質などの分析値を公表してほしいものだ。

追記(3月2日):
聖歌隊練習を終えてから、電車を途中駅で降りて、雨が強くなる中でイオンに向かった。
店員に伝えると、下の写真のようにパック入りの切身 164 g(税込488円)が届いた。


確認したところ、主に刺身用として販売する方針のため、切身がほしいときは在庫があるうちに注文しないといけないそうだ。
この日は既に刺身は売り切れということだったので、今日はこの切身だけを味見しよう。
塩と黒コショウの簡単な味付けで、ヘルシオの自動メニューで焼き魚(切身)を選んだ。
余分な脂を落とした後でも、ぱさつくこともなく、ふんわりと柔らかい食感が楽しめた。

↑このページのトップヘ